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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『春期限定いちごタルト事件』米澤穂信(著)
米澤穂信さんの小説は初めてなので、読みやすそうなこちらのシリーズにしてみました。
タイトルといい、ゆるっとした表紙のデザインといい、手に取りやすさは間違いなしです。
青春小説としての側面も持ちながら、ちょっとした謎解きの面白さもある<ライトな青春ミステリ小説>といったところでしょうか。
文章がとても私好みだったので、テンションが上がりました。
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本の概要(あらすじ)
「諦念と儀礼的無関心を自分の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を」
小鳩くんと小山内さんは、同じ学校に通う高校一年生。
恋愛関係にはないが互恵関係にあるふたりの目標は、「小市民たれ」。
しかし、互いに協力して子市民を目指すふたりの前には、頻繁に奇妙な謎があらわれる。
消えたポシェット、美味しいココアの謎、割れたガラス瓶・・・
必要に迫られ謎を解いてしまう小鳩くんは、はたして小市民の星を掴むことができるのか?
3つの特徴
小市民シリーズ
恋愛関係にも依存関係にもないが、<互恵関係>にある小鳩くんと小山内さん。
ふたりの共通目標は「小市民」として慎ましく生きること。
<日々の平穏と安定のため、ぼくと小山内さんは断固として小市民なのだ>
作中にはふたりの会話の中で何度もこの「小市民」という言葉が出てきます。
このことから、シリーズ化しているこの作品は「小市民シリーズ」なんて呼ばれているみたいですね。
・『春期限定いちごタルト事件』
・『夏期限定トロピカルパフェ事件』
・『秋期限定栗きんとん事件』
・『巴里マカロンの謎』
スイーツを題材にしたミステリーなのかと思っていましたが、そんなことはないのでそこは期待せずに。
小市民でありたい小鳩くんと小山内さんが、日常の奇妙な謎を解いていくという、ごくごくシンプルなストーリー。
謎は章ごとに解決するので、これだけならシリーズものでも一冊で満足してしまうかも。
しかしこの作品には、つい続きを手にとってしまうような、気になる謎が隠されているのですーー。
日常系ミステリー
本書は死体がごろごろ出てくるようなガッツリとしたミステリーではなく、身近で起こるちょっとした事件や謎なんかを扱った日常系ミステリー。
「羊の着ぐるみ」消えたポシェットの謎
「For your eyes only」意図のわからない二枚の絵の謎(三つの君に、六つの謎を)
「おいしいココアの作り方」濡れていないシンクの謎
「はらふくるるわざ」テスト中に割れたガラス瓶の謎
「狐狼の心」盗まれた自転車に隠された謎
事件を解決するまでの過程はサラッと書かれているので気軽に読むことができます。
正直「え?そんなのアリ?」というような謎解きもありましたが。(特に「おいしいココアの作り方」)
本格論理的ミステリーというわけではないので、あくまでライトな謎解き小説として読むのが良いかと思います。
「狐狼の心」以外は、高校生っぽいなぁと言う感じのちょっとした謎解きですが、最後の物語はわりとシリアスな展開が待っています。
ふたりの本性
個人的に注目すべき点は、ミステリーよりも小鳩くんと小山内さんの過去の方。
<小賢しさ>を捨てたい小鳩くんと、<執念深さ>を捨てたい小山内さん。
過去の自分を捨て、小市民道を極めようと固く誓う彼らには、一体どんなトラウマがあるのか?
「ぼくが狐だったとたとえるなら、あれは昔、狼だったんだ」
小鳩くんに狼だと言われる小山内さんの本性って・・・?とかなり気になります。
なぜ彼らは<小市民>を目指しているのか?どんな互恵関係にあるのか?
という疑問の答えは、物語が進むにつれておぼろげに見えてきますが、今作では核心にはいたりません。
彼らの本性が徐々に見え隠れする後半にかけてが、グッと面白くなっていきます。
本の感想
ずっと読みたかった米澤穂信さんの小説。
気になっている作品はいくつかありましたが、まずは読みやすそうなこちらのシリーズをチョイス。
ライトな探偵小説という感じで、最後まで一気に読んでしまいました。
全体的に、描写が細かすぎないというか。心理描写にしろ、小鳩くんと小山内さんの距離感にしろ、あえて書きすぎないようにしている感じがしました。
シリーズものなので、ちょっとずつチラ見せしていく意図があるのかもしれません。
好みは分かれると思いますが、私は小鳩くんみたいな主人公が結構好きです。
冷静で客観的で他人と距離を置いていて。小賢しくて腹に一物抱えている感じの男の子。
今回ちょこっと片鱗が見えましたが、いまだ全貌が明らかになっていない小山内さんの過去関しても、続きを読むのが楽しみ。
淡々としているのにユーモアを感じさせる文章も私好みで、言葉のチョイスもグッときました。
他の作品も読んでみようと思います!
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印象に残った言葉(名言)
「ぼくが小山内さんを言い訳に使うように、小山内さんはぼくを言い訳に使う。ぼくは小山内さんを盾にし、小山内さんはぼくを盾にする」
「ぼくは一生懸命、顔でも心でも愛想笑いを浮かべる小市民になろうとしているのに」
「ぼくと小山内さんは約束をしている。互いに互いを逃すこと。ぼくは、もう小賢しい知恵を働かせたりしないように、逃げると決めた」
「理不尽を受け流すのは小市民心得の筆頭といっていい」
「小市民にとって一番大切なのは・・・、私有財産の保全ってことにしたら?」
「ぼくと小山内さんは互恵関係にはあるけれど、依存関係にはない。どちらかがなにかから逃げ出したいとき以外は、ぼくと小山内さんとは単なる知り合い以上のものではないのだ」
「下らない思いをするぐらいなら、無芸で現状に満足する、幸せの青い鳥はわたしの部屋にいたのね的な子市民を志すと決めたんだ」
この本の総評
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