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【No.137】深紅色の世界で繰り広げられる、超凶悪なサバイバルホラー!『クリムゾンの迷宮』 貴志 祐介(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『クリムゾンの迷宮』 貴志祐介(著)

貴志さんの作品の中でも、特に人気の高い一冊。

ゲーム要素を取り入れたライトノベルのような作品なので、とても読みやすいと思います。

戦慄なバトルロイヤルに、ハラハラが止まらない!

最後まで一気に読んでしまいました!

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本の概要(あらすじ)

「火星の迷宮へようこそ」

 

目が覚めたとき、藤木は唖然とした。

 

眼前に広がっていたのは、一面鮮やかな深紅色に染まった、異様な世界。

 

ここはどこだ?なぜ自分はこんなところにいる?

 

何も思い出せない藤木は、傍にあった携帯ゲーム機の電源を入れた。

 

すると、安っぽいファンファーレとともに画面いっぱいの文字が。

 

「ゲームは開始された。無事に迷宮を抜け出てゴールを果たした者は、地球に帰還することができる」

 

戦慄のデスゲームが今、始まろうとしていたーー

3つの特徴

デス・ゲーム

目が覚めると、そこは現実とは思えない異様な世界。

状況は全く飲み込めず、近くにあったのは僅かな水と食料と携帯用ゲーム機のみ。

電源を入れたゲーム機の画面には「火星の迷宮へようこそ」という文章が表示され、こう続く。

ゲームは開始された。

無事に迷宮を抜け出て、ゴールを果たした者は、約束通りの額の賞金を勝ち取って、地球に帰還することができる。

という好奇心をそそられるような序盤から物語は始まります。

つまりは、非現実的な状況に放り込まれてデスゲームをさせられるわけです。

初版は1999年。

今でこそわりとベタな設定に思えますが、当時ではまだ画期的な作風だったのかもしれませんね。

セオリー通りの展開ではあるものの、それ故に純粋にゲームのような世界観を楽しめると思います。

こういった設定が好きな人にはたまらないね!

サバイバルホラー

王道のデスゲームではあるものの、そこにサバイバルとホラーが加わって読み応えのある内容になっています。

ホラーと言ってもオカルト系ではなく、恐怖の対象は人間。

極限状態の中で見えてくる人間の本質にゾッとさせられます。

主人公の他に、ゲームのプレイヤーは8人。

もちろん協調してゲームクリアを目指すなんてことはなく、文字通りのデスゲームが繰り広げられるわけです。

2,3人の組に分かれて、東西南北のルートからゴールを目指すプレイヤーたち。

サバイバルのためのアイテムを求める者は東へ、護身用のアイテムを求める者は西へ、食糧を求める者は南へ、情報を求める者は北へ進め。

主人公の藤木は最初に出会った女性・藍と共に北のルートを目指したが・・・?

この最初の選択が、実は一番重要な分かれ道に!

生々しい描写

デスゲームなのである程度の想像はつくかもしれませんが、グロテスクな描写も所々にあります。

とはいえ、私は大事な感覚が欠落してしまったのかあまりグロテスクには感じませんでした。

苦手な人は苦手だと思うのでご注意を。

グールと化した人間は、もはや外見も中身も人間とは似ても似つかないものになっていて。

彼らにじりじりと追い詰められていく場面では、こちらも手に汗握りました。

他の作品もそうですが、貴志さんは本当に人間を追い詰めるのが上手ですね。

本の感想

SF感のあるサバイバルホラー小説。

 

米澤穂信さんの『インシテミル』やスーザン・コリンズの『ハンガーゲーム』など、デスゲーム系の話が好きな方はハマると思います。

 

(なんとなく『ライアーゲーム』や『カイジ』っぽい雰囲気もあります。)

 

『天使の囀り』や『ISOLA』などに比べるとエンタメ性が強く、貴志さんの作品の中ではかなり読みやすい部類です。

 

専門知識や細い説明もほどほどに抑えられているので、とにかくストーリー展開を楽しみたい方向け。

 

読み始めると最後まで一気に読んでしまいます。

 

ただ、個人的にはラストが今ひとつ物足りない気が。

 

風呂敷を広げたままヌルッと終わるので、スッキリしないと感じる方も多そうです。

 

こういったエンタメ重視の作品では、細かい設定を気にするものではないのかもしれませんが。

 

終わり方に関しては、好みが分かれるところかなと思いました。

 

とはいえ、ぜひ一度は読んでみて欲しい作品。

 

ハラハラドキドキが止まらないデスゲームをお楽しみください!

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この本の総評

読みやすさ
(5.0)
展開
(4.0)
ホラー
(3.0)
サバイバル
(4.0)
総合評価
(4.0)

貴志祐介さんの作品

*多重人格障害をテーマに描かれた、驚愕のデビュー作⬇︎

【No.21】~わたしが話しているのは誰?衝撃のラストに震撼する~ 『十三番目の人格 ISOLA』 貴志 祐介(著)

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【No.109】“防犯探偵シリーズ第一弾” オフィスビルで起きた密室事件の謎を暴け!『硝子のハンマー』 貴志 祐介(著)

*“防犯探偵榎本シリーズ”2作目⬇︎

【No.110】“防犯探偵シリーズ第二弾” 旧家で起きた少女殺人事件の謎を暴け! 『狐火の家』 貴志 祐介(著)

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【No.132】頻発する不可解な事件と舞い降りた天使。前人未到のサスペンス・ホラー!『天使の囀り』 貴志 祐介(著)

*生命保険をテーマに描かれた、サイコパスホラー⬇︎

【No.133】人間の狂気に震えが止まらないサスペンスホラー!『黒い家』 貴志 祐介(著)

 

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