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【No.195】「冤罪」をテーマに描かれた社会派ミステリ小説『テミスの剣』中山七里(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『テミスの剣』中山七里(著)

「冤罪」をテーマにした社会派ミステリ小説。

重たい内容ながらも、最後までぐいぐい読ませる内容になっています。

エンタメの醍醐味を堪能しつつも、その根底に横たわっているテーマに何度も立ち止まって考えさせられました。

あの渡瀬刑事の若かりし頃を描いた作品です!

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本の概要(あらすじ)

「赦してもらわなくていい。赦されたら、自分は己の罪を忘れてしまうかも知れない」

 

昭和五十九年。ある台風の夜に、不動産屋を営む夫婦が殺された。

 

強盗殺人の容疑者として逮捕されたのは、被害者に借金をしていた楠木青年。

 

浦和署内で楠木の聴取を担当したのは、ベテラン刑事の鳴海と相方の渡瀬だった。

 

二人は苛烈な聴取を行い犯行の自白を得たが、裁判では一転して無罪を主張する楠木。

 

しかし、楠木に言い渡された判決は「死刑」だったーー。

 

それから五年後。

 

渡瀬はとある窃盗事件をきっかけに、あの事件には真犯人がいることに気づき……?

こんな人におすすめ

  • 「冤罪」をめぐる社会派ミステリに興味がある人
  • 二転三転する展開が好きな人
  • 中山七里作品のファンの方

 「冤罪」をめぐる社会派ミステリに興味がある人

冤罪が作り上げられる過程から真実を明らかにするまでが、長いスパンで描かれている社会派ミステリ。

被害者家族や弁護士など、外部の人間が冤罪を疑い真相を明らかにしていく……という構成ではなく。

本書の主人公は警察官。しかも、冤罪に直接加担した張本人の視点で描かれているのです。

冤罪を作り上げた一番の原因は先輩の鳴海ですが、渡瀬にも罪がないとは言えません。

容疑者に対する苛烈な聴取は、もはや拷問と言っていいくらいの非道さで。

怒鳴る、脅す、殴る、蹴る、食事を与えない、眠らせない等の様々な手段で肉体的・精神的に追い詰めていく様子にはゾッとしました。

私なら耐えられず、楽になりたいがためにあっさりと嘘の自白をしてしまいそうです。

時代背景的には昭和ですが、本当に昔はこんな卑劣な取り調べが容認されていたのでしょうか。

しかも、こんなことをしてまで自白を急ぐ理由が警察内部のいざこざというのがまたどうしようもないですよね。

冤罪が起きる背景には何があるのか、その一端を垣間見た気がしました。

国家権力のあり方についても考えさせられます。

 二転三転する展開が好きな人

「どんでん返しの帝王」という異名をもつ中山七里さん。

本書はどんでん返しと言うほどの仕掛けはありませんでしたが、ラストにもう一度山場が来るような展開になっていました。

私は途中で察してしまったので特に驚きはなかったのですが、気づかず読めた方はそれなりのインパクトがあったかもしれませんね。

この展開に関しては賛否ありそうな感じもしますが、二転三転する展開が好きな人にはもってこいだと思います。

 中山作品のファンの方

著者の作品はシリーズものも人気が高いですが、登場人物がリンクしている作品も多いですよね。

そのため辻村深月さんの作品のように、順番に読むことでより楽しめるのではないかなと。

とはいえ私は気になった作品を好きなように読んでいるため、あまり順番を意識したことはありません笑

本書の主人公・渡瀬刑事についても「渡瀬シリーズ」というものがあるらしく、10作品ほどあるのだとか。

私は御子柴シリーズで彼を知ったのですが、どうやら中山作品にはお馴染みのキャラクターのようですね。

本書はそんな渡瀬刑事の若かりし頃を描いた作品なので、彼を知っている人にはより興味深い内容だと思います。

ちなみに裁判官の“高円寺静”も『静おばあちゃんにおまかせ』の登場人物だそうです。

(犬養刑事も出てきたような……?)

本書をきっかけに読んでみたい作品がたくさん増えました!

本の感想

自身の過ちを認めた人間が何を考え、選び取り、どう行動するのか。

 

ストーリー自体に新鮮味はないものの、加害者側の葛藤や後悔、被害者側の怒りや絶望が混在することによって深みのある内容になっています。

 

「善悪」「正義」「贖罪」といった答えのない問いに、主人公と一緒に頭を悩ませました。

 

ストーリーは違えど、著者の作品の多くにこれらのテーマが共通して描かれていますよね。

 

過ちを犯した主人公が自分の罪と向き合い、真の贖罪の意味を問い続けるという点で、御子柴と渡瀬は似ているなと感じました。

 

御子柴は弁護士として、渡瀬は警察官として。

 

道は違えど、彼らの生き方や胸の内にある使命感というのはどこか通ずるものがある気がしました。

 

「冤罪」を軸に死刑制度や法曹界、警察組織の腐敗やマスコミのあり方など、様々な重たいテーマにも触れているのでとても読み応えがある作品です。

 

他作品とのリンクも多い一冊なので、著者の作品が好きな方はぜひ読んでみてください!

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印象に残った言葉(名言)

「人間の犯した罪を同族である人間が裁こうとする行為そのものが不遜であり、傲慢なのだ。本来、人を裁くのは神の仕事ではないのかねーー」

 

「優秀な刑事の条件は検挙率の高さじゃない。関係者の心の裡を受容できる深さと人間知識の広さだとわたしは思っている」

 

「真摯な想いを誰が嗤うものか。わたしたち検察官や君たち警察官は権力を与えられている。権力を持つ者が真摯でいなければ正義はいずれ破綻する」

 

「世の中に正しいことなんて何一つない。あるのはその時々に都合がいいか悪いかだけだ。それを見誤ると得にならんぞ」

 

「稚拙だから迷うのではない。生きることに真摯だから迷うのだ」

 

「正論はいつの世も愚鈍で、生真面目で、幼稚な心理だ。だからこそ子供にでも理解できる。どんな浅学の人間にでも通用する」

 

「事の善悪は考えるものではなく、感じるものだとは思いませんか。あなたが今までの人生で培ってきた倫理観と良識に照らし合わせてみればいいんです。最初に感じたことというのは、たいていその人にとっての真実なのだと思います」

 

「どちらを選択しても、それぞれの試練が待っています。だから、あなたは自分自身の声に従いなさい」

この本の総評

読みやすさ
(5.0)
展開
(4.0)
ミステリー
(3.0)
読後感
(4.0)
総合評価
(4.0)

 

中山七里さんの他の作品

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