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【No.20】~研究好きの少年が、不思議な現象とお姉さんの謎に迫る物語~ 『ペンギン・ハイウェイ』 森見 登美彦(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『ペンギン・ハイウェイ』 森見 登美彦(著)

『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』など、独特の世界観でファンの多い著者のSF小説『ペンギン・ハイウェイ』。

第31回日本SF大賞を受賞し、映画化もされている作品です。

 

主人公と一緒に、不思議な現象の謎を解明してみましょう!

 

 

本の概要(あらすじ)

「この謎を解いてごらん。どうだ。君にはできるか」

 

ぼくはまだ小学四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。

 

毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。知りたいことはたくさんある。

 

そんなぼくの住む街に、ある日突然ペンギンがあらわれた。

 

この不思議な現象に、歯科医院のお姉さんが関係していると知ったぼくは、謎を解明するべく研究をはじめるーー。

 

3つの特徴

個性的な登場人物

主人公である少年<アオヤマ君>は、大人びた口調で話す、研究が大好きなちょっと変わった小学生。

子どもとは思えないほど論理的に物事を考える少年ですが、意外に子どもっぽいところがあり、年相応の可愛らしさもあります。

そんな少年と仲良しなのが、歯科医院のお姉さん。

大人っぽい口調で話す少年と、さばさばと独特な口調で話すお姉さんの会話が、テンポが良くみていて楽しいです。

「それで、君はどう推論するの?ペンギンたちはどこから来たんだろ?」

「まだ情報が足りません」

「私は宇宙人が連れてきたんだと思う」

「可能性としては否定できないけれども、宇宙人がわざわざそんなことをする根拠が分かりません」

「侵略ね。ペンギンはかわいいから、それで地球人をたぶらかして、みんなが油断しているうちに国連本部を乗っ取るのだ」

「なるほど、筋は通りますね」

「あんまり私を馬鹿にしないで。歯を引っこ抜くよ」

 

他にも、いじめっ子だけれどどこか憎めないスズキ君や、気弱なウチダ君、お人形みたいに可愛いけれど気が強いハマモトさんなど、個性豊かな子どもたちが日常を彩っています。

いろんな人が出てきますが、少年とお姉さん以外はいい意味で主張しすぎず、けれどちゃんと存在感があってバランスがいいなと思いました。

 

不思議な現象

少年の街では、ある日を境に不思議な現象が起こります。

まずは、ペンギンの出現。そして、さまざまな生き物の出没や、草原に浮かぶ<海>の存在。

そういった不思議な現象を、少年は逐一メモに残し、仮説を立てて検証していきます。

「プロジェクト・アマゾン」や「ペンギン・ハイウェイ研究」「海の研究」など、さまざまな研究で少年の毎日はとても忙しいのです。

しかし、日々研究を進めるうちに、少年は不思議な現象たちは全てつながっていることに気づき・・・

 

子ども目線の好奇心でワクワクする部分と、大人顔負けの観察力で思わず感心してしまう部分と、読んでいる側もいろんな気持ちになって楽しめる内容です。

 

お姉さんの秘密

不思議な現象の核となるのが、歯科医院のお姉さん。

少年は、お姉さんが缶コーラをペンギンに変えてしまうところや、チェス盤をコウモリに変えてしまうところを目撃します。

不思議な現象とお姉さんは、どう関係しているのか?

お姉さんはいったい、何者なのか?

長い物語の最後で、少年はその答えを自分で導き出すことができるのでしょうかーー

 

本の感想

今回この作品を読むのは2回目でしたが、1回目同様、楽しんで読むことができました。

 

不思議な現象は想像しながら読むとワクワクしますし、少年とお姉さんのやりとりはおもしろいし、魅力的な要素満載です。

 

著者の他の作品とは雰囲気が違いますが、わたしはこの作品も好きでした。

 

映像映えする内容なので、映画化を知ったときは興味があったのですが、キャラクターが想像と違いすぎたので、結局みませんでした。

 

小説自体がおもしろいので、映画をみてまだ小説を読んでいない人は、ぜひ読んでみてほしいです。

 

子どもから大人まで、世代を問わず楽しめる一冊だと思います。

 

 

印象に残った言葉(名言)

「問題が何か、ということが分かるのは、たいてい何度も間違ったあとだ。でも訓練を積んだ人は、だんだんとそれを見つけ出すのが上手になる」

 

「さあ少年!目には目を!べたべたにはべたべたを!」

 

「ぼくはわかっている。でもわかっていることと、安心することは、ぜんぜんちがうことなんだよ」

 

「それだけえらくなったら、私の謎も解けるだろうな。そうしたら私を見つけて、会いにおいでよ」

 

「僕が知りたいのはそういうことではなかった。そういうことではなかったということだけが、ぼくに本当にわかっている唯一のことなのだ」

 

この本の総評

読みやすさ
(4.0)
おもしろさ
(4.0)
SF
(4.0)
個性
(4.0)
総合評価
(4.0)

 

森見登美彦さんの他の作品

✳︎不思議な絵画をめぐる、大人向けのホラーファンタジー⬇︎

【No.94】〜謎の絵画が誘う、終わりのない夜の世界を彷徨う物語〜 『夜行』森見 登美彦(著)

✳︎近代文学を森見流にオマージュした、現代版走れメロス他四選⬇︎

【No.107】〜近代日本文学作品が、現代京都を舞台に生まれ変わる!?〜 『新釈 走れメロス 他四篇』 森見 登美彦(著)

 

 

 

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