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【No.196】ゲスミス!?生活保護をめぐる後味最悪な物語『悪い夏』染井為人(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『悪い夏』染井為人(著)

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作品。

「生活保護」をめぐる後味の悪い物語ですが、意外とサラサラと読めました。

夏の嫌なところを凝縮したかのような不快な一冊。(嫌いじゃない)

救いのない小説が好きな人は是非!

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本の概要(あらすじ)

「結局、生きることにだらしないのだ」

 

市役所に勤める佐々木守、26歳。所属は生活福祉課。

 

ケースワーカーとして日々受給者との面談に勤しむ佐々木だったが、あるとき職場の先輩・高野の悪い噂を耳にした。

 

なんでも受給者である女性に肉体関係を強要しているのだとか。

 

真相を確かめるべく同僚と女性宅を訪れるが、その出会いをきっかけに佐々木の人生が狂い始めーー。

 

不正受給で私腹を肥やす小悪党、地方ヤクザ、シングルマザー、貧困にあえぐ親子……

 

止まらない負の連鎖が佐々木を地獄へと叩き落とす!

3つの特徴

ゲスな人間しか登場しない物語

市役所で生活保護に関する業務を担当している主人公の佐々木守。

設定では千葉県の船岡市となっていますが、察するに船橋市がモデルなのではないかと。

(私の中ではこの作品とイメージが合います。住民の方はすみません)

小柄で華奢で物腰柔らかい佐々木が苦手としているのは、ケース宅への訪問と面談。

不正受給者に生活保護を辞退させようと説得するものの、玉砕する毎日です。

そんなあるとき耳にしたのは、先輩である高野洋司のとんでもない噂。

なんと高野は受給者の弱みを握り肉体関係を強要しているのだとか。

真相を確かめるべく、被害者の林野愛美の家を訪れた佐々木だったが……?

一般人である佐々木がこの出会いをきっかけに、底なしの闇に落ちてゆく姿がなんとも恐ろしい作品。

クズとワルしか出てこないというのは本当でした。

まともな人間が誰もいないという悲惨な状況で、主人公までもが悪に取り込まれていく絶望感といったら。

ロクでもない人間たちの吹き溜まりに入り込んでしまったかのような、居心地の悪さと不快感がつきまといます。

胸糞悪い、後味悪い、読み心地も悪い。と、タイトル通り「悪い」づくしの物語。

イヤミスならぬゲスミス!!

生活保護と不正受給

生活保護や不正受給をテーマにしている作品はたくさんありますが、本書はそこに焦点を当てていない点が特徴だと思います。

他の作品では「社会問題」として扱われることが多いですが、あくまでも設定として使っているだけというか。

そのため、生活保護について深く切り込む内容を期待する方向けではないかもしれません。

社会問題としてこのテーマを扱っている作品を読みたい方には、中山七里さんの『護られなかった者たちへ』をおすすめします。

詳細はこちらをクリック

【No.120】日本の社会福祉制度の実態を描いた衝撃の物語『護られなかった者たちへ』 中山 七里(著)

もはや「喜劇」

不穏な序盤から始まり、終始ロクでもない人たちの言動に辟易としながら読みました。

後味も悪いですが、読み心地も最悪です笑

しかし読みづらいかというとそうでもなくて。

むしろ文章自体は読みやすいのではないかなと思います。

ムカムカとしながらも「この物語をどう着地させるのか?」という部分が気になってページをめくる手が止まりませんでした。

中盤までの絶望的な雰囲気とは打って変わり、てんやわんやの終盤にはもはや笑いさえ込み上げてきて。

(私はいったい何を見ているのだろう????という気分でした笑)

「悲劇」を見ていたはずなのに、いつの間にか「喜劇」にすり替わっていましたね。

このコメディっぽいラストは好みが分かれそうですが、私は意外とありかなと思いました。

後味は悪いですが、意外と重たすぎない読後感でした!

本の感想

読んでいる間中ずっと不快だった作品。(嫌いじゃない)

 

本当にクズとワルしか登場しませんでした(子どもは除く)。

 

一ミリも救いのない……とも言えますが、個人的には愛美が娘を守ろうとした場面だけは唯一の救いだったのかなと。

 

だからといって彼女がこれまで娘に対して不誠実だった事実は変わらないのですが。

 

佐々木は被害者といえば被害者ですが、正直あまり庇いたい気持ちにはなれませんでした。

 

彼らがどうなろうと自業自得だとしか思えませんが、美空(愛美の娘)だけには明るい未来が待っているといいですよね。

 

不正受給者が懐を肥やすかたわらで、本当に助けを必要としている人たちが護られていないという点に関してはリアルだと思いました。

 

制度自体が悪いのではなく(問題点はあるにしろ)、それを利用する“人間の資質”が問われるなと改めて痛感。

 

今回の一番の犠牲者は、主人公ではなくあの親子なのではないかなと個人的には感じました。

 

本書をひとことで説明するなら「胸糞悪いけれどなぜか読んでしまうサスペンスコメディ」ですかね。

 

ぜひこの暑すぎる夏の間に読んでみてください。

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印象に残った言葉(名言)

「きっと自分には活力がないのだ。変わりたいという漠然とした思いはあるが、それは一切具体性を伴わない。ということはその思いも、その程度ということなのだろう。結局、生きることにだらしないのだ」

 

「君たちは不正に生活保護を受けて得していると思っているようだが大きな勘違いだ。実は損をしているんだよ。所詮は不労所得、まったく重みのない金だ。豪華な食事を食べても、綺麗な服で着飾っても、けっして幸福を掴むことはできない。もし、君たちが今を幸せだと感じているなら、それはまやかしであり、不幸だということだ」

 

「君たちの両手には時間がある。だが、無限ではない。今を大切にしなさい。一日、一日、意味のある過ごし方をしなさい」

この本の総評

読みやすさ
(5.0)
胸糞悪さ
(5.0)
展開
(3.0)
後味
(2.0)
総合評価
(4.0)

 

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