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【No.93】食べものがひとに与える力を、まっすぐに描いた物語『雪と珊瑚と』梨木 香歩(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『雪と珊瑚と』梨木香歩(著)

ひとり赤ん坊を抱えて途方に暮れていた主人公が、素敵な人との出会いを機に、前へと進んでいく物語。

不遇な子ども時代を過ごした彼女だからこそわかる、食の大切さ。

様々なスパイスを効かせながらも、最後は温かいスープに心から癒されるような。そんな一冊でした。

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本の概要(あらすじ)

「赤ちゃん、お預かりします」

 

シングルマザーの山野珊瑚、21歳。

 

赤ん坊の雪を抱え、ひとり途方に暮れていたところを、年配の女性・くららに助けられた。

 

この出会いをきっかけに、絶望の淵から道を切り開いていく珊瑚。

 

いろんな人たちの助けに支えられ、心と体にやさしい惣菜カフェ『雪と珊瑚』をオープンさせる。

 

生きること食べることの意味と真摯に向き合う物語。

3つの特徴

くららさんとの出会い

働くために、赤ん坊の雪を預けられるところを探す珊瑚。

しかし、保育園も個人経営の託児所もどこに行っても満員だと断られてしまう。

雪を乗せたバギーを押しながら、頬を伝う涙。

そんなとき、たまたま目に入ったのがごく普通の一軒家に貼られた「赤ちゃん、お預かりします」という紙。

藁にもすがる思いで呼び鈴を押した珊瑚を温かく迎え入れたのは、くららと名乗る年配の女性だった。

直感でくららを信用できると思った珊瑚は、仕事に出ている間、雪を預けようと決意する。

このくららさんとの出会いが、珊瑚が新たな人生を歩むための第一歩となります。

この物語が潜在的に問いかけている、生きること食べることの意味。

そして本書のテーマである「食べものがひとに与える力」

珊瑚はこれを境遇から本能で感じとり、くららさんのルーツがそれをより強固なものにしています。

どんな絶望的な状況からでも、人には潜在的に復興しようと立ち上がる力がある。それを、現実的な足場から確実なものにしていくのは温かい飲み物や食べ物ーースープでもお茶でも、たとえ一杯のさ湯でも」

珊瑚の生い立ちと惣菜カフェ

子どもの頃から、一人ぼっちで生きてきた珊瑚。

母親はほとんど家に帰らず、食べものも無く、常に空腹に苦しんでいた。

「いつも一人だった。食べるものもなくって」

彼女が本能的に、本書のテーマ「食べものがひとに与える力」を感じとっているのは、母親から「愛されていない」と実感して生きてきたから。

食事はもちろん栄養を摂るためのものでもありますが、それだけではないのです。

「成分表には載らない栄養素。それが欠けては、何かが致命的になる栄養素」

実感としてそれ持っている珊瑚は、<食べたものが、そのままその人の元気につながるような「食」>を仕事にしたいと、自分のお店を開きます。

緑ゆたかな林の中に、ひっそりと佇む一軒家。カフェと惣菜の店『雪と珊瑚』

素材の良さを活かした、手を加えすぎないシンプルな惣菜が売りのカフェです。

生きる力

珊瑚が「食」を仕事にしようと思ったのは、くららさんとの出会いも大きく関係しています。

外国の修道院に暮らしていたくららさんが作ってくれる料理。

大根の茹で汁だし、小玉ねぎのスープ、おかずケーキ、油揚げと菜っ葉の和え物。

シンプルながらも、心と体に直接しみわたる料理たち。

食べるという行為は、そのまま生きることに繋がっているということ。

絶望の淵に立たされても、温かい食べものを口にするだけで、人はまた立ち上がれるのだということ。

それを、くららさんのつくる料理を通してこの物語は伝えているのだと思いました。

家でも作れそうな料理も多いので、気になった方は実際に作ってみてはいかかでしょうか。

中でもおかずの残りもので作る「おかずけーき」は自分で作ってみているひとも多いようですね。

私も今度作ってみようと思います。

本の感想

絶望の淵に立たされたシングルマザーが赤ん坊の雪を抱え、様々な人たちに助けられながらカフェを開く。という一見シンプルな物語。

 

カフェを開くまでの道のりも、とんとん拍子に進んでいきます。

 

赤ん坊の預け先がなく困り果てているところにあらわれた、「赤ちゃん、預かります」の貼り紙。

 

親切な夫婦が経営するパン屋でのアルバイト。銀行からの融資。手頃な物件。雑誌の掲載・・・

 

カフェを開きたいという人も増えているようですが、自分のお店を持ちたいという夢を描いた人なら羨ましくなってしまうようなストーリー展開です。

 

しかし、終始ほっこりと優しいだけではなく、様々なスパイスも効いています。

 

珊瑚の生い立ち。何を考えているのかよくわからない元夫。悪意だけを持って接してくる人。宗教団体に入り、その施設で暮らす母。

 

すべての問題が解決するわけではなく、今後どうなるのだろう?と心配な部分もありますが、彼らを見守ってきた読者は「きっと大丈夫だろう」と前向きな気持ちになれるでしょう。

 

最後に発した雪の言葉に、思わず涙腺が緩んでしまう物語です。

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印象に残った言葉(名言)

「こうやって他者から温かい何かを手渡してもらうーーそれがたとえさ湯であってもーーそのことには、生きていく力に結び付く何かがある。それは確かなことだ」

 

「人間なんてみんな、病理が物質化したみたいなもんだから、いたわり合い、助け合って生きていくしかないんだよ」

 

「自分に欠けているところを、自分の子どもが持てるのは、自分と自分の子どもは別々の人間だということは分かっていても、やはりどこかで人生をやり直しているような感覚がある」

 

「どんな綱渡りの冒険に出たって、下に安全なネットが張ってあるって分かってる人生なんて、いかほどのものかと思うわ」

 

「子どもを持つと、世界が善意にあふれている、と感じる瞬間と、一人のとき以上に心細くなる瞬間とがある」

 

「子どもは、こんなにも母親を求めている。そのことが哀れで、悲しかった。親であることも、同じように悲しかった」

 

「誰かのための、居場所をつくりたい、なんて驕った考えだ。自分がそもそも、そういう場所が欲しかったのだ。母でも娘でもない、自分が今、ここにいる」

この本の総評

読みやすさ
(4.0)
雰囲気
(3.0)
料理
(5.0)
読後感
(4.0)
総合評価
(4.0)

 

>>その他料理小説はこちら

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