※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています
こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『作家刑事毒島』中山七里(著)
「作家兼刑事」という異色の肩書きを持つ主人公が、猛毒を吐きまくる痛快ミステリー。
素人目には華やかそうに見える文壇の裏側が、皮肉たっぷりに描かれています。
読み放題なら「Kindle Unlimited」
【“Kindle Unlimited”のおすすめポイント】
- 30日間の無料体験で気軽に始められる!
▶︎まずは無料でお試しができる - 月額980円で200万冊以上の本が読み放題!
▶︎いつでもキャンセル可能 - 好きな端末で本が読める!
▶︎Kindle、スマートフォン、ダブレット、PC等
単行本はこちら⬇︎
文庫本はこちら⬇︎
電子書籍はこちら⬇︎
本の概要(あらすじ)
「才能の芽は早めに摘み取っておくに限るからね。うふ、うふふ、うふふふふ」
刺殺死体で発見された、新人賞の選考に関わっていたフリーの編集者。
容疑者は作家志望の男女三人。
容疑者たちそれぞれに動機はあるものの、共通して事件当日のアリバイはなく、捜査は難航していた。
捜査一課所属の新人刑事・高千穂明日香は、上司の助言でとある刑事に助けを求めることに。
その人物とは、人気ミステリー作家でありながら刑事技能指導員としての肩書も持つ、毒島真理。
ミステリー作家らしい鋭い推理と持ち前の”毒舌”で、容疑者たちをじわじわと追い詰めてゆくがーー
出版業界の闇に迫る、痛快ミステリー!
3つの特徴
連作短編ミステリー
本書はミステリー仕立ての連作短編小説。
- ワナビの心理試験
- 編集者は偏執者
- 賞を獲ってはみたものの
- 愛瀆者
- 原作とドラマの間には深くて暗い川がある
毎回起きる事件や内容は変わるものの、毒島をはじめとする主要な登場人物は同じです。
物語の構成に関しても毎回ほぼ同じ。
<殺人事件が起こる→新人刑事・高千穂が毒島に助けを求める→毒島が事件を解決する>という流れになっています。
まぁ実際には助けを求めるというよりも、上司や先輩の指示で嫌々毒島のもとを訪れるという方が正しいですが(笑)
本格ミステリーというわけではないのでやや物足りなさは感じるものの、テンポが良いのでサクッと読めました。
出版業界の闇
本書は全体を通して”出版業界”や”文芸の世界”の裏側が描かれています。
華やかに見える部分はほんの一部で、実は負のエネルギー渦巻く歪な世界だということが嫌というほどわかりました。
デビュー出来ずにくすぶる作家志望者、売れずに悶々とする新人作家、作家を捨て駒にする編集者、ストーカーに図書館ヤクザに悪徳プロデューサー……
よくもまぁこれほどまで、と感心するほどロクデナシしか出てきません(笑)
「ワナビ」や「巨匠病」なんていう言葉も、今回初めて知りました。
出版業界に対する皮肉や嫌味も、実際にその世界に身をおく著者が描くとなんだかリアルですよね。
この世界で生き残り続けている作家さんたちの凄さを改めて痛感しました。
痛快すぎる毒舌
本書の一番の魅力は、まるで息をするかの如く吐き出される主人公の毒舌でしょう。
あまりの猛毒に、思わず容疑者たちに同情してしまった優しい人もいるかもしれませんね。
そんな私も「いや、そこまで言わなくても……」と思いました。
と、言いたいところですが「いいぞ!もっと言ってやれ!」と完全に毒島側で楽しんでいる自分に気がつき、ゾッとしました。
私もすっかり毒島の毒に侵されてしまったようです。
……いや、もともとの性格か。
毒島に出会い、私は気がつきました。
本当に怖い人っていうのは、怒鳴る人でも仏頂面の人でもなく。
ニヤニヤと笑いながら毒を吐き、相手が追い詰められてゆくさまを楽しげに眺めている人なのだと。
もちろん身近にいたら絶対に関わりたくないですが、フィクションの世界だとこういうキャラクターはいっそ清々しいですよね。
スカッとしたい人にもおすすめの作品です。
本の感想
想像以上に面白くて、最後まで一気に読んでしまった作品。
ミステリーとして謎解きを楽しむというよりは、もっぱら痛快な毒舌を楽しみながら読みました。
毒島の放つ毒は”ブラック・ユーモア”というにはあまりに辛辣ですが、一切手加減しない感じがむしろ好きです。
私は完全に本を「読む側」の人間だから笑いながら読めましたが、「書く側」の人たちからしたら戦慄が走ることでしょう……
ただ、毒島が作家志望者や新人作家に浴びせる毒の中には、著者からの激励も込められているような気がしました。
心をへし折られても立ち向かう作家志望者に毒島が言った、
「強制するのは嫌だから頑張れとは言わない。でも、負けるな」
という言葉は、そのまま著者から未来の作家へのメッセージなのかもしれないなと思いました。
出版業界の裏側に興味がある方、痛快なミステリーを楽しみたい方はぜひ読んでみてください!
単行本はこちら⬇︎
文庫本はこちら⬇︎
電子書籍はこちら⬇︎
印象に残った言葉(名言)
「努力は必ず報われる。そうでなきゃ冒険なんて空しいだけだもの。ただしね、その努力って正しい努力に限られるから」
「ロマンは将来性、リアルは収益性。この二つが併存しない業界はいずれ衰退し、破綻する」
「被害者意識ってのはね、そういう風に金言や箴言をことごとく雑音に変えちゃうんです。それで彼らが更に不幸になったとしても、責任は全部彼らの側にある」
「犯罪ってのは一種の経済学なんだからさ。最小の努力で最大の利益を得る。複雑よりは単純を、労苦よりは安楽を。わざと自分が苦労しようとする犯人なんて、そうそういるもんじゃないよ」
「のべつまくなし悪意や虚栄心を垂れ流していたら、いずれ自分自身が悪意に侵食されていくもんなんです」
「作品の内容と作者の人となりは全くの別物って、こういう事件を担当していい加減分かってきたでしょうに。今更、作家に幻滅してどうするのさ」
「夢とか憧れとかってさ、とかくその人の性格や人生を拗らせる原因になりやすいんだよ」
「痛い目に遭ったのに毎度同じ失敗を繰り返すなんて、知能が低い証拠じゃない。知能が低い相手に懇々と諭したところで理解できる訳がない。怒っても疲れるだけ。だったら、そういう相手は嗤ってやるしかないんだよね」
この本の総評
中山七里さんの他の作品
✳︎社会福祉制度の闇を描いた、衝撃のミステリー⬇︎
【No.120】日本の社会福祉制度の実態を描いた衝撃の物語『護られなかった者たちへ』 中山 七里(著)✳︎リーガル・サスペンス!悪辣弁護士・御子柴シリーズ⬇︎
【No.148】悪辣弁護士による怒涛のリーガル・サスペンス!“御子柴シリーズ第一弾”『贖罪の奏鳴曲』 中山 七里(著) 【No.150】怒涛のリーガル・サスペンス “御子柴シリーズ第二弾”『追憶の夜想曲』 中山 七里(著) 【No.151】怒涛のリーガル・サスペンス “御子柴シリーズ第三弾” 『恩讐の鎮魂曲』 中山 七里(著) 【No.153】怒涛のリーガル・サスペンス “御子柴シリーズ第四弾”『悪徳の輪舞曲』 中山 七里(著) 【リーガル・サスペンス】『悪辣弁護士・御子柴シリーズ』の読む順番
Amazonでちょっとでもお得に書籍を購入するなら、Amazonギフト券の購入がおすすめです。
現金でチャージするたびにチャージ額 × 最大2.5%分のポイントがもらえます。
ここをクリック
単行本はこちら⬇︎
文庫本はこちら⬇︎
電子書籍はこちら⬇︎
コメントを残す