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【No.156】”閉じ込められた人たち”を描いた、秋に読みたい3つの物語『秋の牢獄』 恒川 光太郎(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『秋の牢獄』恒川 光太郎(著)

3つの物語が収録された美しく儚い一冊。

シンプルな文章ながらも想像力を掻き立てられ、不思議な世界に誘われます。

ぜひ”秋”に読んで欲しい一冊です!

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本の概要(あらすじ)

「私は目的もなく、ただこの秋の一日を繰り返しているのだ」

 

これは十一月七日水曜日の物語だ。

 

女子大生の藍は、その日をもう幾度も繰り返している。

 

どこに行き、何をしても朝になれば全てがリセットされ、再び始まる十一月七日水曜日。

 

繰り返される日々の中で、藍は自分と同じ境遇にある「リプレイヤー」に出会うが・・・。

 

秋の牢獄に閉じ込められた彼らに、果たして終わりは訪れるのかーー?

3つの特徴

3つの物語

本作には『秋の牢獄』『神家没落』『幻は夜に成長する』の3つの物語が収録されています。

『秋の牢獄』は、十一月七日を永遠と繰り返す女子大生の物語。

『神家没落』は予期せず”神の家”を受け継いでしまった青年の物語。

『幻は夜に成長する』は特殊な能力を持つ少女をめぐる物語。

SF、ホラー、ファンタジーといろんな要素が混ざった作品です。

表題作の『秋の牢獄』は、十一月七日を「リプレイ」するというSFチックな物語で、「もし自分が主人公だったら?」と一番想像力を掻き立てられました。

何をしても朝になれば全てがリセットされるということは、どれだけ豪遊しても朝になれば残高は復活しているということ。

旅行に行ったり、好きなものを買ったり、普段食べられないものを食べたり・・・と、妄想はつきません。

(もちろん作中の「リプレイヤー」(十一月七日を繰り返す人たち)のように、悪い方向へと利用することもできますが)

ちなみに、一番ホラー味を感じたのは『幻は夜に成長する』。

オカルト的な怖さではなく、ラストに向かって強大さを増す主人公の執念にゾワっとさせられました。

『神家没落』は恒川さんらしい和テイストな雰囲気!

閉じ込められた人たち

3つの物語に共通するのは「牢獄」。

何かに「閉じ込められてしまった」主人公たちを描いた物語です。

『秋の牢獄』は時間に。

『神家没落』は場所に。

『幻は夜に成長する』は人間に。

一話目と二話目は抗えない壮大な何かによって閉じ込められている印象ですが、三話目だけは人間の手によって精神・肉体のどちらも支配されている点が異なります。

決して抗えないという点では一・二話目の方が絶望的に感じますが、個人的には三話目の方がより絶望と恐怖を強く感じました。

やっぱり一番怖いのは人間なんだなと思い知らされるような物語です。

とはいっても夜も眠れなくなるような怖さではないので、安心して読んでみてくださいね(笑)

まさにタイトル通りの作品です!

読者に委ねるラスト

明確なラスト、つまりオチが描かれていないという点も3つの物語に共通しています。

”ヤマ”があって”オチ”があってという起承転結がはっきりしている小説が好きな方は、少し物足りないと思うかもしれません。

私はこういったあえてオチが描かれていない作品も好きなので、特に違和感や物足りなさは感じませんでした。

むしろ「藍は十一月八日に行くことができたのだろうか?それともどこかに連れ去られてしまったのだろうか?」と自由に想像しながら余韻を味わうことができたので、そこも本作の魅力かなと思いました。

それぞれが自由に物語の続きを描くことができるので、”オチのない話”が苦手な方もぜひ読んでみてください。

本の感想

今回読んだのは、なにかに閉じ込められてしまった人たちを描いた3つの物語。

 

シンプルな文章に和を感じさせる雰囲気は、以前読んだ『夜市』に通ずるところがありました。

 

恒川さんの恐ろしくも美しく切ない(そしてどこかノスタルジックな)作風は、読み心地がとても良いですね。

 

ホラーというよりも”不思議で幻想的”な小説なので、怖がらずに読めると思います。

 

本作に収録されている『秋の牢獄』『神家没落』『幻は夜に成長する』はどれも違った魅力があって、正直どれが一番好きかは選べませんでした。

 

『秋の牢獄』の日常が非日常に変化する好奇心と恐怖。

 

『神家没落』の和の雰囲気と、”神の家”を訪れる人間の醜さ。

 

『幻は夜に成長する』の幻術の鮮やかさと、ホラーめいた執念。

 

『神家没落』は以前読んだ『風の古道』と雰囲気が似ているように感じたので、『夜市』を読んだ方はぜひこちらも読んでみてください。

 

どの物語にも人間の醜さや闇が描かれているのに重たい気分にならないのは(読んでいる最中はなりますが)、作品全体に漂う幻想的な雰囲気のおかげなのかなと思いました。

 

どの物語も主人公の立場で想像しながら読むことができるので、ぜひ秋の夜長にじっくりと読んでみてください。

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印象に残った言葉(名言)

「ぼくたちは・・・影なんだろうか」

 

「世界は毎日、先へ進むたびに、その時間に影を捨てていくのかもしれない」

 

「私はもう充分に、楽しんだし、悲しんだし、苦しんだのだ。一人でいたかった」

 

「そのときには理解できなくてもね。後になったらわかることもありますから。人生の問題は、問題だと決め付けなければ問題などではないのですから」

 

「誰もが幻を信じて、幻に操られて、幻の奴隷になり、多くのときを幻に捧げる。短い生の中で本当のことを見抜ける奴なんて一人もいない」

 

「くすぐったい記憶だが、恥ずかしさで苦しむことはない。恥ずかしさは思い出して楽しむものだ」

この本の総評

読みやすさ
(5.0)
ホラー
(2.0)
幻想的
(4.0)
読後感
(5.0)
総合評価
(4.5)

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