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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『ヘブンメイカー』恒川光太郎(著)
前回読んだ『スタープレイヤー』の二作目。
続編といっても登場人物やストーリーは別物なので、こちらから読んでも問題はありません。
ただ、前作の方が「はじまりの物語!」という雰囲気が強いので、個人的には先に一作目を読むことをおすすめします。
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本の概要(あらすじ)
「ようこそ、死者の町へ」
高校生の鐘松孝平は、見知らぬ部屋で目を覚ました。
<死者の町>と呼ばれるその場所では、現実世界で亡くなったはずの人たちが何者かの手により蘇り、集められていたのだ。
その一方。
運命のくじ引きで「スタープレイヤー」を引き当てた大学生の佐伯逸輝.
彼は“10の願い”を叶える力で亡くした片想いの相手を蘇らせ、ふたりだけの理想の世界を創り上げようとするが・・・
異世界ファンタジーシリーズ第二弾!
3つの特徴
入れ替わる視点
前作はスタープレイヤーの女性・夕月視点のみでしたが、今作では視点を変えながら物語が進んでいきます。
核となるのは、スタープレイヤーに選ばれた大学生・佐伯逸輝の物語と、死者の国<ヘブン>で蘇った高校生・鐘松孝平の物語。
今回は“スタープレイヤー”と“スタープレイヤーに召喚された者”、両方の視点が並行して進んでいきます。
前半はそれぞれの物語を行ったり来たりしますが、後半になるにつれて徐々に繋がっていき、最終的には交わってひとつの物語へ。
今作は少し複雑な構成になっていますが、読んでいくうちに全貌が見えてくるのでご心配なく。
後半には予想もしていなかった事実が明らかになり、不意打ちをくらった気分でした(笑)
人間の欲深さ
今作は前作よりもさらに「人間の欲」というものを深掘りして描かれているように感じました。
<好きな人を蘇らせて、二人だけの世界を作る>
というとロマンチックに聞こえますが(スピッツの歌詞にありそう)とても生々しくて、ちょっと疲れました。
人間はさまざまな欲を持っている生き物だとは思いますが、<愛情>が絡むとより複雑で厄介で、面倒臭い。
今作は人間の汚い部分をリアルに描いているので、だいぶ気持ち悪いのだけれど、「これが人間なんだよな・・・」とどこか納得してしまう自分もいました。
人間の愚かさを描きながらも、決して悲観的というわけではなく。
どこか力強さみたいなものも感じられる物語です。
重厚感のある物語
前作は<狭い世界から広い世界へ>という壮大感あふれる物語でしたが、基本的に明るい面に焦点を当てていたため、物足りなさを感じた人もいるかもしれません。
そんな人は、ぜひ今作を読んでみてください。
続編とはいえかなり毛色の異なる内容なので、楽しい雰囲気の前作とはまた違った楽しみ方ができます。
宗教や民族間の争い、善悪についてなど。
リアルな世界に通じる部分もたくさん描かれているため、目を背けたくなる部分もありますが、読み応えは抜群です。
スターについてもより発展した使い方が登場するので、新鮮味と驚きがあって楽しい!
本の感想
前作の『スタープレイヤー』が面白かったので、引き続き二作目も読んでみました。
シリーズ的には二作目ですが、ストーリーの時系列的には一作目よりも過去の物語。
内容は別物ですが、ラストに向かうにつれて、一作目と少しずつリンクする部分もあります。
前回明らかにされなかった部分が少し見えてくるので、気になる方はこちらも読んでみてください。
個人的には、前作の方が好み。
世界が広がってゆく、あのワクワクとした感じがとても楽しかったので。
今作は登場人物も多く、宗教や人種問題、倫理観などにも触れているので、さらに一歩踏み込んだ内容になっていました。
重厚感のある物語なので、かなりずっしりと心に響きます。
前作の軽やかで楽しい雰囲気と、今作の深みのあるダークな雰囲気。
どちらも違った魅力があるので、ぜひ両方読んでみてくださいね!
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印象に残った言葉(名言)
「世の中というのは容赦がない。誰が死のうと、何が壊れようと、くだらない日常スケジュールを消化し続けることができない者は、落伍者として置いていかれてしまう」
「おそらく人類が古代から数千回も繰り返してきた、知恵を武器に世界を獲得する戦いを、自分たちは開始したのだ」
「・・・本当に死人を生き返らせてこちらに連れてくることができるなら、死者の町を作るよ」
「なんでもできる。だが、下らない人間は下らないことしかしないし、みっともない人間は、みっともないことしかしない」
「運命的な存在だ。その存在をぼくらは<希望の鍵>と呼んでいる」
「なんにせよ幸せとは主観であり、本人がどう感じるかではないのか。私は幸せな人間だ」
「人は、自分は何かをする為に生まれてきたという考えーーおそらくは幻想ーーにとりつかれるものだ」
「たとえ錯覚であろうとも、しなくてはならないと己が思いこんでしまったものに気持ちが動いてしまうと、もう抑えがきかなくなる」
この本の総評
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