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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『ブランケット・ブルームの星型乗車券』吉田篤弘(著)
大好きな吉田篤弘さんの小説。
寒い季節によみたくなる一冊ですが、我慢できずこんな暑い時期に読んでしまいました笑。
本書はイラストもたくさんでまるで絵本のような一冊。
どこか遠くの街に旅をしている気分になれますよ。
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本の概要(あらすじ)
「ようこそ、毛布をかぶった寒がりの街へ」
その街の名前は「ブランケット・シティ」。
ぐるりと円を描く環状鉄道に乗って、十の駅を巡ってみてください。
「閑をもてあました消防隊」によるコンサートや、街の最高層で天使のアリアを聴いてみるのはどうでしょう?
影の絵画を展示する「冬の美術館」にお出かけしたり、「仮眠場」で眠りを楽しむのもおすすめです。
最後は本好きのための酒屋「グラスと本」で読書をしながら軽く一杯。
読むだけで旅の気分を味わえる、架空の街をめぐるささやかな物語。
3つの特徴
素敵な装丁とイラスト
本書を手にしてまず思ったのは「全体的に黒い!」ということ。
単行本は淡い水色ですが、文庫本は夜の色になっているんですよね。
しかし驚いたのは表紙の色ではなくページの部分。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、こんな感じで黒いのです↓
この黒い部分は全部挿絵のページ。
つまりこれだけたくさんのイラストが載せられているということです。
他の作品にも挿絵はありますが、これだけふんだんに使われているのは本書だけだと思います(これまで読んだ中では)。
著者(クラフト・エヴィング商會)のイラストが大好きな私は、ページをパラパラとめくりながら思わず小躍りしてしまいました。
実際に中をお見せできないのが残念ですが、こだわりが詰まったイラストやデザインは本当に素敵で。
書店にはなかなか置いていないかもしれませんが、ネットでもいいのでぜひ手にして欲しい一冊です!
毛布をかぶった街
さて、内容に触れるとしましょう。
本書はブランケット・シティという架空の街を舞台にした小説。
案内役は、生粋のブランケット・ボーイこと“ブランケット・ブルーム君”です。
彼の職業は<デイリー・ブランケット>紙の専属ライター。
はじめて連載コラムを持つことになった彼が、環状鉄道でブランケット・シティを巡りながら街のあれこれを拾い上げるという物語です。
自分だけの「星型乗車券」を手にしたブルーム君。
彼は<円の街>と呼ばれるブランケット・シティを↓こんな風に<星型>に巡っていきます。
十の駅をひとつとびに降りるとこのような星型に。
本書は細部にまでこだわっていて、巻末にはなんと特別付録としてデイリー・ブランケット紙面が再現されています!
著者のあとがきもインタビュー形式でコラム化されていて、まさに現実と物語の世界の融合ですよね。
印象に残る言葉
本書はいわゆるショートショート集という感じで、ひとつひとつの物語はとても短いです。
くすっと笑えたり、ちょっと不思議だったり、感心させられたり。
「次の駅ではどんな出会いがあるだろう」とワクワクしながらブルーム君と一緒に街を巡りました。
とりとめのないテーマの中にも、著者らしいちょっと哲学チックで深みのある言葉が散りばめられていて。
下記の<印象に残った言葉>のところに載せておくので合わせてご覧ください。
ささやかなのに興味深い物語がいくつもあって、ブランケット・シティを巡りながら私が特に気になったのはこちら↓
- ロビーだけのホテル<バビロン>
- 死なない程度にたしなむ天国<仮眠場>
- 純粋にチケットを買うだけの<発券所>
- 本好きのための酒屋<グラスと本>
- <影>の展覧会
- 物語の世界とわれわれの世界の中間に位置する<衣装部屋>
- バターナイフの<興亡>
- <最高層清掃班員>であるママが歌う天使のアリア
- 傘の銀行<アンブレラ・バンク>
- <午前十一時四十五分>を繰り返す小屋
まだ読んでいない方はこれだけ見てもなんじゃこりゃでしょうが、既に読まれた方はわかるはず。
この他にも素敵な物語がたくさん詰まっています!
本の感想
装丁、イラスト、設定、ストーリー、文章、世界観。
何から何まで素敵な一冊でした。
「「「もう、好き!!」」」の一言に尽きます。はい。
この素晴らしさをうまく言葉で表現できないのがもどかしい……!
“月舟町”然り、“ブランケット・シティ”然り。
吉田さんが生み出す街はなぜこんなにも魅力的なのでしょう。
現実感があるのにどこか幻想的で、リアルとファンタジーの狭間にあるような世界観なんですよね。
本書は挿絵もたくさんなので、まるで<大人のための絵本>という感じがしました。
本の中では時間がゆっくりと流れてゆくのでとても穏やかな気持ちになれますよ。
温かいコーヒーを片手に、少しずつのんびりと読んでみてください。
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印象に残った言葉(名言)
「さしずめ、人の強さを信じるのが<勇気>なら、人の弱さを信じるのが<臆病>である」
「強さだけが何かを生むのではなく、ときには、弱さが生活にうるおいをもたらす」
「もともと、誰もが二面性を持っていて、それを無理矢理ひとつのパーソナリティに押し込もうとするから破綻が起きるんです」
「だいたい、心ってひとつなんだっけ?ひとつでも持て余しているのに、ふたつもみっつもあったら、ややっこしくてしょうがない」
「チケットさえ手に入れたら、そこからもう旅が始まります」
「つまり、未来はいつでも過去に似ているのです」
「まっとうな時間が流れている、その隅の方に身を置いていたいんです」
「この世にはコインでしか買えないものがあるってことです」
「人生は風通しよく過ごすべし」
「人生は<不意の雨>との戦いです」
この本の総評
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