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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『本屋さんのダイアナ』柚木麻子(著)
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本の概要(あらすじ)
「リュークス、リュークス、フィルフィルルー。私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ」
私の名前はダイアナ。「大きい穴」と書いて、「大穴(ダイアナ)」と読む。
へんてこな名前と、金色に染められた髪。キャバクラで働く母親と、顔も知らない父親。
孤独に生きてきた私を救ってくれたのは、本の世界とひとりの女の子だったーー。
正反対のふたりの少女が大人になるまでを描いた、切なくも力強い物語。
すべての女の子に読んでほしい、ガール・ミーツ・ガール小説!
3つの特徴
現代版『赤毛のアン』
『赤毛のアン』をご存知ですか?
有名な作品なので、読んだことがある方も多いと思います。私も子どもの頃に何度も読んだ大好きなシリーズです。
空想好きのおしゃべりな女の子・アンと、腹心の友・ダイアナの愛と友情の物語。
いちご水や袖の膨らんだドレス、ハートのキャンディーにアイスクリーム・・・
子ども心をくすぐる美味しいものや可愛いものがたくさん出てきます。
本書はそんな赤毛のアンの世界をモチーフにしつつも、アンとダイアナの立ち位置を反転させています。
『赤毛のアン』の主人公は、赤い髪と自分の名前が大嫌いな孤児の女の子「アン」。
腹心の友は、裕福な家庭に生まれた美しい黒髪の女の子「ダイアナ」。
『本屋さんのダイアナ』では、主人公:アン➡︎大穴(ダイアナ)、腹心の友:ダイアナ➡︎彩子。
というように、主人公と親友の構図を反転させているのです。
ダイアナの名前をイジる武田くんは、さしずめアンの赤い髪をからかった「ギルバート」といったところでしょうか。
『赤毛のアン』の主軸を残しつつも様々なアレンジを効かせた、まさに【現代版赤毛のアン】の物語なのです。
様々な古典名作
育った環境、外見、性格。何もかもが正反対のダイアナと彩子。
ダイアナは彩子の清楚なブラウスやスカート、カフェオレ色に統一されたシックなお家に憧れ、
彩子はダイアナのキャラクターTシャツや、キラキラに飾られた派手なお家に魅了される。
そんな真逆のふたりの共通点は、「本が好き」だということ。
『赤毛のアン』をはじめとする、様々な古典名作や海外小説が二人の仲を親密にする媒体としてはたらきます。
本を通じて親友になっていくふたりの関係性は、本好きからするとたまらない設定ですが、そんな関係も長くは続きません。
彩子の受験や恋愛絡みでのすれ違いで、喧嘩別れをしてしまったふたり。
そこから大人になるまでの10年余りは、別々の場所で生きるダイアナと彩子、交互の視点で語られます。
読書好きという共通点は変わらないものの、読む本のジャンルはだんだんと異なっていくふたり。
ダイアナは幸田文に森茉莉など、お父さんとの絆が強い女性作家の小説を。
彩子は『嵐が丘』や『ジェーン・エア』『風と共に去りぬ』など、劇的な人生を送る女性の物語を好んで読むようになる。
ふたりが憧れているものの対象が、お気に入りの本を通して浮き彫りになっていきます。
彼女たちはたびたび本の中の主人公に憧れ、共感し、ときには嫉妬しながら大人になっていく。
昔読んだ古典名作についての新たな発見や解釈なども楽しむことができる物語です。
「本当にいい少女小説は何度でも読み返せるんですよ。小さい頃でも大人になっても。何度だって違う楽しみ方ができるんですから」
呪いを解く呪文
<女の子が自ら呪いを解き放つ>というテーマとリンクさせて展開していくのが、『秘密の森のダイアナ』という作中作絵本とその続編。
『秘密の森のダイアナ』は、意地悪な魔法使いのせいで一人ぼっちになってしまった少女ダイアナが、自分の力で森で生き抜いていくという物語。
その続編は、王妃になったダイアナの娘・リリーが豊かな暮らしを捨てて森へ家出し、自ら呪いを解くという物語。
ダイアナは森に一人で暮らす孤独なお姫様に自己投影し、彩子は自由な暮らしに憧れるリリーに共感する。
彼女たちはさまざまな場面で、この物語に自分自身を重ね合わせます。
仲違いしたまま離れた後、別々の場所で自らを縛る呪いと闘ってきたふたり。
誰かが助けてくれるのを待つのではなく、自分の力で道を切り開いていく。
それぞれに苦悩を抱えながらも、たくましく生きる彼女たちの姿に、勇気をもらえるストーリーです。
「今度は・・・、今度はあなたが呪いを解く番じゃないの?私は自分で解いたよ。ちゃんと見せてよ。あなたが自分を解き放つところを、私にちゃんと見せてよ」
本の感想
秘密の花園、赤毛のアン、若草物語・・・
子どもの頃に読んだ懐かしい少女小説がたくさん登場します。
「あの物語にこんな解釈があったんだ」「大人になった今ならまた違う読み方ができるかも」と、もう一度読みたくなってしまいました。
乙女チックな装丁から可愛らしい物語を想像するかもしれませんが、中身は意外と現実的な内容。
正反対のふたりの少女が大人になるまでを描いた、成長物語。
御都合主義の甘い展開でごまかさず、彼女たちが抱える悩みや葛藤をリアルに描いています。
ダイアナと彩子が自分のいる世界でもがきながらも懸命に生きる様子は切なくて、けれどとても力強くて。
読む人に勇気を与えてくれる物語です。
メインはダイアナと彩子の物語ですが、そこには同級生のみかげちゃんや、ティアラ(ダイアナのお母さん)や彩子のお母さん、いろんな女性の物語が隠されています。
いろんな呪縛に囚われているすべての女性を肯定する、強くて優しい物語。
作中に登場するさまざまな名作も魅力の一つです。
本好きの人なら思わず共感してしまう部分がたくさんあると思います。
印象に残った言葉(名言)
「でもさ、赤毛のアンのよそゆきドレスも茶色だよ。ピンクじゃなくて。本当に格好いいものってそういうもんなんじゃないかな」
「お城のパーティーより森での夜露のダンスの方がずっときらきらしてまぶしい」
「誰かのお母さんになるとね、自分に下の名前があることを忘れちゃうのよ、時々」
「ペンダントが光らないのは、君がまだ自分の人生を生きていないからだよ。君が変われば、ペンダントは光るようになる」
「みんなが正しければ正しいほど、毎日が苦しかった」
「あの子にはさ、はしっこい目と頭と頑丈な足で、自分を信じて生きていって欲しいんだ。誰かに何かを与えてもらうのを待つんじゃなく、欲しいものは自分で掴んで欲しいんだ」
「彼にぎゅっと抱きしめられた時、ああ、旅が終わったなあと思ったの」
「本のヒロインに自分を重ねるより、自分がヒロインになりたくなったんだ。だってこの世界にはすげえ面白いことがいっぱいあんだもん」
「何度でも読み返せる。何度でもやり直せる。何度でも出会える。再会と出発に世界中で一番ふさわしい場所だから、ダイアナは本屋さんが大好きなのだ」
「リュークス、リュークス、フィルフィルルー。なんびとたりとも、このダイアナを縛ることはできない。私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ・・・。私だけが私のすすむべき道をしめすことができる・・・」
この本の総評
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