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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『オーデュボンの祈り』伊坂幸太郎(著)
大人気作家・伊坂幸太郎さんのデビュー作。
架空の島を舞台に描かれた、伊坂ワールド原点の物語です。
現実と虚構が入り混じる不可思議な世界観に、なんとも言えない気持ちになりました。
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本の概要(あらすじ)
「ここには大事なものが、はじめから、消えている。だから誰もがからっぽだ」
コンビニ強盗に失敗し、警察から逃げていた伊藤。
目が覚めると彼は見知らぬ島にいた。
「荻島」と呼ばれるその島は、外界とは隔絶している孤島。
反対のことしか言わない画家や、独自のルールで殺人を許されている男など、不可思議な人間ばかりが住んでいた。
中でも一番奇妙なのが、人間の言葉を話すカカシ・優午。
未来が見通せるはずの優午が殺されたことにより、物語は加速していきーー?
3つの特徴
不思議な孤島
「荻島」という架空の孤島がこの物語の舞台。
コンビニ強盗に失敗し、警察から逃亡中の伊藤がこの島に連れて来られたところから物語は始まります。
荻島の住民は不思議な人たちばかり。
嘘しかつけない画家や、三百キロ越えの巨体を持つウサギさん、殺人を許されている男・桜、喋るカカシ……
みんなそれぞれに奇妙ですが、どこか憎めないというか魅力的で。
私は特に「桜」さんが好きです。単純にかっこいい!という小学生みたいな理由ですが(笑)
現実世界にこんなマイルールで殺人を犯す人がいたら怖すぎますが、そこは物語の世界ということで。
島にとっては彼が唯一の抑止力なんですよね。
人(カカシ)が死んだり謎がめいていたりしますが、基本的に荻島ではゆったり和やかな雰囲気が漂っています。
最初はファンタジー感が強いので戸惑うかもしれませんが、ちゃんとミステリーになっているので安心してください。
虚構と現実
個人的には虚構と現実のコントラストが特徴の一つかなと思いました。
「虚構」はもちろん架空の島である荻島。
カカシである優午の存在が、現実と隔てる重要な役割を担っているのかなと思いました。
「現実」パートは伊藤の元恋人・静香視点で語られますが、極悪非道の警察官・城山がやはり印象的でしたね。
ほのぼのとした荻島の空気感と理不尽な暴力シーンとの対比。
基本的にゆったりとしたテンポの物語ですが、メリハリが効いているので飽きずに読むことができます。
伊坂ワールドでは「弱者への暴力」も一つのテーマなのでしょうか?
他の作品でもあえて“絶対悪”を描いていることが多いような気がします。
荻島の住民や城山と比べると主人公の印象は薄いですが、虚構と現実の境にいるのが彼なんですよね。
主人公の物語というよりは、この物語自体に必要な中間的存在という印象でした。
この島に欠けているもの
「この島に欠けているものは何なのか?」というのがこの物語のテーマの一つでもあります。
わりと序盤に提示されたそのテーマを各々考えながら読んだと思いますが、どうでしたか?
最後に明かされた答えと一致していましたか?
この問いが物語において重要な役割なのかと思っていましたが、意外とそうでもないのかなと最後まで読んで感じました。
とある設定の回収という点ではぴったりだと思いますが、「ラストを締め括るために用意された答え」という感じが強かったというか。
私にはもっと他に欠けているものがあるような気がしてなりませんでした。
伏線はきっちりと回収してくれるので、スッキリ終わりたい方にはおすすめです。
実に不思議な世界観だったので、個人的にはあえて全てを明かさないのもそれはそれで良いのではないかなと思いましたが。
ファンタジー色の強いミステリが好きな方はぜひ読んでみてください!
本の感想
読み始めてすぐに「恒川光太郎さんの作品の雰囲気に似ているな」と感じました。
外界と隔絶した島、不思議な人たち。
『雷の季節の終わりに』と『南の子供が夜行くところ』が混ざったような。そんな印象でした。
前回読んだ『ホワイトラビット』とはだいぶ異なる作風でちょっと驚き。
著者の作品はまだ数冊しか読んでいないのですが、こういったファンタジーミステリもあるのですね。
最初は不思議な島と不思議な住民たちを不思議な気持ちで眺めている、という感じでした。
引力が強いわけではないですが、読んでいくにつれて惹き込まれていくような作品で。
登場人物たちも魅力的で、誰もが印象的でこの作品に関して“脇役”はいないのではないかと思うほど。
これがデビュー作だなんてにわかには信じられませんね。
テンポが良いコミカルなエンタメ小説も楽しいですが、こういう不思議な作品もまた読んでみたいなと思いました。
印象に残った言葉(名言)
「神様のレシピにはとても多くの材料が並んでいて、贅沢です」
「狂気と受容。狂うことと受け入れることは似ている」
「人間の悪い部分は、動物と異なる部分すべてだ、と祖母が言ったことがある」
「人間は慣れる動物である。そうして、飽きる動物である。だらだらと生きる。若者は時間を持て余し「何か面白いことはないかな」と愚痴る。諸悪の根源とは、そのあたりにあるのではないだろうか」
「この名探偵というのは何のためにいるか、知ってる?私たちのためよ。物語の外にいる私たちを救うためにいるのよ。馬鹿らしい」
「人間ってのは失わないと、ことの大きさに気がつかない」
「家族が殺されても、死にたいほど悲しくても、奇形で生まれてこようと、それでも、それでも生きていくしかないんだと彼女は言った。なぜならそれが一度しかねえ大事な人生だからだ、と」
「一回しか生きられないんだから、全部を受け入れるしかねえんだ」
この本の総評
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