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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『The Book ~jojo’s bizarre adventure 4th another day~』 乙一(著)
今回は乙一さんが手掛けたジョジョ第四部のノベライズ小説を読んでみました。
数年前に一度読んだのですが、その時は原作の内容をほとんど知らずに読んだので、今回改めて購入。
内容を知らなくても面白かった記憶がありますが、やっぱり原作を知ってから読む方が何倍も物語の世界に入り込むことができました!
漫画を読んで、アニメも観たという方は、ぜひノベライズ小説も読んでみて下さい。
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本の概要(あらすじ)
「これから戦いがはじまる。【The Book】、用意はいいか」
町の花はフクジュソウ。特産品は牛タンの味噌漬け。
ベットタウンとして一九八〇年前半から急速に発展したその町の名前は、「杜王町」。
漫画家・岸辺露伴と広瀬康一は、ある日町で全身血まみれの猫と遭遇した。
猫の首輪につけられていたネームプレートをヒントに捜しあてたのは、一軒の家。
その家の中でふたりが見つけたのは、奇妙な女性の死体だったーー。
謎の死体をきっかけに始まる、<本>をめぐる不可思議な事件。
乙一さん渾身の傑作ノベライズ小説!
3つの特徴
杜王町✖️ミステリー
本書はジョジョ第四部・吉良吉影事件後の杜王町を舞台にした物語です。
岸辺露伴と広瀬康一が遭遇した、血まみれの猫をきっかけにはじまる奇妙な事件。
猫の飼い主は、どうやって家の中で交通事故に遭ったのか?
彼女が殺された理由は?猫の記憶にあった、謎の高校生の正体は?
謎が謎をよぶ、この奇妙な事件が、思わぬ過去の事件へと繋がってゆき・・・。
主人公サイド、ジョジョサイド、過去サイドの3つの視点で切り替わっていく物語。
絶妙なタイミングで視点が現在から過去、過去から現在と変わっていくので、ページをめくる手が止まらなくなります。
意外にも、いちばんハラハラして先の展開が気になったのは、過去サイドの物語。
吉良吉影を彷彿とさせるサイコパスな人間【大神照彦】による、想像を絶するとある事件。
個人的にはこの大神視点で描いた物語も読んでみたいです。
(黒乙一っぽい雰囲気がぷんぷん漂っています)
最初はバラバラだった3つの視点が、徐々に繋がっていって最後にはひとつの物語へ。
ジョジョのノベライズとしても、乙一さんのミステリー小説としても楽しめます。
原作キャラクターと小ネタ
本書に登場するのは、第四部の原作キャラクターと乙一さんのオリジナルキャラクター。
東方仗助、虹村億泰、広瀬康一、岸辺露伴はもちろん、仗助のお母さんや由花子さんも登場します。
原作のように彼らがメインの物語・・・かと思いきや、軸になるのは本書のオリジナルキャラクター。
バトルシーンなども仗助たち視点ではなく、敵対する相手キャラクター視点で描かれています。
仗助たちの出番が多くないので、それをどう捉えるかがどんな感想を持つかの一番のポイントになりそう。
キャラクターだけでなく、作中には原作を彷彿とさせる小ネタがふんだんに散りばめられています。
ファンの方なら思わず「お!これは原作のあのネタだな」とニヤリとしてしまうはず。
オリジナルスタンド
本書では原作のスタンドはもちろん、乙一さんのオリジナルスタンドも登場します。
それが、本のタイトルにもなっている【The Book】。
これは、<わすれる>ことができない主人公・蓮見琢馬のもつスタンド。
岸辺露伴の【天国への扉(ヘブンズ・ドアー)】から着想を得ているのか、「本」「記憶」という点は似ていますが、対象が自分か自分以外かという部分が大きな違いです。
ここで詳しく書いてしまうとネタバレになってしまうので、このくらいで。
私はもともとスタンドの中でも【天国への扉(ヘブンズ・ドアー)】が好きなのですが、本書の【The Book】もなかなか好きです。
原作のようにスタンドにはちゃんと制限も設けられていて、それが仗助たちとの戦いをより緊迫感のあるものにしていました。
本の感想
熱狂的ファンも多い、荒木飛呂彦さんの『ジョジョの奇妙な冒険』。
初めは奇抜なデザインに度肝を抜かれましたが、その魅力にすぐハマってしまいました。
内容を知らなかった頃は、何でみんな好きなんだろうと疑問でしたが、今では納得です。
漫画やアニメの前にノベライズ本を読むという斬新なことをしていたわけですが、今回改めて読んでみて、断然内容を知ってから読んだ方が楽しめるということがわかりました。(あたりまえですが)
私はもともと乙一さんの小説が好きなので、「乙一さん✖️ジョジョ」という魅力的なノベライズ本ですが、感想については賛否あるかもしれません。
原作のように仗助たちの活躍を期待していた方は、思ったより出番が少ないことに物足りなさを感じるかも。
私は原作のキャラクターに頼りすぎず、オリジナルのキャラクターを主軸に物語を作り上げているのが単純にすごいなと思いました。
オリジナルキャラクター(蓮見琢馬)は、乙一さんっぽいダークな感じとジョジョっぽい憂いを抱えている感じが混ざっていて、私はとても好きです。
グロテスクでサイコパス感あふれる黒乙一とジョジョの奇妙な世界観は、相性抜群だと思いました!
(吉良吉影なんて、そのまま乙一さんの作品に出てきそうですもんね。)
大人気作品をノベライズするって、嬉しい反面プレッシャーもすごそう。
乙一さんは構想・執筆に2000日以上をかけられたそうです。
ちなみに、文庫版にはあとがきがありません。単行本のほうにはあるみたいですね。乙一さんのあとがきが好きで楽しみにしていたので、ちょっと残念です。
次は第五部のフーゴを主人公にノベライズされた『恥知らずのパープルヘイズ』を読もうかな。
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印象に残った言葉(名言)
「これまでに食べたパンの数をおぼえている人間がこの世にいるだろうか」
「作家は【感情移入】で人を殺す」
「神様なんてものがいるのだとしたら、罪深い者を生かしておくはずがない。いないから、人生をかけて、自分がやるしかなかったのだ」
「どんな事情があったか知らねーが、俺には、おめーをぶんなぐるのにじゅうぶんな理由がある。ポケットが破裂するくらい、たくさんの理由がな」
「先輩よお、あんたになにを言われようが、生き方はかわらねえ。この髪型以上のかっこういいものを、まだ俺は、見つけられてねえからな」
「さびしくない。だれもさびしくはないのだ。この世に生きている人は、ひとりのこらず」
乙一さんの他の作品
✳︎残酷な少年少女を描いた大人気シリーズ⬇︎
✳︎8つの切なく心温まる物語が詰まった白乙一短編集⬇︎
【No.4】切なさと優しさが詰まった一冊『失われる物語』乙一(著)✳︎盲目の女性と警察に追われる男の奇妙な同居生活を描いた、怖くて優しい白乙一小説⬇︎
【No.26】読めばきっとあたたかい気持ちになる ”怖くて優しいミステリー ”『暗いところで待ち合わせ』乙一(著)✳︎乙一さん好きにはたまらないエッセイ集⬇︎
【No.77】くすっと笑える乙一さんのコミカルなエッセイ集『かいじゅうタイムズ 』乙一(著)✳︎左眼の記憶が誘う、不気味なホラー✖︎ミステリー小説⬇︎
【No.84】左眼と記憶を失った少女を待ち受ける、悪夢のような事件『暗黒童話』 乙一(著)✳︎夏の田舎町を舞台に描かれた、乙一さんのデビュー作⬇︎
【No.91】ホラー界を震撼させた鮮烈なるデビュー作『夏と花火と私の死体』乙一(著)
この本の総評
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