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【読書記録】2024年6月に読んだ本一覧(計5冊)

こんにちは、ぽっぽです。

2024年6月に読んだ本を一覧にまとめました。

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今月読んだ本

今月読んだ本は全部で5冊。

(漫画は巻数ではなく全部で1冊とカウントしています)

『車輪の下で』ヘルマン・ヘッセ(著)/松永美穂(訳)

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先月読んだ漫画に登場して気になっていたヘッセの『車輪の下』を早速読んでみました。

(本書はあえて『車輪の下“で”』となっていますが、その理由はあとがきに書かれています)

主人公のハンス・ゲーベンラートは、誰もが認める優秀な少年。

それ故に彼の人生は、神学校に入り将来は牧師か教師になることに運命づけられていました。

周囲の大人たちからの期待を一身に受け、優秀な成績で神学校に入学した主人公のハンス。

そこで親友のハイルナーと出会いますが、彼との離別を機にハンスの精神も不安定になってゆきーー?

という、一人の少年の短い人生を描いた作品でした。

勉強漬けの日々のモノクロな世界と、受験から解放された瞬間に一気に色づく鮮やかな世界。

この心象の変化が印象的で、美しい風景とハンスの不安定な精神がコントラストに描かれているように感じました。

ストーリー自体は悲哀に満ちていますが、だからこそ美しい自然描写や、その中で生き生きと遊ぶハンスの姿がとても印象に残っていて。

特に釣りをしているときのハンスは本当に楽しそうで、彼が子どもらしくいられる時間を取り上げた大人たちの責任について、考えずにはいられませんでした。

不器用で繊細なハンスが車輪の下で押しつぶされながら苦しむ姿は、本当に痛々しくてつらい。

私は大人になって初めて手に取りましたが、子どもの頃に読まなくて良かったのかもしれないなと思いました。

今よりもっと感情移入してつらくなってしまった気がします。

大人への教訓的な意味合いも含まれているので、まだ読んだことがない方、あるいは子どもの頃に読んだことがある方もぜひ読んでみてください。

本書を手に取るきっかけとなった漫画はこちら↓

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『スイッチ 悪意の実験』潮谷験(著)

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夏休みの間、スイッチを持っているだけでお金がもらえる簡単なアルバイト。

日当は一万円、ボーナスはなんと百万円。

しかもスイッチを押しても押さなくても報酬は変わらない。

押すことになんのメリットもないなら、誰もスイッチなんて押さないはず。

参加者の誰もがそう思っていたのだが……?第六十三回メフィスト賞受賞作。

人間の闇と純粋な悪意に迫るエグい内容の作品かと思っていましたが、意外とそんなことはなく。

あらすじから想像するような物語とは違う展開が待っている、意外性のあるミステリーでした。

『きまぐれロボット』星新一(著)

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今月は星新一さんのショートショートを。

実は星新一さんの作品をちゃんと読むのは、今回が初めて。

もっと早く読めばよかったと思うくらい、とても気に入ってしまいました。

全36篇のショートショートが収録されていますが、短いながらも全ての物語にちゃんとオチがあります。

人間の愚かさを皮肉るような結末が多いですが、決して批判的でも説教くさいわけでもなく。

取るに足らない人間という存在を、どこか優しさを含んだ穏やかな視点で描かれている印象でした。

先月読んだ筒井康隆さんの『にぎやかな未来』は小気味よいブラックジョークという感じでしたが、本書はどこか絵本のような可愛らしい世界観で和みます。

子どもだけでなく、大人が読んでも楽しめる一冊。

ちょっとした気分転換や隙間時間にもぴったりな作品です。

『珈琲の世界史』旦部幸博(著)

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一杯のコーヒーの中に溶け込んだ、さまざまな歴史という名の「物語」を味わう一冊。

以前ブルーバックスから出版されている『コーヒーの科学』を読みましたが、理系が苦手な人はこちらの方が読みやすいかもしれません。

フランス革命や東西冷戦、ナポレオンなどの既知のワードも多々登場し、コーヒーとの意外なつながりを知ることができます。

特にコーヒーの日本史については意外な事実も多く、他国にはない独自の進化をとげた“コーヒー文化”を持つ国だということを改めて知ることができました。

純喫茶からカフェブームに至るまでの時代背景や、スターバックスの動向からみるサードウェーブの舞台裏など。

いろんな歴史的側面から、コーヒーにまつわるあれこれを知ることができて大満足。

前半は少し退屈な部分もありましたが、後半にかけての方は馴染みのある言葉や話が多く、すらすらと読めました。

コーヒーの起源や変遷を学ぶにはうってつけの一冊です。

こちらもおすすめ↓

Artiste』さもえど太郎(著)

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今月は5巻無料の対象だったこちらのお仕事漫画を。

先月読んだ『八百森のエリー』は野菜の仲卸業がテーマでしたが、こちらはパリのレストランを軸にして描かれる人間ドラマが魅力の作品。

物語の主人公は、非凡な嗅覚を持つ料理人・ジルベール。

彼が才能を活かし、料理の世界でのし上がってゆく……という、いわゆる料理漫画から想像するストーリーではありません。

料理や芸術というテーマがありつつも、メインで描かれているのは「人と人との心の交流」。

そして、主人公がものすごくネガティブで引っ込み思案という設定です。

おどおどしていて頼りない主人公に、一癖も二癖もあるレストランの同僚、そして主人公が住むアパルトマンの芸術家(住人)たち。

個性豊かな登場人物たちは、みんなどこか不器用だけれど、でもとても愛おしくて。

人と関わることが苦手な主人公ですが、そんな彼らとぶつかり合いながらも心を通わせ、少しずつ世界を広げてゆきます。

それぞれの人生を歩んできた大人たちが、新たな出会いを通して成長してゆく姿には、なんだかハッとさせられる部分もあって。

(誰かがふと口にする言葉が、荒んだ心にやたら沁みる)

主人公だけでなく他の登場人物にも焦点が当てられてゆくので、読み進めるほどに深みが増してゆくのも◎

決して派手さはないけれど、なんだかスッと物語の世界に入って読み進めてしまう作品でした。

今年読んだ本まとめ

・2024年1月読了本↓

【読書記録】2024年1月に読んだ本一覧(計8冊)

・2024年2月読了本↓

【読書記録】2024年2月に読んだ本一覧(計11冊)

・2024年3月読了本↓

【読書記録】2024年3月に読んだ本一覧(計9冊)

・2024年4月読了本↓

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・2024年5月読了本↓

【読書記録】2024年5月に読んだ本一覧(計6冊)

 

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