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【No.96】ひとりの女性が再び自分の足で歩き出すまでを描いた、心にしみる旅立ちの物語『天国はまだ遠く』瀬尾 まいこ(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『天国はまだ遠く』瀬尾まいこ(著)

心が不安定なときや、日常に疲れたとき。

何度でも読み返したくなるような、心にしみる一冊です。

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本の概要(あらすじ)

「私はたくさんのすてきなものに囲まれている。でも、ここには自分の居場所がない」

 

仕事も人間関係も、何もかもがうまくいかない。

 

人生に限界を感じた千鶴は仕事を辞め、北を目指して列車に乗った。

 

辿り着いた山奥の民宿で睡眠薬を飲み、自殺を図るがあえなく失敗。

 

自殺を諦めた千鶴は、そのまましばらく民宿で過ごすことに。

 

おおらかな村人、のんびりとした大自然、民宿の田村さんの無頓着な優しさ。

 

人生に立ち止まってしまった彼女は、再び自分の足で歩き出すことができるのかーー

3つの特徴

主人公への共感

主人公の千鶴は23歳、営業職。

会社では契約件数が達成できずにヒステリックに怒鳴られたり、書類を書き間違えて散々嫌味を言われたりする毎日。

職場での失敗や日常でのうまくいかない出来事が積み重なって、少しずつ重くなっていく心。

日々のほんのささいなことでもダメージを受けるようになり、心身ともに限界を感じた千鶴は自殺を決意します。

千鶴を見て、「そんなことで?」「たいしたことじゃない」そんなふうに思う人もきっといるのだろうなと思いました。

けれど私は千鶴が自殺を決意するまでの過程にとても共感できました。

心が疲れているときは、日々の本当にささいなことにもダメージを受けるし、身体にも影響する。

いつもストレスで胃が痛み、何ヶ月も微熱が下がらない。耳鳴りと眩暈に悩まされ、疲れているのに眠れない。

そんな毎日が延々と続けば、早く解放されたいと思ってしまうものです。

とはいえ睡眠薬を飲んで目が覚めるまでの過程はさらっと書かれているので、重たい気分にならずに読むことができます。

田村さんの大雑把な優しさ

千鶴が死に場所を求めて辿り着いたのは、山奥にある「民宿たむら」。

宿主の田村さんはいかにもむさ苦しいという言葉が似合う外見をした、大らかというより大雑把な人。

この千鶴と田村さんの距離感がほど良く、大雑把な田村さんの人柄と垣間見える優しさに、千鶴の心は徐々にほどけていきます。

二人のちぐはぐな会話はどこかおかしく、田村さんのてきとうな返事が妙に心地よい。

「結局あれやろ?ミスチルでもビートルズでも、なんや世界平和が大事で、人は人を傷つけるけど、愛することは素晴らしい。ってな感じのことを歌ってるんやろ」

「そればかりではないと思いますけど・・・」

「それ以外のことやったら、いちいち歌わなくてもええやん。ラブアンドピース以外のことが聴きたかったら、吉幾三を聴けばええ。それ以外のことは幾三がみんな歌ってくれとるから」

「どうせあんた死にたかったんやろう?落ちてもええやん」

「でも、おぼれて死ぬのは嫌なんです」

「最近の若い子は、ほんま勝手やな。痩せたいけどケーキは食べたいって言うんと一緒やで」

繊細で気が弱いと自負していた千鶴ですが、田村さんいわく「えらい率直やし、適当にわがままやし、ほんま気楽な人」

そんな千鶴の素顔が民宿での生活を通してだんだんと見えてきます。

自分の居場所

自殺に失敗した千鶴は、そのまましばらく民宿で生活することに。

田村さんに誘われて(半ば強制的に)釣りをしに海へ出たり、鶏小屋を掃除したり、地元の飲み会に参加したり。

自然に囲まれた集落で、少しずつ心を開放していきます。

何にもとらわれずに、生きるためだけのシンプルな毎日を送る生活を羨ましいと感じると同時に、そんな日々に違和感を持ちはじめる千鶴。

私はたくさんのすてきなものに囲まれている。ここにいたい。でも、ここには私の居場所がない。

温かい場所から抜け出すのにはパワーがいる。私だったらずるずると甘えて、考えることを放棄してしまいそうです。

けれど千鶴は現実から目を逸らさず、この場所から旅立つ決意を固めます。

ここで暮らすのは、たぶん違う。ここには私の日常はない。ここにいてはだめなのだ。

私は私の日常をちゃんと作っていかなくちゃいけない。まだ、何かをしなくちゃいけない。もう休むのはおしまいだ。

本の感想

仕事や人間関係に疲れ果てた若い女性が自殺に失敗し、大自然の中でのシンプルな暮らしに癒されていくというストーリー。

 

あらすじだけ見ると重た目の内容なのかな?と思うかもしれませんが、全体的にさらっとしていて爽やかな物語です。

 

私は千鶴と同じように日々の生活に疲れ切っていたときに読んだので、本当に心にしみました。

 

田村さんと千鶴の関わりはとても微笑ましく、けれど安易に恋愛に落ち着かせないところも良かったです。

 

すべてがほどよく、心地よく、ページをめくるたびに肩の力が抜けていく。

 

読後は心が軽くなります。

 

人生に疲れてしまった人に読んでほしい一冊です。

 

2008年には加藤ローサさん・徳井義実さんで映画化もされている作品なので、興味がある方はそちらも見てみてください。

 

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印象に残った言葉(名言)

「食事をすると、自分が生きていることがわかる。生きているのが良いのか悪いのかは別にして、魚や米や味噌、そういう確かなものを食べていると、ここでこうやって存在しているんだなあって感じる」

 

「久秋がいなくなる姿を、不思議なくらい寂しいとは思わなかった。一つのことがゆっくり終わっていくような静かな心地よさを感じた」

 

「こうして見ていると、太陽は黄色でもオレンジでもなく、光そのものなんだということがわかる」

 

「きっと私は自分のいるべき場所からうんと離れてしまったのだ。そう思うと、突然心細くなった。まだ、そんなことに気づかずにいたい。本当のことはわからずにいたい」

 

「今、私はたくさんのすてきなものに囲まれている。でも、寂しかった。すてきなものがいくらたくさんあっても、ここには自分の居場所がない。するべきことがここにはない。だから悲しかった」

 

「大事なものはたくさんあったような気がするのに、今となっては全てが取るに足らないことに思えた。結局、私が必死だった恋愛も仕事も日々の生活も少し離れてしまえば、すんなり手放せるものばかりだった」

 

「私は自然を見ることはできても、それを描き出すことはできない。自然の中に入ることはできても、自然と共に暮らせる人間ではないのだ」

この本の総評

読みやすさ
(5.0)
雰囲気
(5.0)
読後感
(5.0)
癒し
(5.0)
総合評価
(5.0)
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