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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『雲と鉛筆』吉田篤弘(著)
「ちくまプリマー新書」の記念すべき300冊目の作品。
とりとめのないささやかな物語のようで、ふと考えさせられる物語でもあります。
ゆったりとした時間の流れに身を任せ、静かで心地よい世界に心が癒されました。
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本の概要(あらすじ)
「人の「思い」は手で書かなければ意味がない」
屋根裏部屋に住み、鉛筆工場で働いている「ぼく」。
遠くの街へ出かけ、大きなものが書かれた小さな本を読み、友人とコーヒーを飲む。
鉛筆を削り、雲を描き、姉に手紙を書いて、人生について考える。
鉛筆は雲を描くために発明されたのかもしれないーー。
3つの特徴
屋根裏部屋の「ぼく」
小さな本棚と、古びた寝台と、子ども用の机と椅子がひと組みあるだけの、屋根裏部屋に住む「ぼく」。
部屋には水道が通っていないので、お茶を淹れるには薬缶をぶらさげて、炊事場まで水を汲みに行かなくてはならない。
(階段を百八十段も上り下りして!)
休日は遠くの街へ出掛けて、新しい本と古い本を買う。
姉に手紙を書き、川沿いの店で友人とコーヒーを飲み、「バリカン」の理容室で髪を切ってもらう。
たまには、気まぐれで絵を描いたりもする。
描くものはいつも、屋根裏部屋から見える<空>だ。
そんな「ぼく」の仕事は、鉛筆をつくること。
十七種ある部署の中で「ぼく」が働いているのは、<2B部>。
(文字通り、2Bの鉛筆だけを作る部署)
鉛筆工場で働くことを選んだ理由は、「鉛筆が好きだから」。
ぼくが絵描きになればいいと思っていた姉は、鉛筆工場で働くことをやんわりと反対していた。
けれど「ぼく」は、<雲と鉛筆>の関係について考える時間の方が、より愉しかったのだーー。
印象的な言葉
ここに描かれているのは、屋根裏部屋に住む「ぼく」の、とりとめのない日常。
その中にさりげなく、<人生において大切なこと>が散りばめられています。
決して押し付けがましくなく、お説教くさくなく。心にスッと入ってくる印象的な言葉たち。
タイトルでもある「雲と鉛筆」の魅力についてはぜひ本書で、吉田さん自身の言葉を読んでみてください。
「残されたものは、いつでもほんのひと握りで、本当は、残らなかったものの方に、自分が書きたかったことがあるように思う」
300冊記念
本書は、ちくまプリマー新書300冊記念作品。
ちなみに200冊目の作品は、以前ご紹介した『つむじ風食堂と僕』(月舟町シリーズ番外編)です。
小説を執筆するかたわらで、<クラフト・エヴィング商會>名義でちくまプリマー新書全ての装幀デザインを担当してきた吉田篤弘さん。
一冊ごとにデザインが異なるのが、ちくまプリマー新書の特色でもありますよね。
吉田さんの作品は小説だけでなくデザインもとても素敵で、本当に癒されます。
私は昔から単行本か文庫本しか読んでこなかったのですが、新書を読むようになったのは吉田篤弘さんの小説がきっかけ。
ちくまプリマー新書との出会いも、吉田さんの小説のおかげなのです。
300冊記念にあたっての想いが「あとがき」に綴られているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
本の感想
「日常」と「非日常」の間にあるような、100ページちょっとの短い物語。
静かで、ゆったりとしていて、どこか幻想的で。
まるで異世界に入りこんでしまったかのような、不思議な感覚のする作品です。
移りゆく雲のようにどこか掴みどころがなく儚げで、何度も何度も読み返してしまいました。
思わず立ち止まって考えさせられてしまう箇所もたくさんあり、まさに“大きなことが書かれた小さな本”。
とりとめがないのに奥深く、淡々としているのに柔らかい、癒しの一冊。
吉田さんファンには外せない作品です。
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印象に残った言葉(名言)
「読むことは書くことだと思う。読まなければ書くことは生まれてこない」
「永遠に留まるものなど、この世にはない」
「すべての本は、子供たちのために書かれるべきだと思う」
「君はたぶん、何かと何かのあいだにあるものが好きなんだよ。人生には、そうしたものを愛でる時間というのがあるーー」
「人生には『見つける』ではなく、もっといい言葉がある。『気づく』という言葉だ。そいつはたいてい自分の内側からピンっと音をたててあらわれる。『見つけた』ものは自分の外にしかないが、『気づいた』ものの多くは自分の中にある」
「壊れたものには、動いているものと違う美しさがある」
「壊れてしまったものは悲しいものではないのだと、この歳になって、ようやく知りました」
この本の総評
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