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【No.8】~静かな狂気と、果てない旅の物語~ 『神様のボート』 江國 香織(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『神様のボート』 江國 香織(著)

江國香織さんの小説が昔から大好きで、「神様のボート」は今でも大切にしている作品です。

数ある作品の中でも、代表作と言っていいほど、著者の魅力が凝縮されています。

ドラマ化もされていたようですが、ぜひ小説を読んで、著者の世界観を味わってほしいです。

 

江國香織さんの作品をまだ読んだことのない方に、最初におすすめしたい一冊です。

 

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本の概要

「あたしは現実を生きたいの。ママは現実を生きてない」

 

10年以上も前にいなくなってしまったパパを待ち、転々と引っ越しを繰り返すママとあたし。

 

昔、”骨ごと溶けるような恋”をしたママは、必ずパパが迎えに来てくれると信じて、待ち続けている。

 

 

静かな狂気に捉われた母の恋の物語と、そのそばでまっすぐ聡明に成長していく娘の物語。

 

3つの特徴

日常風景の細やかで繊細な描写

この物語は、母と娘の日常生活が淡々と描かれています。

きれいで静かで細やか。でも、儚げでどこか掴みどころがない。

日常を描いているのに、どことなく感じる非日常感。

草子が成長していく過程で、少しずつずれていくふたりの心理描写も見事です。

 

心くすぐる言葉たち

江國さんが表現する言葉は、独特で印象に残るものばかりです。

過ぎ去ったことは ”箱のなか”

いろんな地を転々とするふたりは ”旅がらす”

ふたりをのせて進むのは ”神様のボート”

そのどれもが物語の雰囲気にぴったりで、出会うたびに心くすぐられます。

 

ふたつの目線で楽しめる構成

この作品は、母と娘それぞれの目線で語られる構成になっています。

母・葉子の目線では恋愛小説として、娘・草子の目線では大人への成長の物語として、

ふたつの楽しみ方ができる作品です。

ふたりのギャップは物語が進むにつれてだんだんと広がってゆき、切なさや哀愁が色濃く感じられます。

 

本の感想

 

江國香織さんの作品を読むと、彼女の書く文章や雰囲気や登場人物がほんとうに好きだなと感じます。

 

流れるように繊細で美しい文章も、個性的な人たちも、静かな熱も

 

 

著者の文章は基本的に短く端的にもかかわらず、すっと心に入っていき、いつの間にか本の中に入ってしまっていたような、不思議な力があります。

 

 

最後は考え方によって、ハッピーエンドともそうじゃないとも言えそうですが、

 

個人的には「やっと辿り着いた旅の終わり」という感じがして、とても素敵だと思いました。

 

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江國香織さんの他の作品

【No.42】~風変わりでいとおしい、ある家族の物語〜 『流しのしたの骨』 江國 香織(著) 【No.50】~少女と大人のあいだで揺れる女子高生の孤独と幸福を描いた物語〜 『いつか記憶からこぼれおちるとしても』 江國 香織(著) 【No.58】~奇妙な三角関係を描いた、すれちがう魂の物語〜 『落下する夕方』 江國 香織(著) 【No.72】〜風変わりな一族を描いた、愛と秘密にあふれる物語〜 『抱擁、あるいはライスには塩を』江國 香織(著)

 

印象に残った言葉

「すぎたことはみんな箱の中に入ってしまうから、絶対になくす心配がないの。すてきでしょう?」

 

「あのひとの目をみたら、誰にだってわかると思う。信じなくちゃいけないということが。たとえそれが叶えられない約束でも、私は生涯あのひとを疑ったりしないだろう」

 

「私はあのひとのいない場所になじむわけにいかないのだ。そこは私のいる場所ではないから」

 

「パパなんてどこにもいないんだよ?」

 

「あのひとの腕の中で眠りたい。一晩だけでいい。それができるなら死んでもかまわない。心からそう思った」

 

この本の総評

読みやすさ
(5.0)
情熱
(5.0)
共感
(4.0)
表現
(4.0)
総合評価
(4.5)

 

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