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【No.115】〜「死」を肯定する医者 ×「生」を諦めない医者の、死生観を問う衝撃の物語〜 『最後の医者は桜を見上げて君を想う』 二宮 敦人(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『最後の医者は桜を見上げて君を想う』 二宮 敦人(著)

初めましての作家さん。

Kindle Unlimitedで見つけて何気なく読み始めましたが、すぐに心を持っていかれました。

「死」を受け入れることを説く医者と、「生」を絶対に諦めない医者。

余命わずかの患者たちに残された選択。

対立するふたりの医者を通して、「死」を強く意識した「生」についてどうしようもなく考えさせられました。

「絶対泣ける」という謳い文句は好きじゃないので使いませんが、「絶対考えさせられる」のは間違いないです。

たくさんの人に読んでほしい一冊!

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本の概要(あらすじ)

「・・・医者が奇跡を諦めなかったら、誰か一緒に諦めてやれるんだ」

 

地域基幹病院、武蔵野七十字病院。

 

この病院には「死神」と呼ばれる医者がいると、患者たちの間でもっぱらの噂だ。

 

その医者の名は、桐子修司。病院でも問題人物と疎まれている。

 

しかし、そんな彼の面談を受けたいと言う患者は、後を絶たない。

 

そのほとんどが、余命宣告を受けた患者や、完治の見込みのない患者たちだ。

 

桐子は「死を受け入れて、残りの時間を大切に過ごす道もある」と説くが、副医院長の福原はそれを真っ向から否定する。

 

「死」を受け入れる医者と、「生」を諦めない医者。

 

対立するふたりの医者と患者の最後の日々を描いた、衝撃の医療ドラマ!

3つの特徴

「死」を肯定する医者

武蔵野七十七病院の問題医師、桐子修司。

<患者は死を選ぶ権利がある>を信念に、死が目前に迫っている患者たちの面談を行なっている。

人を死に追いやる医者。ついたあだ名はーー「死神」。

しかし本人は、そんなあだ名を付けられようが他の医師から嫌がらせをされようが、全く意に介さない。

とことん現実的で、合理主義者。

病院側はそんな桐子を目の敵にしているが、「死神」の噂を耳にした患者からの面談は後を絶たない。

<最後まで諦めちゃダメだ。頑張れ。一緒に戦おう>そんな医師の言葉に励まされる患者もいれば、追い込まれて疲れ果ててしまう患者もいる。

目の前に希望をぶら下げられることを、残酷だと思う人もいる。

桐子はそんな患者に対して、力強く励ましたり希望をちらつかせたりはしません。

治る見込みがないことをはっきりと伝えた上で、死を受け入れることも一つの選択だと説きます。

「病気に勝つには、死ぬのも一つの方法であるとは思いませんか?」

この言葉だけを聞くとギョッとしますが、何も自殺しろと言っているわけではありません。

死を敗北にするかしないかは、自分次第だと彼は伝えているのです。

死に向かって漫然と運ばれるだけの「生」をやめて、自分の足で「死」に向かって歩く。

<自ら死を受け入れることができた時、人は死に勝利したと言える>

この考え方こそが、桐子が死神と呼ばれている所以なのです。

彼を冷酷な人間だと誤解する人もいますが、本当は誰よりも真剣に患者自身と向き合っている医者なのです。

「生」に執着する医者

桐子と真っ向から対立するのは、副院長の福原雅和。

患者の命を救うことに執念を燃やす彼は、桐子の医者としての振る舞いすべてを否定し、病院から追い出そうとしています。

<奇跡を信じて、最後まで諦めずに戦わなくてはならない>

そんな福原に対して、<奇跡の存在を患者に押し付けるのは、残酷なことだ>と反論する桐子。

福原にとっての勝利とは、病気の完治。対極にある死こそが、敗北なのだ。

ふたりの意見は平行線で、決して交わることはありません。

同じ医者でありながらも、対立するふたり。実は彼らは、大学時代の同期生。

そして、武蔵野七十七病院にはもう一人、彼らの同期の医師がいます。

彼の名前は、音山晴夫。桐子と福原ほど確固たる信念は持たないが、患者と一緒になって迷って悩んで、その苦しみを分かち合おうとする医者。

大学時代を共にした三人の医者は、それぞれに異なる信念や価値観のもと、患者と向き合い続けます。

桐子や福原の信念に共感する人もいれば、一緒に迷ってくれる音山の存在に救われる患者さんもいるのです。

究極の決断

物語に登場するのは、重病を患った三人の患者。

白血病を患った、とある会社員。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患った、とある大学生。

下咽頭癌を患った、とある医者。

それぞれの場所で日常を生きていた彼らに突きつけられたのは、究極の決断です。

再発のリスクを受け入れて、日常生活に戻るか。完治を目指してリスクの大きい治療を受けるか。
人工呼吸器をつけてでも、奇跡を信じて生き続けるか。延命措置は拒否して、残りの時間を主体的に生きるか。
声を失ってでも、完治を目指して手術をするか。残り時間を短くしてでも、大切な人のために声を守るか。

彼らは想像を絶するような苦しみの中で、それぞれの意志で最後の決断をします。

二人目の患者までは、迷いなくそれぞれの強い信念を貫いてきた桐子と福原。

しかし、三人目の患者の決断に、彼らは初めて迷いをみせます。

命の価値は『長さ』なのか?それとも『使い方』なのか?

大切な友人の死を目前に、彼らが出した答えとはーー?

本の感想

正反対の死生観を持つふたりの医者と、余命わずかな患者を描いた、心揺さぶる医療ドラマ。

 

「生きること」を描いた作品はたくさんありますが、ここまで痛烈に「死ぬこと」を突きつけられる作品には初めて出会った気がします。

 

<どこまでなら自分の命の対価に差し出せるか。死を免れるかわりに視覚を失うとしたら?手足がなくなるとしたら?誰かの命と引き換えだったとしたら・・・?

具体的にどこまでなら、受け入れられるか。自分にとって命とは、どんなものなのか?>

 

「命とは尊いものである」というのが共通認識として根底にはありますが、本来ひとりひとり命に対する価値観は違うはず。

 

「死」を通してみることで、本当の意味で「生」の価値を知ることができる。

 

生と死は対極にあるものではないのだと、改めて考えさせられました。

 

「どう死にたいか」というとあまり聞こえはよくないですが、これは「どう生きたいか」と同義なのではないでしょうか。

 

三人の患者に突きつけられた選択は、とても残酷なものです。

 

彼らの選択を目の当たりにしながら、自分だったらどうするか、大切な人だったらどうしてほしいかを、ひたすら考えながら読みました。

 

彼らの物語は、いつ自分の物語になってもおかしくありません。

 

冷静なときに一度、自分の死生観について考えておくことは、決してネガティブなことではないのではないかと思いました。

 

気軽に読める物語ではありませんが、ぜひ一度読んでみてほしい一冊です。

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印象に残った言葉(名言)

「大切な人だからこそ、真剣にその死に向き合うべきだと僕は思いますが」

 

「死があってもいい。逃れられなくてもいい。希望を、目の前にぶら下げるのだけはやめてくれ」

 

「あなたにとって命とは、どんなものですか。きちんと考えたこと、ありますか」

 

「死に振り回されると、往々にして生き方を失います。生き方を失った生は、死に等しいのではないでしょうか。逆に、生き方を維持して死ぬことは、生に等しいとは言えないでしょうか」

 

「病院に必要とされる医者よりも、患者に必要とされる医者の方が大事だ」

 

「世界って、生きていく人のための場所なんですよね」

 

「生が全てを手に入れる可能性なら、死は全てを失う必然だ」

 

「君は誰よりも、人間を愛しているんだろう、桐子」

この本の総評

読みやすさ
(5.0)
キャラクター
(4.0)
読後感
(5.0)
リアリティ
(4.0)
総合評価
(4.0)

 

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