【No.146】全てが伏線、全てが虚構？霊媒師×推理作家のコンビによるミステリー小説『medium 霊媒探偵城塚翡翠』 相沢 沙呼(著)

【“Kindle Unlimited”のおすすめポイント】

「僕はあなたの力を、論理を用いて現実へと媒介する、お手伝いをしましょう」

ミステリー作家として様々な難事件を解決に導いてきた、香月史郎。

彼はとある事件で霊媒師・城塚翡翠と出会った。

どこかミステリアスな雰囲気を持つ彼女の不思議な能力に惹かれていく香月。

翡翠の霊視能力と香月の推理力。

ふたりは力を合わせ、次々に難事件を解決していく。

しかし、巷で噂になっている連続殺人鬼の魔の手が、翡翠にも迫っていてーー。

一時期話題になっていた作品がKindle Unlimitedの対象になっていたので読んでみました。

今回は少し辛口な感想になってしまいますが、悪しからず。

“霊媒師×ミステリー作家”という設定の使い方は、斬新で面白いと思いました。

「全てが伏線」という謳い文句も、納得はできるかなと。

読みやすいミステリーという感じで万人受けしそうではあるかもしれませんね。

ただ、個人的には全体的にあまり好みではなかったという印象です。

おそらく、翡翠・香月どちらのキャラクターもあまり好きになれなかった点も大きいと思います。

隠さずに言ってしまうと、生理的な気持ち悪さを終始感じながら読みました。

翡翠に対する香月の視点だったり、彼女の容姿や仕草に対する描写なんかが多すぎて、辟易してしまった部分もあります。

恋愛感情というより、性的な目線で見ているような描き方が気持ち悪くて。

翡翠に関してもなんだか中途半端。

・・・とまあ、この辺に関してはラストに持っていくために、あえてそういう描き方をしているのだとは思いますが。

それを察しつつも、終盤まではどこか不快な思いを抱えながらなんとか読んだという感じです。

途中までの気持ち悪さも違和感も、全てはラストのために用意されたものだとは思いますが、結末も予想通りすぎて特に驚きもなく。

おそらく、展開を察してしまった方も多いのではないでしょうか。

途中で気づいてしまうか気づかずに読めるかで、面白さはだいぶ変わってきそうです。

「傑作だ！」と絶賛されている理由は理解できますが、私の琴線に触れる小説ではありませんでした。

とはいえ様々な賞に選ばれている作品なので、高く評価されるだけの理由がある作品だと思います。

実際に読んでみてどう感じたのか？教えていただけると嬉しいです！