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こんにちは、ぽっぽです。
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『夜行』森見登美彦(著)
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本の概要(あらすじ)
「世界はつねに夜なのよ」
共に学生時代を京都で過ごした英会話スクールの仲間たち。
十年前、鞍馬の火祭りを訪れた僕たちの前から、突如姿を消した長谷川さん。
あれからずっと、僕らは彼女のことを忘れられなかった。
十年ぶりに鞍馬に集まった僕らは、火祭りの夜に、それぞれが旅先で体験した不思議な出来事を語り出す。
すべての出来事に共通していたのは、ある画家の描いた「夜行」という絵だったーー。
第156回直木賞候補作、2017年本屋大賞ノミネート作品。
3つの特徴
十年ぶりの再会
十年前に鞍馬の火祭りで失踪した長谷川さんのことを、忘れられずにいた五人の仲間。
大人になった彼らは、再び京都で再会を果たします。
十年間の空白を埋めるように、それぞれが体験した不思議な出来事を語り始める彼ら。
すべての物語に共通するのは、岸田道夫という画家が描いた連作絵画「夜行」。
天鵞絨のような黒の背景に白い濃淡だけで描きだされた風景は、永遠に続く夜を思わせた。いずれの作品にもひとりの女性が描かれている。目も口もなく、滑らかな白いマネキンのような顔を傾けている女性たち。
この顔のない女性が描かれている謎の銅版画が、物語の重要な鍵を握ります。
不可思議な物語
宿に集まり、ひとりひとり旅先での出来事を語る五人。
「尾道」「奥飛騨」「津軽」「天竜峡」「鞍馬」・・・
章タイトルがそれぞれの物語の舞台となっています。
何ということのない旅の思い出。ただし、岸田道夫の「夜行」にまつわる旅だったという奇妙な共通項を除いて。
ホラー要素もあるため、ゾクっと背筋が寒くなるような奇妙な物語。
「異様」なものがぼんやりと浮かび上がってくる不気味さを味わえます。
岸田道夫の連作絵画を扉につながる、<朝と夜><光と闇>の表裏一体の世界。
しかしその境界はひどく曖昧で、終わらない夜を永遠と彷徨っているような、不思議な感覚にとらわれる作品です。
さまざまな謎
それぞれの物語には不可解な謎が隠されていて、最後には物語を根底から覆すような出来事も起こります。
(※ネタバレをしないために詳しくは書きません。)
引き際があっさりとしていて、謎は謎のまま。あとは読者側で自由な解釈をしてくださいということなのかもしれません。
一度にすべての謎について考えようとすると混乱してしまうので、まずはあまり考え過ぎずに最後まで読んでみるのがおすすめです。
私は今回「夜行」の絵に描かれている女性は誰なのか?という謎に焦点を絞って物語を読みました。
他にもたくさんの謎が隠されているので、何度も繰り返し読んで自分なりの考察をしてみようと思います。
<私が疑問に思ったことの一例>
【第一夜:尾道】
・中井の妻はなぜ変身したのか?
【第二夜:奥飛騨】
・「死相」は誰と誰に出ていたのか?
【第三夜:津軽】
・なぜ児島くんは消えたのか?
【第四夜:天竜峡】
・田辺が電車で出会った女子高生は誰なのか?
【最終夜:鞍馬】
・「ゴーストの絵」に秘められた意味とは?
本の感想
森見さんの小説は「知っているけれど読んだことがない」ものが多かったのですが、詳しい方におすすめしていただいたので読んでみました。
前回読んだ『ペンギン・ハイウェイ 』は子どもでも楽しめるような内容でしたが、今回の『夜行』は大人向けのホラーファンタジーという印象。
明るい昼間ではなく、暗く静かな夜に読みたくなるような小説です。
謎が多いのでモヤモヤ感は残りますが、それ故に何度も読みたくなるような不思議な魅力を放っています。
すべての伏線が回収されているわけではないので、謎を解明するというよりは、自分なりの解釈や考察を楽しむ作品。
読者によっていろんな『夜行』が生まれると思います。
ちなみに、文庫化記念の初回特典として、森見さんの短い書き下ろしエッセイが読める「特製ポストカード」が付いています。
私は【第一夜:尾道】のポストカードでした。とても綺麗なポストカードなので、まだの方はぜひ購入してみてください。
印象に残った言葉(名言)
「夜行列車の夜行か、あるいは百鬼夜行の夜行かもしれません」
「先輩は解決できることにしか興味ないから」
「この家は私の夜の世界に建ってるのかも」
「あいつは絵の中の女にとり殺されたのさ。あいつも本望だっただろう。願い通りのことが起こったんだから」
この本の総評
森見登美彦さんの他の作品
✳︎ペンギンとお姉さんの謎に迫る、少年の大冒険!⬇︎
【No.20】~研究好きの少年が、不思議な現象とお姉さんの謎に迫る物語~ 『ペンギン・ハイウェイ』 森見 登美彦(著)✳︎近代文学を森見流にオマージュした、現代版走れメロス他四選⬇︎
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