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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『南の子供が夜いくところ』恒川 光太郎(著)
不思議な南の島を舞台に描かれた短編小説集。
他の”和テイスト”な作品とは少し異なる、神秘的な雰囲気漂う作品です。
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本の概要(あらすじ)
「一人でずっと寂しかったの。これであなたも、果樹の巫女になるのよ」
一家心中の運命から逃れた少年・タカシは、不思議な南の島へと辿り着いたーー。
果樹の巫女と呼ばれた、呪術師・ユナ。
町の十字路に立つ謎のピンクの廟。
半分植物のような姿でまどろむ元海賊。
フルーツ頭の人々が住む町。
南洋の島を舞台に描かれた、神秘的で色鮮やかな悪夢の物語。
3つの特徴
連作短編小説
『トロンバス島』という南洋の島を舞台に描かれた、7つの短編小説集。
表題作『南の子供が夜いくところ』の登場人物であるタカシとユナを中心とした、連作短編小説と言ってもいいかもしれません。
ただ、各話に関連性はあるものの、そこまで強くリンクしているわけではなく。
<同じ枠の中にある単体の物語の集まり>といった感じ。
それぞれに個性があり魅力的な物語たちですが、全体としてみると少しまとまりに欠けているのかも。
そこが好みの分かれるところかもしれません。
7つの物語
借金を苦に一家心中を決意する両親から逃れ、南の島へと連れられた少年タカシ。
タカシが経験した不思議な島での生活を描いた物語『南の子供が夜いくところ』を始まりに、
- 「紫焔樹の島」
- 「十字路のピンクの廟」
- 「雲の眠る海」
- 「蛸漁師」
- 「まどろみのティユルさん」
- 「夜の果樹園」
と物語は展開していきます。
二話目『紫焔樹の島』はタカシを救った呪術師・ユナの物語で、一話目から二話目の流れが一番自然でスッと入ってきました。
三話目から先は時間や場所を自由に行き来するので、少し混乱することも。
初めから状況を把握しようとせず、とりあえず流れに任せて読み進めてみたほうがいいかもしれません。
どれも個性的で印象に残っていますが、個人的には一・二話目と最後の物語『夜の果樹園』がお気に入り。
最終話は「果実の頭部を持つ人々(マンゴーとかりんごとか)の住む町」を舞台にした物語なのですが、突拍子もなく登場したフルーツ頭に思わず笑ってしまいました。
「マンゴー頭の親子?あぁ、被り物か・・・・・・ん?え?ほんとにマンゴー・・・?いやいや、主人公もマンゴーに釘付けになってるやん・・・」
という感じで、想像するとあまりにシュールな絵面でおかしくて。
最初に登場するのがりんごや桃ではなく、”マンゴー”というのも絶妙です。(個人的見解)
フルーツ頭が残虐に殺されるシーンなんかもありますが、彼らから流れるのは血ではなく果汁なので、グロテスクなようなそうでもないような。
個人的にかなりツボでした。
独特な世界観
恒川さんといえば<和テイスト>な雰囲気が特徴ですが、本作はほんのりと<洋テイスト>が漂う雰囲気でした。
『夜市』や『秋の牢獄』のノスタルジックな世界観とは一変し、色鮮やかで変貌自在な、どことなく神話的で御伽噺のような世界観。
摩訶不思議な島に迷い込んでしまったかのような、どこか足元がおぼつかない感覚にも陥りました。
正直不思議すぎてあまり理解できていない部分もあります(笑)
かなり独特で個性的なので向き不向きはあると思いますが、気になった方はぜひ読んでみてください!
本の感想
これまで何冊か恒川さんの作品を読んできましたが、本作は一番読むのに時間がかかりました。
サクサクと読み進めるのは難しいので、じっくりと想像しながら不思議な世界を堪能することをお勧めします。
気軽に読みたいときには不向きなのでご注意を。
本作はこれまでで一番「怖さ」を感じた作品でもあって、直接的な恐怖というよりも、得体の知れない不気味な恐ろしさが漂っている感じ。
南の島特有のトロピカルな鮮やかさが、より一層不思議で不気味で残酷な世界観を際立たせているような気がしました。
個人的には好きですが、他の作品と比べると多少読みづらさを感じたので、恒川さん初心者の方は先に『夜市』あたりから読んでみるといいかもしれません。
その後でこちらもぜひ読んでみてくださいね。(特に『夜の果樹園』を)
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この本の総評
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