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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『ファイアスターター湯川さん 』中田 永一(著)
乙一さんの別名義での小説は読んだことがなかったので、今回は電子書籍でみつけたこの作品を読んでみました。
中田 永一さんとしての代表作には、『百瀬こっちを向いて。』『吉祥寺の朝日奈くん』『くちびるに歌を』などがあります。
本の概要(あらすじ)
「空気の乾燥する季節、燃えやすい木造アパートに決して入居させてはならない人物。それが湯川四季だった」
冬の時期、最も気をつけなければならないのが火災だ。
俺が住み込み管理人をしている木造アパート<六花壮>に、ある日新しい入居者・湯川さんがやってきた。
実は彼女にはある衝撃的な秘密が。
その秘密を知ってしまった俺は、その後とんでもない大事件に巻き込まれーー。
3つの特徴
六花荘と主人公
主人公は大学生の男の子。
ろくでもない親に捨てられた彼は、叔父の所有する<六花荘>というアパートで住み込み管理人をしています。
あまりに古く、壁がうすく、狭いかわりにおそろしく家賃が安い六花荘。
住人たちはみんな貧しいけれど心温かく、まともな家庭を知らない彼にとってかけがえのない大切な場所。
そんな六花荘に引っ越してきたのは、真っ白な肌とさらさらの長い髪をした若い女性・湯川四季。
貧乏というわけではなさそうなのに、わざわざ六花壮に住み、どこか世間ずれしている不思議な彼女。
彼はある出来事をきっかけに、そんな湯川さんのおそるべき能力を目の当たりにして・・・。
湯川さんの秘密
パイロキネシスをご存知ですか?
何もない場所に火を生じさせる超能力者のことです。
湯川さんが入居してから、不思議な現象が次々に起きる六花荘。
ある日彼は湯川さんが能力を使う場面を目撃してしまい、彼女がパイロキネシスであることを知ります。
彼女は強火から弱火まで自由自在に熱をコントロールでき、六花壮の住人や彼自身がその能力の恩恵を受けることに。
車のドアが凍り付いて困っている人を助けたり、子どもたちが怪我をしないように軒先のつららを溶かしたり、雪下ろしの作業を手伝ったり。
「お礼を言うのはこちらです。こんな風に私の力がお役に立てるなんて」
そう言って喜ぶ湯川さんですが、彼女にはあるとんでもない過去があり・・・。
衝撃の過去と大事件
大学の帰り道、彼は左腕のない青年に突然声をかけられます。
湯川さんについて調べているという青年。
彼女の発火能力について詳しく知りたがっている様子にただならぬ雰囲気を感じた彼は、その出来事を湯川さんに話します。
そして本人の口から、彼女の生い立ちや以前の仕事について聞くことになり・・・。
「殺すのにためらいはありませんでした。私、なれてますから」
そう話す彼女に言葉が出ない彼。
さらに彼は、彼女の過去を知ると同時に、自分にも深く関係するある事実を知ります。
六花荘を出て、以前仕事をしていたコテージに身を隠すと言う湯川さん。
自分にもそこに行かなければならない目的があると知った彼は、湯川さんとともに目的地へ向かいますが、そこでとんでもない大事件に巻き込まれーー。
本の感想
乙一さんの小説が好きなので、別名義で書かれている作品も気になって読んでみました。
私はKindle Unlimitedで読みましたが、101円という破格の値段なので手にしやすいと思います。
ページ数も少なく、とても軽い読み応え。
主人公の淡々としている感じが乙一さんっぽいなと思いました。
湯川さんは驚異的な力を持ちながらも、素直で優しくて少し世間知らずなところが魅力的。
重たい過去や事件など、暗い部分もあるのに、読後はほっこりした気分になっているのが不思議です。
全体的にクセがなくさらっとしているので、気軽に読める一冊だと思います。
今回読んだ作品からは乙一小説との作風の違いがわからなかったので、他の作品も読んで比較してみたいです。
印象に残った言葉(名言)
「こわいのは、無意識の発火です」
「あの子が六花荘に来てからというもの、不思議と、あったかくなったとおもわない?」
「それ以前の段階で彼女はやはり六花壮に住まわせてはならない存在だったのだ」
「私はつい頭がかっとなり、倉庫にのりこんでしまったのです。男たちの大半をすみやかに焼却しました」
乙一さんの作品
この本の総評
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