※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています
こんにちは、ぽっぽです。
2025年2月に読んだ本を一覧にまとめました。
読み放題なら「Kindle Unlimited」
【“Kindle Unlimited”のおすすめポイント】
- 30日間の無料体験で気軽に始められる!
▶︎まずは無料でお試しができる - 月額980円で200万冊以上の本が読み放題!
▶︎いつでもキャンセル可能 - 好きな端末で本が読める!
▶︎Kindle、スマートフォン、ダブレット、PC等
目次
今月読んだ本
今月読んだ本は全部で6冊。
『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成(著)
近年話題のIT企業「スピラリンクス」が、今年初めて新卒総合職の採用を開始した。
最終選考に残ったのは、波多野祥吾をはじめとする六人の学生たち。
彼らに与えられた最後の課題は、チームディスカッション。
一カ月後までに最高のチームを作り上げ、課題に挑まなければならない。
彼らは全員で内定を勝ちとるべく交流を深めていくが、突如通達された最終課題の変更。
その内容は「六人の中から内定者を一人だけ選ぶこと」だった。
協力し合うはずだった仲間たちが、内定を奪い合うライバルへと一変。
そして最終選考当日。
緊張感漂う議論の中、彼らの重大な秘密を暴く六通の封筒が発見されーー?
『教室が、ひとりになるまで』や『ノワール・レヴナント』は特殊設定ミステリーでしたが、本書は“就活”に挑む大学生たちを描いた超現実的な物語。
あまりにもリアルな就活にまつわるあれこれに、当時苦労した記憶を呼び起こされた方も多いのではないでしょうか。
「就活において、全員が被害者であり、加害者でもある」という言葉は妙に説得力がありました。
そのくらい今回の内容は現実的で、そしてミステリーとしても大満足な作品。
縦横無尽に張り巡らされた伏線に、多少の違和感をおぼえながらも、二転三転する展開に翻弄され。
(これは重要な伏線だろうと思っていた箇所が意外にそこまでではなく、悔しい思いをしました笑)
けれど、二転三転するのは事件の真相だけではありません。
まるで月の表側と裏側を交互に見せられているかのように、新たなエピソードが語られるたび、ガラッと変わる六人の印象。
誰にだって良い面も悪い面もある。
それをわかっていながらも、ある一面だけを見て全てをわかった気になり、その人がどんな人間なのかを決めつけてしまう。
断片的な情報だけで他人を判断してしまう危うさ、そして判断されてしまう怖さ。
その両方を強烈に味わわせてくれるのが本書であり、この物語の大きなテーマなのかなと感じました。
就活のリアルな部分に切り込み、巧みな構成で読者を翻弄しながらも、後味も悪くなく。
設定や構成、キャラクター造形、さりげなく潜む伏線、読後感。
どこをとっても文句のつけようがなく、なんだか圧倒されてしまった一冊でした。
映画化もされたようですが、まだ原作を読んでいない方はぜひ読んでみてください。
『キッチン常夜灯』長月天音(著)
キッチン常夜灯シリーズ一作目。
心温まるグルメ小説でもあり、頑張る主人公に勇気をもらえるお仕事小説でもありました。
あらすじや感想は別の記事にまとめたので、ぜひ合わせてご覧ください。
詳細はこちら

『殺人依存症』櫛木理宇(著)
(Kindle Unlimited対象)
捜査一課の浦杉は、とある女を追っていた。
立て続けに都内で起こった、未成年ばかりをターゲットにする凶悪な連続殺人事件。
その捜査線上に、実行犯たちを密かに操るひとりの女の存在が浮かび上がったのだ。
防犯カメラに映る女の映像を見て、なんとも言えない違和感をおぼえた浦杉。
この女、どこかで見たことがある気がする・・・・・・
過去から目を逸らし続ける刑事と、過去から逃れるために罪を犯し続ける女。
二人が対峙したとき、驚きの事実が明らかとなるーー。
『死刑にいたる病』の著者が描いた、衝撃作。
依存症シリーズは全三部作で、読む順番としては『殺人依存症』▶︎『残酷依存症』▶︎『監禁依存症』です。
本書は胸糞悪いとか気が滅入るとか、そんな言葉では足りないくらい、残酷で救いのない物語でした。
この作品自体はフィクションでも、ここに描かれていることは現実世界でも起こっている。
それがわかるからこそ、本当に読むのが苦しくて。
あまりに惨たらしい描写に序盤から心が折れ、正直読み続けるのは無理かもしれないと思いました。
けれどなんだか逃げてはいけない気がして。でも一度閉じてしまったらもう二度と開けないような気がして。
結局最後まで一気に読みました。
(ミステリーなので、もちろん先の展開が気になるという気持ちもあって)
グロテスクな描写には耐性がある方ですが、性被害にまつわるものは本当に耐え難くて。
これから読む方はぜひ自分の心と相談してから手にとってみてください。
『残酷依存症』櫛木理宇(著)
(Kindle Unlimited対象)
サークル仲間である航平と匠とともに、夏のイベントで使う借家の下見に来ていた渉太。
しかし突然何者かに襲われ、気づけば三人とも監禁されていた。
拘束された手足、切断された指、耐え難い痛みと恐怖、そして犯人からの残酷な指令。
なぜ自分たちがこんな目に遭わなければならないのか?犯人の正体は?目的は?
絶体絶命の状況に、あっけなく壊れていく三人の友情。
そして暴かれた彼らの罪とはーー?
一作目でかなりダメージを受けたので、続編を読むかとても迷いました。
結局シリーズ三作全て読み切ったのですが、結論としては「途中でやめなくてよかった」。
『殺人依存症』の読後感を引きずるよりは、内容的には変わらずえげつないものの、どこかスカッとする二・三作目まで読んだ方が気持ち的にはましです。
一作目では超極悪なサイコパスだった真千代が、二作目以降はまさかのダークヒーローに。
真千代が奪ってきた命や、壊してきた心は絶対に戻らない。
でも、弱者側につくとこんなにも頼もしいのも事実で。
もちろん対象を変えただけで、彼女がやっていることは犯罪。
決して肯定してはいけないと思いつつも、でもやっぱり。
私は今回の被害者たちに同情する気にはなれなかったし、なんならもっと痛めつけてやれ……なんて思ってしまう自分もいました。
視点や立場や状況が変わるだけで、人間はあっさりと、そしてどこまでも残酷になれるのだと痛感する作品。
自分の中に潜んでいる残酷さに、なんだか怖くなりました。
『監禁依存症』櫛木理宇(著)
(Kindle Unlimited対象)
性犯罪の弁護を担当し、何度も示談を成立させてきた悪徳弁護士・小諸成太郎。
ある日、彼の九歳の息子が誘拐された。
しかし小諸は海外出張中で、連絡が取れず。
警察は怨恨の線でも捜査を進め始めるが、小諸を恨む被害者家族は膨大な数で、容疑者候補が絞りきれない。
今回の誘拐は、怨恨か、身代金目当てか、それとも性犯罪かーー?
依存症シリーズ三作目。
誘拐事件の顛末については予想がつきましたが、最後まで読むとプロローグに繋がる仕掛けもありました。
三作目の復讐方法は、最終的には命を奪う二作目よりも、もっと残酷なのかも。
でもやっぱり被害者には同情できないし、一生後悔して苦しめばいいのにと思ってしまう自分もいて。
一作目の段階ではその残酷さに圧倒されてしまいましたが、シリーズ通して読んでみると、性犯罪についていろんなことを考えさせられる作品でした。
加害者の思考、二次被害の厳しさ、法律と感情の問題、被害者や遺族の終わらない苦しみ。
特に加害者たちの言い分は呆れるほど身勝手で胸糞悪く、本当に同じ人間なのかと疑いたくなるほど。
でも、こういう奴らが平然と社会に溶けこみ、実際に私たちの身近にいるのも現実なんですよね。
そして傷ついた被害者をさらに追い込む悪徳弁護士や、ネット越しの安全圏から被害者を叩く有象無象。
どいつもこいつも本当に人でなしで、怒りを通りこしてなんだか悲しくなってしまいました。
二作目以降も性犯罪の描写はしんどいですが、真千代のターゲットが加害者側へと変わるので、一作目よりはだいぶ読み進めやすくなるかと。
無理に読むことはおすすめしませんが、作品としては読み応えがあるので興味がある方は検討してみてください。
『イッタイゼンタイ』吉田篤弘(著)
(Kindle Unlimited対象)
<第二次世界修繕>ですべてを失った我々は、ただつくることに熱中し、なおすことはタブーとなった。
過剰につくりつづけ、ひたすら消費し、壊れては廃棄し、またつくる。
あれから何年が経ったのか。
誰かが決めたわけでもなく、号令がかかったわけでもない。
だが、俺たちにはわかっていた。
ふたたび、なおすときがきたのだーー。
「なおす」男たちと、「つくる」女たち。彼らの戦争の行方はーー?
「なおし屋」たちの人生を切り取り、彼らの思いを連ねた前半パート「イッタイ」。
「なおし」に夢中になる男たちを「なおす」計画を謀議する女たちの後半パート「ゼンタイ」。
本書は大きくこの2つのパートに分かれていて、最終的には意外な結末へと収束していきます。
幻想的で心地よい他作品とはだいぶ雰囲気が異なり、不穏で奇妙で寓話のような物語でした。
さまざまなものが日々生産され、消費され、廃棄され、そしてまた購入される。
そんな経済の循環の中で、「なおし屋」なるものがあらわれ、壊れたものをひたすらなおしていく。
ものを長く大切に使うことはよいことだけれど、一方でものが売れなくなると困ってしまう生産者もいて。
「なおす」ことは、はたしていいことなのか、悪いことなのか。
そんな「なおし屋」たちが抱える戸惑いは、とりとめないながらも頷ける部分が多く。
この前読んだ『電球交換士の憂鬱』とモチーフが似ているなと思っていたら、本書の二年後に書かれた物語だったようです。
消費社会のジレンマを「電球」に集約することで、『イッタイゼンタイ』の先にあるものを書こうと画策したのだとか。
こちらは本書よりもハッピーな読み心地になっているので、ぜひ合わせて読んでみてください。
今年読んだ本まとめ
・2025年1月読了本↓

コメントを残す