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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『悪いものが、来ませんように』芦沢央(著)
初めましての作家さん。
なんの事前情報もなしに読み始めたので油断していたら……?
独特のねっとりとした雰囲気が印象的な作品でした!
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本の概要(あらすじ)
「この子のもとに、幸せばかりが待っていますように。悪いものが、来ませんように」
助産院で働く紗英は、不妊と夫の浮気に悩んでいた。
誰にも心の内を明かせない彼女の拠り所は、最も信頼のおける存在・奈津子。
育児中の奈津子もまた、社会に馴染めずに紗英を拠り所にしていた。
依存し合う二人だったが、ある事件をきっかけにその関係性が大きく変わっていきーー?
『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞した著者による第二作目。
こんな人におすすめ
- 心理サスペンスを読みたい人
- 女性の心理を描いた作品が好きな人
- 巧妙な仕掛けを楽しみたい人
心理サスペンスを読みたい人
最初はミステリーなのかな?と思いましたが、どうやら心理サスペンスのようですね。
紗英と奈津子がとある事件に関与していることを先に明かし、徐々にその真実に迫るという構成になっています。
事件をきっかけに大きく変わっていくふたりの関係性。
読んでいくといくつもの違和感や疑問が浮かび上がってきます。
それぞれが抱いているお互いのイメージと他者が語る二人のイメージには乖離があり、そこが妙に引っかかって。
違和感の先には一体何があるのか?
その答えを知りたくて、先へ先へとページをめくりました。
女性の心理を描いた作品が好きな人
子どもに恵まれない紗英と、子育てに悩む奈津子。
それぞれにコンプレックスを抱える二人の苦悩が丁寧に描かれています。
立場の異なる彼女たちですが、その関係性はまさに「共依存」。
見ているこちらもうっすらと怖くなるくらいの密着度に、ぞわぞわとした違和感を感じました。
隠されていた事実が明らかになると、この関係性にもまた違う面が見えてより一層複雑な気持ちに。
どこからが依存でどこまでが愛情なのか。
その危うさを垣間見た気がしました。
巧妙な仕掛けを楽しみたい人
今回初めて読みましたが、著者の作品は巧妙な仕掛けと心理描写が特徴のようですね。
本書もそれに違わず。
私はだいぶ油断しながら読んでいたため、違和感に関しては完全にスルーしてしまいました笑。
著者の作品を読んだことがある方は、かなり身構えながら読んだのではないでしょうか?
まだ読んでいない方はあまり事前情報は入れずに読んでみてください!
本の感想
サラサラと読めるのに、ねっとりと嫌な空気感がまとわりつく小説だなぁと感じました。
こういうダークな感じはけっこう好きなのですが、本書に関してはちょっと入り込めない感じもしつつ。
この閉鎖的な感じがちょっと息苦しくてリアルだなと思いました。
働いているが子どもに恵まれない紗英と、子どもはいるけれど社会に馴染めない奈津子。
ふたりが抱えているコンプレックスは、「こうあるべき」という周囲に押し付けられた呪いのようなものなのかもしれませんね。
彼女たちを見ていたら「依存」と「支配」と「愛情」の境界線がわからなくなってきました。
(子どもが「支配」だと感じていても、母親が「愛情」だと言い張ればもう為すすべがないですよね……)
本書は再読しても楽しめるタイプの作品だと思うので、もう一度読んでみようかなと。
何も知らずに読んだ一度目と、全てを知った上で読む二度目はだいぶ印象が変わりそうなので楽しみです!
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印象に残った言葉(名言)
「子どもを産めば、それだけで母親になれるのだと信じていた。自分のことより子どものことを一番に考えて、それを苦に思うことのない人間」
「ずっと母を憎んできたのだ、と静かに思う。自分を縛り、支配する母を。けれど本当に許せなかったのはーー母が自分を無条件に愛してくれないことだった」
「どうしてどうしてどうして。母の使う、どうして、には原因を知ろうとする意思は微塵もなくて、だから繰り返されるたびに責める色ばかりが濃く深く染みこんでいってしまう」
「母のような母親にはなりたくなかった」
「娘に嫌われたくなかった。ずっと許されていたかったーーでも、そんなふうに願う必要がどこにあったというのか」
「「娘は、母を許さなくていいの」嫌ってもいい、憎んでもいいから、幸せになってほしい」
この本の総評
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