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【No.37】~なりたい自分をみつけたくなる、心に響く物語~ 『太陽のパスタ、豆のスープ 』宮下 奈都(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『太陽のパスタ、豆のスープ 』 宮下 奈都(著)

宮下奈都さんの作品のなかでも、私がいちばん最初に読んだ小説です。

読んだ後にはきっと元気になれる、そんな内容です。

 

日々を精一杯生きる女性におすすめの一冊です。

 

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本の概要(あらすじ)

「やりたいことや、楽しそうなこと、ほしいもの、全部書き出してごらん」

 

結婚式直前に、突然恋人から婚約破棄をされた明日羽(あすわ)。

 

幸せから一転、絶望の底に落とされた明日羽に、叔母のロッカさんは”ドリフターズ・リスト”を作ることを提案する。

 

やりたいことを全部リストに書き出し、ひとつずつ実行するのだ。

 

最初は投げやりだった明日羽も、リストをとおして少しずつ自分を見つめ直し、成長していく。

 

自分の人生を正直に生きていきたい人におくる、感動の物語。

 

3つの特徴

突然の婚約解消

「ほんとうに悪いとは思ってるんだ」

式場を予約し、新居を決め、家具も選んでいた、結婚式直前。

明日羽は恋人の譲さんから突然婚約を解消されます。

二年もつきあっていたのに、僕たちなんだか合わないみたいだね、だって。何を今さら!合わないことなんかはじめからわかっていたはずだ。合わないふたりがなんとかうまくやっていくのが創意工夫の見せどころなんじゃないのか。

はじめは驚き戸惑っていた明日羽でしたが、だんだんと譲さんに対して怒りに似た感情が湧き上がってきます。

この段階で婚約破棄とはなんてひどい男だ!許せん!と思わず私も憤慨してしまいました。

しかし、時間が経つにつれて、明日羽はかつての自分に疑問を持ち始めます。

ほんの少し前のことなのに、どうしてあんなふうに結婚に向かって突き進んでいけたのか不思議でしょうがない。ちょうど同級生たちの結婚の波が来ていた、一生自分で稼いでいく自信がなかった、そして譲さんはやさしかった、依存してしまえば楽だと思った。つまり自分の人生を自分で引き受ける気概がなかった。

今までの自分は結婚に寄りかかって歩いていたことに気がついた明日羽。

”婚約破棄が間違っていたのではなく、婚約が間違っていたのだ”

簡単に癒える傷ではないけれど、この出来事がたしかに明日羽の成長につながったのです。

 

ドリフターズ・リスト

失意のどん底にいる明日羽のもとに、叔母のロッカさんがやってきます。

ロッカさんは唐突に、明日羽にやりたいことをリストを書くようにいいます。

その名も、ドリフターズ・リスト。漂流する者たちの指針になるリスト。

一、食べたいものを好きなだけ食べる、

二、髪を切る、

三、ひっこし、

四、おみこし、 

五、たまのこし、

ロッカさんにせっつかれ、投げやりに書いた明日羽のリスト。

けれど、ひとつ叶えるごとに自然と顔を上げている自分に気がつきます。

つけ加えたり、消したり、書きかえたりしながら、かわっていくリスト。

自分探しなんかをするつもりはない。自分を探したって始まらない。私には何もないんだから。探すんじゃなくて、新しく付け加えるのだ。そうして、なりたい自分になる。そのためのリストだ。

けれど最終的には、リストは今の自分やこれからの自分を考えるきっかけにすぎなかったと、明日羽は思います。

リストに書いたら、あとはそれを信じて前に進むだけ。

 

周囲の人たち

婚約破棄を経験したことにより、自分自身と向き合うきっかけを得た明日羽。

今は自分を知りたい。何に興味があって、何をやりたいのか。どんなきれいがほしいのか。

悩んだり、立ち止まったりしながらも、少しずつ前に進んでいきます。

そんな明日羽を見守る人たち。

両親、兄、ロッカさん、親友の京、同僚の郁ちゃん・・・

みんなそれぞれの生き方をしているものの、肩に力が入っていない感じが、ほっとします。

彼らは明日羽に対し、わざとらしく励ましたり、無理に元気づけたり、変に同情したりしません。

それがみていてとても心地良かったです。

周囲がやたら張り切って明日羽を立ち直らせようとしていたら、きっとしらけてしまっていたと思います。

物語のなかで、親友の京が明日羽にかけた言葉が、胸にじんわりと沁みました。

自然にしていればいい。そのうち頭がゆるんで、身体も心もゆるんでくるよ。それまでは、ひとつずつゆっくり作業するといいかもしれないね。慌てることないよ、あすわはあすわだから。

 

本の感想

宮下さんの小説を読むきっかけとなった、思い入れのある一冊です。

 

婚約解消という残酷なシーンからはじまりどうなるのかと心配しましたが、そこから明日羽が少しずつ立ち直って成長していく過程が丁寧に描かれています。

 

自分自身について考えるきっかけを与えてくれる、そんな小説です。

 

明日羽と一緒に、立ち止まって、悩んで。そして読んだ後には元気になれる。

 

悩みながらも一生懸命生きている人の心にすっと入っていくような、優しくて力強い作品です。

 

解説には「ドリフターズ・リストの正しい書き方」がコミカルに書かれています。

 

気になった方は、最後まで読んで自分なりのドリフターズ・リストを作ってみてください。

 

 

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印象に残った言葉(名言)

「そういう普段着みたいなものが毎日毎日おいしいっていうのがいちばんすごいんじゃない」

 

「あすわ、毎日のごはんがあなたを助ける。それは間違いのないことよ」

 

「まずはあなたがいちばんにあなたのことを信じてあげるのよ」

 

「からまって、こんがらがって、がんじがらめになっていた私を縛る糸がゆるゆるとほどけていく感触がある。肩をまわす。腕をまわす。楽になっている。よく見れば糸の端っこを握りしめていたのは私の手だ。私自身が私を縛っていた」

 

宮下奈都さんの他の作品

【No.10】~本屋大賞受賞の感動作~ 『羊と鋼の森』 宮下 奈都(著) 【No.52】~それぞれの特別な「旅」の瞬間を描いた物語〜 『遠くの声に耳を澄ませて』 宮下 奈都(著) 【No.59】〜不器用で真っ直ぐな女の子の、しあわせの景色を切り取った物語〜 『窓の向こうのガーシュウィン』 宮下 奈都(著) 【No.69】〜『羊と鋼の森』の著者、宮下奈都さんの幻のデビュー作〜 『静かな雨』宮下 奈都(著)

 

この本の総評

読みやすさ
(5.0)
共感
(4.0)
読後感
(5.0)
(4.0)
総合評価
(4.5)

 

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