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【No.106】〜「最後の青春」のきらめきと残酷さを描いた、痛烈に心に響く物語〜 『青くて痛くて脆い』 住野 よる(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『青くて痛くて脆い』 住野 よる(著)

単行本を目にしたときから気になっていた作品がようやく文庫化したので、早速購入しました。

『君の膵臓をたべたい』『よるのばけもの』『また、同じ夢を見ていた』をこれまでに読んできましたが、ただの青春小説とは一味違う作風が魅力ですよね。

リズム感のある読みやすい文章も特徴のひとつです。

今回はこれまでの作品のようにファンタジー感のあるものではなく、どこまでもリアルな青春の痛みを痛烈に描いたもの。

作品の中に自分自身の物語を見てしまうような、誰しもが思わず共感してしまう部分がたくさんあると思います。

2020年8月28日には、吉沢亮さん×杉咲花さん主演の実写映画も公開。

映画公式サイトはこちら▶︎https://aokuteitakutemoroi-movie.jp

すべての大人に読んでほしい一冊!

 

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本の概要(あらすじ)

「僕ら、その季節を忘れないまま大人になる」

 

不用意に人に近づきすぎないことをモットーに生きる僕は、大学一年生の春、彼女と出会った。

 

空気を読まず、講義中に堂々と理想論を語り、周囲から浮いている秋好寿乃と。

 

ひょんなことから親しくなった僕らは、ふたりで秘密結社【モアイ】を結成した。

 

ーーそれから三年。あのとき理想を語り合った秋好寿乃は、もうこの世界にはいない。

 

僕は、僕らの理想を取り戻すため、戦うことを決意した。

3つの特徴

正反対なふたり

<人に不用意に近づきすぎないことと、誰かの意見に反する意見を出来るだけ口に出さないこと>を人生のテーマとしている、「僕」こと田畑楓。

そんな楓が大学で出会ったのは、空気の読めない発言で周囲からドン引きされている、秋好寿乃。

最初は彼女の存在を疎ましく感じていた楓でしたが、しだいに彼女の掲げる理想や情熱に感化され、自らも理想を描くように。

そして、ふたりは「四年間で、なりたい自分になる」という信念を掲げて、秘密結社という名のサークル【モアイ】を結成したーー。

 

青春のきらめきを感じさせるような、物語のはじまり。

人と距離を置きたがるクールな男の子と、明るく純粋な女の子。正反対なふたりが言葉を交わしていくうちに、特別な友達になっていく。

というここまでの流れをみると、「なんだか『君の膵臓をたべたい』と同じような展開だな」と思ってしまいますよね。

けれど、<僕と秋好寿乃>の関係は『君の膵臓をたべたい』の<僕と山内桜良>の関係よりも、もっと複雑で歪です。

憧れと、嫉妬。恥と、後悔。直視できない現実と、捨てられない理想。

<もう子どもではいられないけれど、大人にもなりきれない>という大学生のアンバランスな危うさが見え隠れします。

「僕」の行動は青くて痛くてとってもダサいけど、そこがなんだか切実で愛おしいんだよね。

青春×サスペンス

これまでの作品は、青春小説にほんのりミステリーやファンタジー要素が含まれていましたが、今回は<青春×サスペンス>

キラキラとした青春のはじまりを予感させる序盤は、実は回想部分。

「あの時笑った秋好はもうこの世界にいないけど」

この文章をきっかけに物語は二年半後の<現在>へ。

就活を終え、大学生活も残すところあと十ヶ月。

かつて秋好とふたりで結成した【モアイ】は、今や大学の中でも巨大なサークルとして有名になっていた。

発足当時の理想とかけ離れてしまった【モアイ】を、ずいぶん前に辞めていた楓。

楓と秋好が掲げた「なりたい自分になる」という純粋な理想は、現実になる予兆もなく、嘘になってしまった。

だけど、もし、まだ、間に合うのなら。

「秋好が嘘にしてしまったことを、もう一度僕が本当にする」

純粋な理想を掲げていたかつての【モアイ】を取り戻すため、戦いを挑む楓。

友人の協力を得て、【モアイ】の奪還に奔走する。

敵陣にスパイを送り込んだり、潜入してみたり。サスペンスフルな展開に、ページをめくる手がとまらなくなります。

そしてその後、思いもよらない意外な展開が・・・!?

矛盾と葛藤

住野さんが初めて書いた「大学生」の物語。

大学に通っていた人、通っている人は、思わず共感してしまう部分がたくさんあると思います。

私が特にリアルだなと感じたのは、楓の就活を描いたシーン。

長々と書かれているわけではないのですが、そのたった数ページに、ひどく共感しました。

おそらく、就職活動を経験した多くの人が、なんとなく同じような矛盾や葛藤を感じていたのではないでしょうか。

<就活生というのは、なんて気持ちの悪い生き物なのだろう>

自分じゃない、を繰り返す就活。履歴書に書き、面接で答えた嘘の言葉の羅列。

嘘をつくのはいけないことじゃない。だってそれは生き残るすべなのだから。

ありのままで生きていけるだけのものを、持っていないのだから。

そう言い聞かせつつも、どこか息苦しい心。

なりたい自分が分からなくなってしまった楓の頭に響くのは、秋好が語っていた、痛い痛い理想論。

<何かを変えるのに間に合わないことなんて一つもない>

楓が、秋好の嘘を本当に変えようと動き出す、印象的なシーンでもあります。

本の感想

「青くて」「痛くて」「脆い」

 

読んでいる最中に、タイトルと内容がカチリとはまる音がしました。

 

青春の淡い痛みを想像していましたが、予想を遥かに上回るほどの痛烈な痛み。

 

胸がチクッと痛むどころではありません。グサグサと鋭利な刃物で刺されているような、リアルな痛み。

 

かつて誰かを傷つけたこと、傷つけられたこと。

 

誰しもが抱えているその傷を、本書はあえて容赦無くえぐりにきている感じがします。

 

とはいえ残酷なだけではなく、青春のきらめきや、恥や後悔から一歩踏み出す勇気を感じることができるので、読後は爽やかです。

 

青春小説でありながら、サスペンス的一面もあり、たった一行で物語をひっくり返す驚きの展開もあり。

 

これまでの青春小説のイメージを覆すような、住野さんの描く「最後の青春」。

 

ぜひ、自身の体験と重ね合わせながら、読んでみてください。

 

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印象に残った言葉(名言)

「この世界に暴力はいらないと思います」

 

「人の顔色ばっかり窺う八方美人の権威主義みたいな、なりたくない大人になるくらいなら死んだ方がマシだって思ってる」

 

「認めることができたし、信じたんだと思う。理想や、真実を追い求める彼女の青さや痛さを、自分が持っていない人間性として」

 

「自分なりのテーマだなんてきっと社会人になれば、誰も言っていられなくなる。全員、自分じゃなくなる」

 

「理想論を、語れたら。もしかしたら僕にももっと、自分のままで手にしたい何かがあったりしたんだろうか」

 

「自己肯定感の強い男は流行りもの好きで物持ちが悪いっていう統計がある、私調べ」

 

「全員が幸せなのが一番いい。単純なことが一番大事で一番威力があるに決まってる」

 

「・・・願う力を信じなくなったなら、それはもう、理想じゃない」

 

「誰も彼も、理想を語る。誰かのためだと優しさを語る。けれど、薄皮一枚はげば、そこに自らの欲望があって、打算がある」

 

「なんて人生は、遠いのだろう」

 

「人は人を、間に合わせに使う」

 

「今初めて、自分がやろうとしていたことの意味を、人を傷つけることの意味を、理解した」

この本の総評

読みやすさ
(5.0)
文章
(4.0)
青春
(4.0)
痛み
(5.0)
総合評価
(4.0)

 

住野よるさんの他の作品

✳︎夜になると化け物になる僕と、いじめられっ子の彼女の物語⬇︎

【No.5】~ほんとうのバケモノはどっち?~ 『よるのばけもの』 住野よる(著)

✳︎幸せの意味を考える少女の、不思議な出会いの物語⬇︎

【No.38】~幸せとは何か?を考えさせてくれる、不思議な出会いの物語〜 『また、同じ夢を見ていた』 住野 よる(著)

 

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