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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『金曜日の本』吉田篤弘(著)
初めて読んだ吉田篤弘さんのエッセイ集。
エッセイなのに小説のような一冊で、するすると最後まで一気に読んでしまいました。
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本の概要(あらすじ)
「本を買うというのは、「未来と約束すること」なんだと気づいた」
僕は金曜日に生まれた。
子どもの頃の僕は「おとなしかった」「無口で」「いつも本を読んでいた」と、大人たちは口を揃える。
最初の記憶は一歳のとき。
小さな本屋で、読めるはずもないイソップとグリムの童話集を熱心に読んでいたーー。
小説家にして装幀家である著者の少年時代が甦る、何度でも読みたいエッセイ集。
文庫本書き下ろしエッセイ「九人のおじさん」を特別収録。
3つの特徴
エッセイ小説
本作は分類的には「エッセイ」に入ると思いますが、なんだか小説のようなエッセイ集でした。
著者の小説を読んだことがある方ならわかると思いますが、あのどこか幻想的な雰囲気がこの作品にも漂っているのです。
文章は終始淡々としていて、どこか客観的。
自分のことを文章にするとなると思わず感情的・感傷的になってしまいそうなものですが、そういった部分は全くなく。
レトロで幻想的でほんのりと哀愁漂う世界観は、本当に一冊の小説のようでした。
感情を交えることなく淡々と語られるエピソードからは、当時の風景や音や匂いが本を通り越して伝わってきて。
吉田篤弘さんの作品には“唯一無二”の世界観があると感じているのですが、その原点となる景色を見ることができた気がして、
控えめに言って、幸せです。
この幸福感をぜひ味わって欲しいので、吉田さんのファンの方は書店にダッシュしてください。
本との関わり方
本作には著者の子ども時代の様々なエピソードが詰まっています。
家族3人で暮らしていた、世田谷の小さなアパートの一室。
架空バスの運転手になって何度も往復した、ゆるやかな坂道。
広大な薔薇園の奥に住んでいる、色白で美青年の大家さん。
ビートルズのLPレコードと、初めて食べたハンバーガー。
裕福だがどこか寂しげな友人たち、編み出したいくつもの遊びーー。
遠い昔の景色や出来事を、著者の目を通して読者も体験することができます。
私は幼少期の具体的な記憶はほとんどないので、こんなにも沢山のエピソードが今なお記憶として残っていることが驚きでした。
それが著者が生み出してきた作品たちの原点になっているというのは、なんだか感慨深いですね。
中でもやっぱり印象的なのは、著者の本との関わりかた。
「金曜日に図書館で借りた本を、土曜日と日曜日に読むのがなによりの楽しみだった」
「本を読めば読むほど借りるだけでは満足できず、自分のものにしていつまでも手元に置いておきたかった」
大好きな小説家さんがどんな「本とのお付き合い」をしてきたのかを知れるなんてまさに感無量。
自分の本との付き合い方に通ずる部分がたくさんあって、とても嬉しくなりました。
他作品との繋がり
本書を読むと、「このエピソードが著者のあの作品の原点になっているのかな?」
と感じる部分をたくさん発見できます。
例えば「住宅街の裏の檻に入れられた猿」のエピソードは、『針がとぶ』の「路地裏の小さな猿」の元になっているのかな?とか。
「空中一回転が得意な関西からの転校生」は、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』に登場する「森田君」のことなのかな?とか。
他の物語との繋がりを感じる瞬間が、とても楽しかったです。
もちろん私の勝手な想像でしかないので真偽はわかりませんが、そういった楽しみ方もできる作品だと思いました。
本の感想
吉田篤弘さんの作品はほんの一部しか本屋さんに置かれていないのですが、
なんとこの作品は本屋さんで見つけました!
もちろん迷わずその場で購入。この調子で他の作品もどんどん入荷して欲しいものです。
(本屋さん、お願いします。切実に)
私はエッセイ集よりも小説を好んで読むのですが、この作品は私のイメージしているエッセイ集とは違い、まるで小説のような物語でした。
幼き頃の著者を主人公として描かれた、どこか幻想的な雰囲気に包まれた小説。
エッセイを再読することはほぼないのですが、本書は他の作品同様、何度も繰り返し読みたくなってしまうのだろうなと思いました。
そのくらい読み心地の良い作品です。
著者が小説家を志すきっかけとなった出来事も書かれているので、吉田さんの小説が好きな方は、ぜひ読んでください!
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印象に残った言葉(名言)
「本とつきあうときはひとりでいることが重要なのだと子供ながらに気づいていた」
「ほとんど聞こえない静かな声で本は語りつづけているようだった。だから、図書室や図書館はいつも静かなのかと納得した」
「この三冊には声があり、語り手が本の中に生きていた。彼らはどんなときでも、いつも同じ声で同じ話を同じように語ってくれた。そんな安心なことが他にあるだろうか」
「本を買うということは、その本を「未来に読む」というひとつの約束のようなものを買うことだった。借りてきた本には期限がある。一方、自分のものにした本には、限りない「未来」が含まれていた。本を買うというのは、「未来と約束すること」なんだと気づいた」
「本は読むことももちろん大事だけれど、その前に、自分ひとりで選ぶことが重要だった」
「いかにも面白そうな本よりも、誰も読みそうにない本に、自分にとっての「面白い」があるように思う。ぼくの「金曜日の本」は、つまりそういう本だった」
「本には「読む時間」の前に「選ぶ時間」がある。もしかすると、読んでいるときと同じくらい選ぶ時間を愉しんできたかもしれない」
「だからこそ、本が重要だった。本というものが、「ここ」ではない自分の知らない場所や時間に出かけていく扉になった」
この本の総評
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