※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています
こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『ビストロ三軒亭の謎めく晩餐』斎藤千輪(著)
初見の作家さんでしたが、Amazon Kindleで無料だったので、試しに読んでみました。
気軽に読めるので、ちょっとした隙間時間に読むのもおすすめです。
本の概要(あらすじ)
「この店は、普通じゃないーー」
三軒茶屋にある小さなビストロ「三軒亭」。
料理は本格派。サービスは規格外。どんな事情の客も大歓迎。
さまざまな事情を抱えた客たちを美味しい料理で癒す、グルメミステリー!
1. 〜アントルコート〜 ケーキの箱を持ち歩く謎の女性
2. 〜ダンドォーマロン〜 友達の笑顔の裏に隠された嫉妬
3. 〜ラクレット〜 3人の魔女たちが抱える事情
4. 〜キッシュ・ロレーヌ〜 シェフの過去と、キッシュに隠された秘密
3つの特徴
ユニークなビストロ
ビストロ「三軒亭」には、決まったメニューはありません。
客の好みを聞いて、シェフがそのテーブルだけのオリジナルコースを作ってくれる、”オーダーメイドレストラン”なのです。
店のコンセプトは、”楽しく食べてもらう”こと。
テーブルごとに担当のギャルソンを指名できるのも、三軒亭ならではのこだわり。
料理やレストランをテーマにした小説が数ある中、この作品ならではのユニークな設定が読者を惹きつけます。
個性的なのに、クセがなく読みやすい
お店のコンセプトも個性的ですが、そこで働く従業員たちもまた、個性豊か。
シェフである伊勢優也は、名探偵アポロ好きの敏腕シェフ。
ソムリエ兼バーテンダーの室田重は、厳つい顔でオネエ言葉を話す、縁の下の力持ち。
ギャルソンの藤野正輝と岩崎陽介は、端正な顔立ちと個性的なキャラクターから多くの指名客をを持つ頼れる先輩。
そして主人公の神坂隆一は、姉の紹介でギャルソンとして働くことになった、元セミプロの舞台役者。
個性的でありながらも、主張が強すぎることはなく、クセがなく読みやすい作品です。
ひとりひとりに寄り添った料理
ビストロには、事情や悩みを抱えているお客さんたちがやって来ます。
そんな彼らの抱える謎を解き明かし、最後は心に寄り添った料理で癒してくれます。
仲違いをしてしまった二人には、彼女たちの思い出の香り、栗を使った ”ダンドォーマロン(七面鳥の栗詰め)”
過食症で味覚を失ってしまった女性には、味覚を取り戻すために必要な亜鉛が豊富な ”牡蠣のラクレット”
ミステリーと料理と優しさがひとつに合わさって、あたたかい物語になっています。
本の感想
表紙のおいしそうな絵に惹かれて読んでみた作品ですが、バランスのいい内容だなと思いました。
お店・従業員・客はそれぞれ個性的な設定になっていますが、それぞれの良いところが少しずつ出ていて、嫌な人がいないところも良かったです。
ミステリーというよりは、軽い謎解きくらいの内容なので、ミステリー初心者でも楽しく読めると思います。
主人公が三軒亭で出会う人々や、料理を通して成長していく過程も垣間見ることができます。
”料理” ”ミステリー” ”成長物語”
いろんな要素がそれぞれの枠を超えて、ひとつの物語として楽しめる、そんな作品でした。
印象に残った言葉(名言)
「選ばれなかったんじゃなくて、キミがそれを選ばなかったのかもしれない。自分が意識していない、心の奥深くで。本当は、選ばれてしまうのが怖かったから。それをやり遂げる自信がなかったから」
「自分が出したい料理じゃなくて、相手が食べたい料理を出す。そんな店にしたかったんだ」
「俺たちは、命あるものを体内で消化することで、肉体を維持しているんだ。無駄になどせず、大事に食べて、命を繋いでいかないとな」
「脳は味覚よりも、視覚や記憶の情報を優先する。たとえば、赤くしたサーモンの切り身をマグロだと言われて食べれば、味もマグロだと感じるそうです。高級な食材の方が美味しく感じるのも、高いものは美味しいという情報がインプットされているから。要は、思い込みですよね」
斎藤千輪さんの他の作品
次に読むのはこちら⬇︎
【No.33】美味しくて優しい、グルメミステリー第二弾『ビストロ三軒亭の美味なる秘密』斎藤千輪(著)他の作品⬇︎
【No.60】”占い✖️ミステリ” 凸凹占いユニットが、あなたの謎を解き明かします!『窓がない部屋のミス・マーシュ 占いユニットで謎解きを』 斎藤千輪 (著)この本の総評
コメントを残す