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【No.83】〜小さな少年が憧れの場所で自分の居場所をみつけていく物語〜 『 サーカスの夜に』 小川 糸(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『サーカスの夜に 』小川糸(著)

これまで読んだ小川糸さんの作品とは、少し違うテイストの物語でした。
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本の概要(あらすじ)

「僕、サーカスに入ろうと思ってるんだ」

 

両親の離婚でひとりぼっちになった僕は、血の繋がらないグランマとアパートの屋根裏部屋で暮らしていた。

 

貧しいけれど、幸せな毎日。だけど僕には、夢ができた。

 

それは、憧れの<レインボーサーカス>に入団すること。

 

13歳になった僕は、反対するグランマを置いて、家を出た。

 

無事にレインボーサーカスに入団することができた僕は、個性的な団員たちに囲まれて、自分の居場所をみつけていくーー。

3つの特徴

魔法のキャンディ

グランマと二人で生活をしている少年は、ある日目にした「RAINBOW CIRCUS」という文字に目を奪われます。

「サーカス、サーカス、サーカス」その言葉を唱えるだけで蘇る、あの日の興奮。

両親が離婚する前、最後に家族揃って見に行ったサーカスの記憶。

レインボーサーカスという響きが、本当にべったりと頭にこびり付いて離れなくなってしまったのだ。それは、いくら舐めても永遠に小さくならない魔法のキャンディのようで、何回でも僕の脳味噌を心地よく麻痺させた。

そして十三歳になった少年は、慣れ親しんだグランマの屋根裏部屋を出て、自転車を走らせます。

番外地にあるレインボーサーカスを目指してーー。

個性豊かなサーカス団員

  • 真っ赤なハイヒールで綱渡りをする元男性の美人綱渡り師
  • 空中ブランコをするペンギン
  • 余りもので美味しい料理を作る名コック
  • 生卵を自由自在に操るジャグラー
  • 愉快な演技で子どもたちを笑わせるクラウン

個性豊かなレインボーサーカスの団員たち。彼らは本名を隠し、それぞれが自分のソウルフードをニックネームにして互いに呼び合っています。

美人綱渡り師はナットー。ジャグラーはキャビア、クラウンはトロ

他にはテリーヌローズマカロンなど。

サーカスは体が資本の仕事。だからこそ、レインボーサーカスでは食事を何より大切にしています。

ニックネームがなく、みんなから「少年」と呼ばれていた僕。

本当の意味でサーカス団の一員となれた少年は、物語の最後でグランマの好物を自分のニックネームとして名付けます。

最後には嬉しい再会も。

小さな僕の成長

少年は子どもの頃に病気で服用していた薬の影響で、成長が止まってしまい、大きくなれない体になってしまいました。

十三歳になった今でも、見た目はほんの十歳くらい。

小さい体をコンプレックスに思っていた少年でしたが、レインボーサーカスの中で自分にできることを探し続けます。

少年を子ども扱いすることなく、きちんと対等な目線で向き合ってくれる団員たち。

ときに厳しい言葉で叱ることもありますが、家族のような温かさで少年の成長を見守り続けます。

いろんな出会いや別れを繰り返す中で、成長していく少年の心。

「いいんだよ。僕の体は小さいんだもん。そのことを受け入れなくちゃ、前に進めないから」

結局、いくら願っても否定してもじたばたしても、事実は事実として変わらない。自分の意思で変えることができるのは、心だけだ。体が変わらないのなら、心を変えていくしかない。

不自由な世界の中で、どうすれば自由に生きることができるのか。

小さな少年が、その道標になってくれる。そんな物語でした。

本の感想

小川糸さんの小説といえば「料理」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

 

今回の長編小説でも、いろんな料理やお菓子が印象深く描かれていました。

(マダムのリングリングドーナツが食べてみたい!)

 

十三歳の少年がサーカス団で自分の居場所をみつけて成長していくという内容ですが、他の作品とは違い、どこかファンタジーな雰囲気が漂います。

 

著者自身が語っているように、まさに「不思議なテイストのお話」でした。

 

解説は女優のミムラさんです。「芸能」の仕事と「サーカス」の仕事を照らし合わせ、自分の仕事に対しての向き合い方などを率直に書かれていました。

 

少年の純粋で真っ直ぐな熱意が心に響く、不思議な温かさに満ちた作品です。

印象に残った言葉(名言)

「少年、あなたが想像できることは、実現できることよ。道は、自分で切り開くものなんだから!」

 

「何が正しい判断だったかは、時間が経ってみてからじゃないとわからないことが多いんだ」

 

「仕事っていうのは、たいてい苦しくてつまらないものさ。その中から、小さな喜びややりがいを見出すことに意味がある」

 

「人を笑わせるってことは、人を傷つけたり哀しませたりすることより、百倍も千倍も難しいわ。人生の哀しみを知らなくちゃ、相手を笑わせることなんてできないもの」

 

「心は自由だ。どこにでも行ける。僕の心は、いつだって自由なんだ」

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小川糸さんの作品

【No.22】~小さな食堂が紡ぐ、心温まる物語~ 『食堂かたつむり』 小川 糸(著) 【No.53】~”伝えたい想い”を手紙にして届ける代書屋の物語〜 『ツバキ文具店』 小川 糸(著) 【No.70】〜狭い世界から飛び出して、自分の心と向き合う物語〜 『さようなら、私』小川 糸(著)

 

この本の総評

読みやすさ
(5.0)
雰囲気
(3.0)
サーカス
(3.0)
料理
(4.0)
総合評価
(3.0)

 

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