※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています
こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『また、同じ夢を見ていた』住野よる(著)
『君の膵臓をたべたい』に続いて読んだ作品です。
”幸せとは何か?”を考えさせてくれる、ちょっと不思議な物語。
本の概要(あらすじ)
「人生とは、綺麗な色をしたお菓子と一緒です」
「人生とは・・・」が口癖の、賢くておませな少女、菜ノ花。
ある日出会った一匹の猫。
その出会いが、さまざまな過去をもつ三人の女性との出会いに繋がっていき・・・
幸せとは何かを考える少女の、少し不思議な物語。
3つの特徴
3人と1匹の友達
主人公菜ノ花の、3人の友達と1匹の猫。
- 手首に傷がある高校生「南さん」
- ”季節を売る仕事”をしている綺麗なお姉さん「アバズレさん」
- お菓子作りの上手な優しい「おばあちゃん」
- 尻尾のちぎれた猫「ナナ」
年齢も性格もさまざまな友達たち。
放課後は毎日友達に会いに行き、おしゃべりをしたり、お菓子を食べたり、オセロをして遊んだりします。
しかしあるときを境に、ひとりずつ、菜ノ花の前から姿を消していく友達たち。
「私の友達が消えちゃった不思議が、私には分からないのよ」
友達たちは何故いなくなってしまったのか?
菜ノ花と彼女たちが出会った理由とは・・・?
少女の口癖
物語にはよく、「人生とは・・・」という台詞がでてきます。
これは、漫画『ピーナッツ』の主人公チャーリーが言った「人生とは、アイスクリームみたいなものだ」
という台詞を真似たもので、菜ノ花の口癖です。
「人生はプリンみたいなものってことね」
⇨「甘いところだけで美味しいのに、苦いところをありがたがる人もいる」「人生とは、隣の席みたいなものでしょ?」
⇨「持っていない教科書があるならお互いに見せ合わなきゃ」
こんなふうに、菜ノ花の考える「人生とは・・・」がユーモアを交えてたくさん出てきます。
私も菜ノ花と一緒に考えてみました。
⇨「ひとりひとりの、違った物語がある」
幸せとはなにか
菜ノ花のクラスでは、隣の席の子とペアになって「幸せとは何か?」について考える授業をします。
菜ノ花の隣の席は、とても素敵な絵を描くのに、いつもこそこそ隠している桐生くん。
一生懸命考えてもなかなか答えを見つけられない菜ノ花は、3人の友達に、それぞれ幸せについて聞いてみました。
南さんの幸せは
「自分がここにいていいって、認めてもらえることだ」
アバズレさんの幸せは
「幸せとは、誰かのことを真剣に考えられるということだ」
おばあちゃんの幸せは
「今、私は幸せだったって、言えることだ」
それぞれの思う、自分にとっての”幸せ”。
彼女たちからアドバイスをもらったり、桐生くんと喧嘩したりしながら、菜ノ花は少しずつ成長していきます。
菜ノ花は「幸せとは何か」の自分なりの答えを、見つけられたのでしょうかーー?
本の感想
一度目に読んだときと今回では、だいぶ印象が変わりました。(いい意味で)
他の作品のような会話のテンポ感はないものの、その分「人生とは・・・である」という独特の口癖がたくさん出てきます。
くすっと笑えるただのギャグのときもあり、なるほどなと唸ってしまうときもあり、ひとつひとつ拾っていくととても面白いです。
物語のある設定に関しては早い段階で察しがついてしまいましたが、伏線がたくさん散らばっているので、途中で気づく人も多いと思います。
けれどこの作品で重要なのはそこではないと私は思いました。
彼女たちが出会った意味、選択ひとつで変わる人生、自分にとっての幸せの定義。
菜ノ花と一緒に考えながら読んでみてください。
私にとっての幸せとは何かって?
それは薔薇の下で。
印象に残った言葉(名言)
「だって、作家っていう人達は、物語を読んだ人達の心に新しい世界を作るから作家っていうんでしょ?」
「大好きなことに一生懸命になれる人だけが、本当に素敵なものを作れるんだよ」
「人生には苦いところがあるかもしれない。でも、その器には甘い幸せな時間がいっぱい詰まっている。人はその部分を味わうために生きてるんだ」
「まったく、人生とはオセロみたいなものですね。黒い嫌なことがあれば、白いよいこともある?そうじゃないわ。たった一枚の白で、私の黒い気持ちは一気に裏返るのよ」
「また、同じ夢を見ていた。あの夢を見ると、いつも思う。まるで、自分に訊かれているみたい。あなたは今、幸せなのかって」
この本の総評
住野よるさんの他の作品
✳︎夜になると化け物になる僕と、いじめられっ子の彼女の物語⬇︎
【No.5】~ほんとうのバケモノはどっち?~ 『よるのばけもの』 住野よる(著)✳︎リアルな痛みを痛烈に描いた、青春✖️サスペンス!⬇︎
【No.106】「最後の青春」のきらめきと残酷さを描いた、痛烈に心に響く物語『青くて痛くて脆い』 住野 よる(著)
コメントを残す