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【読書記録】2024年9月に読んだ本一覧(計9冊)

こんにちは、ぽっぽです。

2024年9月に読んだ本を一覧にまとめました。

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今月読んだ本

今月読んだ本は全部で9冊。

(漫画は巻数ではなく全部で1冊とカウントしています)

『ある男』平野啓一郎(著)

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弁護士の城戸は、かつての依頼者である女性・里枝から、ひとりの男についての奇妙な相談を受けた。

再婚相手の男が、実は全くの別人だったというのだ。

次男を亡くし、夫と別れた過去を持つ彼女が、長男・悠人とともに故郷に戻って出会ったその男。

新しい命にも恵まれ、家族四人で幸せな生活をおくっていたという。

しかし、ある日突然男は事故で命を落としてしまい、その死をきっかけに判明した衝撃の事実。

彼女が愛した男は、名前も過去も全て偽り、別人として生きていたのだーー。

“「ある男」とは一体誰なのか?”という大きな謎を通して、「私とはなにか?愛とはなにか?」を問う物語。

依頼を受けた弁護士が「ある男」の身元を調べるという物語ですが、いろんな人のいろんな人生に想いを馳せずにはいられない内容でした。

人種差別、帰属意識、家族問題、アイデンティティ。

現実世界が抱える様々な問題が、登場人物たちの繊細な心理描写を通して浮き彫りになっている本書。

一番大きなテーマは「愛」だと思いますが、私は「アイデンティティ」について思い悩む男たちの複雑な心理が印象に残りました。

人生には、自分しだいでどうにかできることとできないこと、どちらもあると思います。

けれど実際には、全てのことを「自己責任」という言葉で片付けられてしまうことも多いような気がしていて。

本当にそれでいいのかと改めて考えてしまいました。

「ある男」のように、巻き込まれる形で不遇な境遇に置かれてしまう人は、実際たくさんいると思います。

それこそ、別人にならなければ社会の中でまともに生きていけない人も。

受け入れ難いアイデンティティに苦しむ人は、どう折り合いをつけて生きていけばいいのだろうか。

自分自身にいろんなことを問いかけ、そのたびに頭を悩ませた本書。

重たい内容ではありますが、複雑な状況に巻き込まれた悠人が、悩みながらも成長していく姿に希望が持てるラストでした。

『地球星人』村田沙耶香(著)

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恋愛をすること、生殖をすることを当たり前とする社会に馴染めない34歳の奈月。

社会の目をすり抜けてひっそりと生きるため、ネットで知り合った男性と条件付きの婚姻関係を結んだ。

あるとき夫とともに田舎の親戚の家を訪れた奈月は、そこでいとこの由宇と20年以上ぶりの再会を果たす。

小学生の頃、結婚の誓いを立てた由宇と奈月。

何があっても“いきのびよう”と誓った由宇は、大人になり、「人間工場」の常識に洗脳されていたーー。

ただただ幼い奈月に自己投影して、痛くてつらくて仕方なかった前半。

家族という本来最も安心して過ごせる場所ですら「ゴミ箱」でいるしかなかった奈月を思うと言葉になりません。

子どもの頃に安心して過ごせる場所がなかった人は、きっと奈月の言葉に共感してしまうと思います。

この感情を知らずに大人になれた人もいるのでしょうが、それは本当に幸運なことだと思ってしまいました。

「工場」の外側から見る“普通の人たち”の気持ち悪さがなんだかリアルで。

彼らの言動は、それがどんなに想像力やデリカシーに欠けていたとしても、「常識」に守られているから許される。

それが相手の心をどれだけ深く傷つけ、追い詰めたとしても。

そしてそれは物語の中だけではなく、現実世界でも往々にして行われていることなんですよね。

普通とは何か、狂気とはなにか。

本書で描かれていることは、先月読んだ「ベロニカは死ぬことにした」にも通ずる部分があるなと感じました。

そこで描かれていた、社会の「普通」とのズレや矛盾が蓄積した結果「狂気」へと繋がるという話を、本書がまさに体現しているような感じ。

後半の展開も含めて好みは分かれそうですが、村田さんが描き出す“異常さ”を必要としている人たちは、きっとたくさんいるはず。

『夜明けの縁をさ迷う人々』小川洋子(著)

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本書は9つの物語を収録した短編集ですが、全体の印象としては“レトロな遊園地”。

街の片隅にひっそりと佇む、とうの昔に人々から忘れ去られてしまった、ただ静かに色褪せていくだけの遊園地。

そこに迷い込み、錆びついたメリーゴーランドや回らないコーヒーカップを眺めながら、ゆっくりとさ迷っているような感覚になりました。

(遊園地の物語はひとつもありませんが)

不思議で幻想的で不気味で。でも、切なくて美しくて愛おしくて。

改めて小川洋子さんの作品の魅力をしみじみと実感させてくれた作品です。

どれも印象的な物語でしたが、とりわけ心に残っているのは『イービーのかなわぬ望み』と『パラソルチョコレート』。

『イービーのかなわぬ望み』は、どうしてだか“ジョジョっぽいな”と真っ先に思いました。

エレベーターの中で生まれ、エレベーターの中でしか生きられないイービーが、エンポリオと重なったのかもしれません。

(ジョジョ6部に登場するエンポリオは、刑務所の中で生まれ育った外の世界を知らない少年)

生まれて初めて外の世界へ連れ出されたイービーが、音もなくはらはらと輪郭を失っていく描写が、切ないけれどハッとする美しかったです。

『パラソルチョコレート』は、自分の裏側の世界に住む老人と偶然出会ってしまった女の子の物語。

不思議で温かく、そして何より“誰にだってその人なりの事情がある”を信条としているシッターさんが魅力的で。

他にも、むき出しの狂気が描かれた『教授宅の留守番』、愛する人のために自分の身体を切り刻む女性の物語『涙売り』。

物件が求める住人を探す奇妙な不動産屋『お探しの物件』、永遠に終わらない甲子園を描いた『再試合』など。

その発想力に思わず感嘆してしまうほどの、個性豊かな内容が詰め込まれていました。

不可思議な物語たちに魅了されたい方はぜひ読んでみてください。

ジョゼと虎と魚たち』田辺聖子(著)

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¥660 (2024/10/04 17:09:43時点 楽天市場調べ-詳細)

下肢の麻痺で歩くことができず、車椅子がないと生活できないジョゼ。

母親は彼女が赤ん坊の頃に出ていき、父親の再婚相手はジョゼを煩わしく思い、施設に入れてしまった。

17歳のときに祖母に引き取られたが、ジョゼは世間から身を隠すように暮らしており、ほとんど外に出たことはない。

しかしひょんなことから恒夫という大学生と出会い、彼女の人生は変わり始める。

初めての動物園、初めての水族館、初めての旅行、そして初めて出来た好きな人。

ジョゼにとって、完全無欠な幸福は、死そのものだったーー。(表題作)

艶やかなのに下品ではなく、別れを描きながらも重くない。

成熟した男女の愛と別れを描いた短編集でした。

どの短編も女性側の視点で描かれているのですが、みんなそれぞれに強くて逞しいという印象。

逆に男性はどこか情けないような人物ばかりなのですが、そんな彼らに振り回されることすら楽しんでいるような余裕を感じました。

どこか達観していてしたたかではあるのですが、そこが決して嫌味でなく、むしろ見ていて気持ちが良い。

個人的に刺さる話はなかったのですが、女性たちの芯の通った考え方や生き方は興味深く、とても魅力的に映りました。

いつかくる終わりを予感させる刹那的な物語が多いけれど、永遠ではないからこそ美しく輝く瞬間があって。

まだ読んだことがない方はぜひ読んでみてください。

『ざんねんなスパイ』一条次郎(著)

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73歳の新人スパイ、コードネームは“ルーキー”。

長年ニホーン政府当局で清掃作業員として働いてきた私にも、ついに出番がまわってきた。

私に与えられた初めての任務は、市長の暗殺。

暗殺実行の指令がくだるまで、ごく普通の市民として目立たぬように生活するのがスパイの鉄則だ。

しかし、いったいどういうわけだろう。

市長を暗殺しにこの街にやってきたのに、その彼と友達になってしまったのだーー。

スパイ・アクションという言葉からは想像できない、破茶滅茶で不条理でコミカルで、ツッコミどころ満載のおふざけ劇でした。

最初は「なんだこれ?実は全て老人の妄想でした、なんてオチじゃないよね……?」と少し不安でしたが、そんなことはなかったです笑

しばらく戸惑いましたが、読んでいくうちにキャラクターも含めてだんだん好きになってしまう作品。

好みは分かれそうですが、好きな人はきっと好き。

よくよく読んでいくと、差別や帰属意識という重めなテーマも内包していますか、やっぱりメインはおふざけ。

こんなにもふざけ倒したコミカルな小説は初めて読んだかもしれません。

伊坂幸太郎作品のようなおかしみや、森見登美彦作品のような破茶滅茶感もあるなと思っていたら、最後に著者と伊坂さんの対談が。

やっぱり伊坂さんもこの小説好きなんだと妙に納得してしまいました。

ちょっとした息抜きに(といってもボリュームはそこそこありますが)読んでみてはいかがでしょうか。

『時をかけるゆとり』朝井リョウ(著)

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¥726 (2024/10/04 17:09:43時点 楽天市場調べ-詳細)

朝井リョウさんの「ゆとりシリーズ」第一弾。

朝井さんのエッセイはおもしろすぎて吹き出すから、人前では読まないほうがいい。

そんな噂は前から耳にしていましたが、「ほんとぉ?おおげさじゃなぁーい?」と正直舐めていた私。

(本書を読んだばかりなので、朝井さんの口調が若干移り気味)

だがしかし、噂は本当でした。こんなにも声を出して笑ってしまったエッセイは初めて。

ほとんど全ての章でニヤニヤ笑いが止まらず、思わず吹き出してしまう場面が何度もありました。

いや、ほんとに。大袈裟でなく。

そして挙げ句の果てにはこの感想を書きながらも思い出して、PCを前にニヤニヤしている始末。

電車やカフェなどで読もうものなら、間違いなく不審者として通報されていたと思います。

”経験者のアドバイスは真剣に聞くべきだ”と痛感できる一冊でした。

ひとつ不安に思っている存在が、今も私の視界の片隅に入っている、積読本たち。

この中にはそう、あの『正欲』が積まれているのだ……!

(しかも近いうちに読むつもりでいる)

本書を読んでいる途中で、既にこのことを少し後悔し始めていました。読む順番を間違えたのではないかと。

『正欲』→『ゆとり』の場合だったらきっと、「えぇー!これがあの『正欲』と同じ人が書いた文章なのぉ??」という驚きだけで済んだと思います。

しかし、『ゆとり』→『正欲』のパターンを想像してみてください。

読んでいる最中にうっかり、黒タイツおじさんや、バスローブ姿の朝井さんや、切り刻まれたお母様の免許証などが頭に浮かんでしまったら……

という心配はありますが、それはそれ、これはこれだ。なんとかなるだろう。

笑いが足りていない全人類におすすめしたいエッセイです。

『物価とは何か』渡辺努(著)

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¥2,145 (2024/10/04 20:11:39時点 楽天市場調べ-詳細)

(Kindle Unlimited対象)

本書はタイトル通り「物価とは何か」について、専門的な知識を持たない人でも読めるようにわかりやすくまとめられた一冊。

経済学者の知見をわかりやすく解説することで、読者の直感を揺るがすと同時に豊かにもしてくれる良書です。

語り口はユーモアをまじえた穏やかな口調で、ときどき放り込まれる辛口な意見も嫌な感じがなく。

データはたくさん扱っているものの、数式はほぼ出てこないので絶望することなく読むことができました。

経済学の歴史から物価理論の発展、中央銀行の役割、日本企業が値上げを避ける理由など。

さまざまな切り口から、物価の本質に迫る本書。

「メニューコスト仮説」や「商品の小型化」などはもともと疑問や関心を持っていたテーマだったので、特に興味深く読むことができました。

中央銀行の政策と人々のインフレ予想を<ゲーム理論>を用いて解説した章も、意外な結論も含めて面白かったです。

経済学だけではなく、他分野の研究や理論なども取り入れて解説している部分も、新鮮で楽しく読めました。

一度読むだけで完璧に理解することは難しいですが、それでも最初から最後まで読めば「物価」に対する解像度がかなり上がると思います。

骨太な一冊なので、まずは自分が興味を持てそうな章からから読んでみて、部分的に理解していくのもアリなのかなと。

ぜひ読んでみてください。

『BRUTUS – GOOD COFFEE』

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¥929 (2024/10/04 20:11:39時点 楽天市場調べ-詳細)

今回の特集は「おいしいコーヒーのガイドブック」。

久しぶりのコーヒー特集ということで、楽しみにしていました。

普段雑誌はあまり読まないのですが、コーヒーとなれば話は別。

Kindle Unlimitedの対象でしたが、これは隅から隅までじっくり読みたいと思い、書店で購入しました。

コーヒーのキーパーソンやキーワード、最新器具やコーヒーフェスについてなど。

コーヒーの“今”を知ることができる情報が盛りだくさんに詰め込まれています。

中でも注目なのは、2021年以降にオープンした、スペシャルティに注力するコーヒーショップをまとめた<新店ガイド>。

最近話題のショップやロースターを何軒か紹介しているだけかと思いきや、なんとその数52軒!

豆の販売の有無や値段、何種類扱っているかまでまとめてあるので、重宝しています。

今度この雑誌を片手に都内のコーヒーショップ巡りをしようと計画中。

コーヒー好きの方はぜひ手に取ってみてください。

『シェパードハウス・ホテル』森数機(原作)/はまぐり(作画)

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(Kindle Unlimited対象)

カナダ・アルバータ州の湖畔にひっそりと佇む「シェパードハウス・ホテル」。

15年前に起きた凄惨な事件以降、ここは死者たちを成仏へと導く特別なホテルとなっていた。

終わりは突然やってくるから、心の準備なんてできるわけないから。

だからみんな、ここに辿り着く。魂を休めるために。

最後の願いを叶えてくれるこのホテルには、今日も心残りを抱えた“お客様”がやって来るーー。

迷える子羊たちが最後に辿り着く場所、「羊飼いの宿(シェパード・ホテル)」。

プロポーズ直前に亡くなった青年、盗んだ絵画とともに火事に巻き込まれた女性など、それぞれに心残りを抱える魂たちがこの場所を訪れます。

心に響く言葉をさりげなく、でも確かに伝えてくれる作品。

特にこの言葉は、ついつい早足になりすぎる私の足をふと立ち止まらせてくれました。

死なんてその人の人生の一部に過ぎなくて

やり残したことの何倍も、生きてやり遂げたことがあるはずなんだ。

まだ人生の折り返し地点にすら立っていないのに「元気なうちにやりたいことをやらねば!」となんだか焦っていたこの頃。

読みたい本を一冊読み終えれば、また新しく読みたい本が一冊増えて。

毎年旅行に行っても、次の年にはもう新しく行きたい場所が増えていて。

ひとつ何かを学ぶと、また他のことに興味が出てきて。

なんだかもうキリがないなと正直思い始めていました。

いかにやり残しのないように生きるかが大事なことなのだと、いつの間にか思い込んでしまっていた気がします。

この漫画のように心残りを叶えて成仏できたらいいですが、実際にはそうはいかないですよね。

だから最後は心残りばかりを数えるのではなく、やり遂げたことを思い返しながら「こんなにたくさんのことを経験してきたんだ!」と思いながら終わりたいなと。

(そんな余裕があるかはわかりませんが)

いつ終わりが来るかなんてわからないから、たまに立ち止まって、自分の人生を振り返る時間があってもいいのかもしれませんね。

積読している本の山(やり残したこと)を見て心が焦るときは、一旦これまでに読んできた本(やり遂げたこと)のことを考えて、心を落ち着かせようと思います笑。

今年読んだ本まとめ

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【読書記録】2024年1月に読んだ本一覧(計8冊)

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