※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています
こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『プラチナデータ』東野圭吾(著)
何年も前に読んだ小説ですが、内容を忘れてしまったので再読しました。
映画では嵐の二宮くんが主演を務めていましたよね。たしか。
本の概要(あらすじ)
「一体、人間と機械の違いはなんだろうーー」
国民の遺伝子情報から事件の犯人を探し出すDNA捜査システム。
その開発者である兄弟が何者かに殺害された。
兄弟とともに、システムの開発に携わってきた解析員の神楽龍平。
彼は、DNA捜査システムで犯人を特定しようとするが、システムが示した犯人は、なんと神楽本人だった。
真犯人は誰なのか?自分の中のもう一人の自分?システムの裏に隠された陰謀とは?
3つの特徴
DNA捜査システムとは
この物語のテーマ”DNA捜査システム”とは何なのか。
DNA鑑定と何が違うのかと思われるかもしれませんが、DNA鑑定は髪の毛や血液などが、ある人物のものであるかを確認するもの。
一方、DNA捜査システムは、髪の毛や血液などから性別・年齢・身長体重・病歴・声などを解析するもの。
さらには、プロファイリングをもとに容貌を画像化(DNAモンタージュ)することもできます。
DNA鑑定=特定の人物との照合 DNA捜査システム=解析結果から犯人を特定
こんな感じだと思います。
このシステムに国民のDNA情報を登録することで、解析結果から人物を特定することができます。
DNA捜査システムを使うようになってから、格段にあがる検挙率。
順調にいくかと思いきや、ある連続殺人事件の犯人をシステムで特定できない事態が発生。
「NF(NOT FOUND)13」は誰なのか?
プラチナデータとは何なのか?
さらには、DNA捜査システムの開発者である蓼科兄弟も、何者かに殺害され・・・
もう一人の自分
DNA捜査システムの解析員である神楽龍平。
実は彼の中には、もうひとりの人格「リュウ」が存在していた。
神楽からリュウに変わるのは、週に一度、反転剤を使用したときだけ。
リュウの望みはただひとつ。絵を描くことだ。
システム開発者である蓼科兄弟が殺害され、DNA捜査システムを使って犯人を特定しようとする神楽。
しかし、解析結果はなんと、神楽本人だったのだ。
動揺する神楽。自分はやっていない。殺してなんていない。
けれど、もし自分ではなかったら?もし、自分の中のもうひとつの人格がやったのだとしたら・・・
リュウは本当に犯人なのか?それとも真犯人は他にいるのか?
神楽は警察から逃れ、真実にたどり着くことができるのかーー
謎の少女
警察から逃げる神楽のもとに、ある少女がやってくる。
髪が長く、白いワンピースを着た、リュウの絵に描かれていた少女だった。
「スズラン」と名乗る少女。彼女はリュウの恋人だったという。
どこからともなくやってきて、ふと気づくといなくなっているスズラン。
「リュウが呼びかけてくるの。あたしの心に。あたしはそれを察知して、彼の指定した場所へ行く。そうすると会えるの」
はじめは彼女の言動に戸惑いを隠せない神楽だったが、しだいに彼女に対して親しみを感じるようになる。
彼女はいったい何者なのか?
この事件に彼女は関係しているのか・・・?
本の感想
おもしろくないわけではないけれど、少し物足りなさを感じた作品。
東野さんの小説はたくさん読んでいるので、どうしても他の作品と比較してしまいますね。
本書が初めて読む著者の小説なら、また違う印象だったかもしれません。
私はスズランの正体や真犯人については途中で勘付いてしまったのですが、登場人物が多くないので、同じく途中で気づいた人も多いと思います。
最後まで謎のままで読むと、大どんでん返し的な展開でびっくりするかもしれません。
とっつきにくそうなテーマをすらすらと読ませるのは、さすが東野さんだなと思いました。
複雑な内容ではないので、ミステリー初心者の方でも混乱せずに読めるかなと思います。
印象に残った言葉(名言)
「一体、人間と機械の違いは何だろうーーそんなことを考えるようになった。構成している物質が違うという以外に、根本的な違いはあるだろうか」
「芸術とは意識して生み出せるものではない。その逆だ。それは作者を操り、作品としてこの世に生まれる。作者は奴隷なのだ」
「祈りを捧げるのは、神様に頼み事をすることじゃないよ。自分自身を浄化するために祈るの。見返りは求めちゃダメ」
この本の総評
コメントを残す