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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『向日葵の咲かない夏』道尾秀介(著)
「向日葵」「夏」というワードから連想する明るさとは真逆の、歪で薄気味悪い物語。
好みはわかれそうですが、読み始めると止まらないことは間違いなしです。
ネタバレはしないので未読の方も最後まで安心してご覧ください。
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本の概要(あらすじ)
「この世界は、どこかおかしい」
七月二十日、終業式の日。
僕は先生に頼まれ、学校を休んでいたS君の家にプリントを届けに行った。
呼び鈴を鳴らしたが返事はなく、庭へ回ってみると「きい、きいいーーー」とおかしな音が聞こえる。
部屋の中に眼をやると、S君が首を吊って死んでいた。
衝撃も束の間、忽然と姿を消してしまったS君の死体。
そして、一週間後。
S君は“あるもの”に生まれ変わって僕の元へやってきたーー。
3つの特徴
ホラーファンタジー
物語は主人公の“僕”がS君の首吊り死体を見つけるところから始まります。
確かに見たはずなのに、忽然と姿を消してしまったS君の死体。
その後、S君はあるものに姿を変えて“僕”の前に現れます。
「自殺なんてするもんか。僕は殺されたんだ」ときっぱり言い放つS君。
その話を聞いた“僕”と妹のミカは、S君の無念を晴らすために事件を追い始めます。
最初に提示される謎は、S君を殺害した犯人と死体の行方について。
この事件を軸にちょっとダークな夏の冒険ミステリーが始まる……と思いきや。
物語は予想外への方向へと進みます。
どこか奇妙で、何かがおかしい。けれど、その正体がわからない。
ホラーのようにゾクゾクした感じを味わいながら、その正体を知るべく先へ先へと手が伸びます。
陰鬱で歪んだ物語
とにかく暗い。そして薄気味悪い。
この陰鬱で歪な世界が放つ、なんとも暗い魅力に惹きつけられました。
この世界観が苦手な人からするとちょっと読むのがつらいかもしれません。
好きな人は好きだと思うのですが。
雰囲気的にはなんとなく乙一さんの『夏と花火と私の死体』を彷彿とさせました。
ただ、重さも暗さもこちらの方が何倍も上ですが。
個人的には本書はミステリーというより、ホラーやダークファンタジーと言ったほうがしっくりくる気がします。
本格ミステリーだと思って読んでしまうと、納得できない部分もあるかもしれません。
ただ、途中で感じていたいくつもの違和感や謎については終盤できちんと回収されるのでご安心を。
みんな、どこかおかしい
本書に登場する人たちは、みんなどこか奇妙で謎めいています。
大人びすぎている3歳の妹、狂気じみている母親、怪しい担任、謎のお婆さん……
全体的に得体の知れない不気味さが漂っている作品。
最終的には誰が一番常軌を逸していたのかがわかりますが、その理由を知るとなんだか切なくて。
ファンタジーと感じる方もいると思いますが、私は意外とリアルな人間の闇を描いているのかも知れないなと感じました。
本の感想
本書はおそらく好き嫌いがはっきりと分かれるタイプの作品だと思います。
独特な気持ち悪さや陰鬱な雰囲気が終始つきまとうので、総じてダークな世界観が苦手な方には向かないかなと。
ただ、作風的には万人受けはしないものの、読み始めたら最後まで読ませてしまう不思議な力がある作品です。
私はこの暗くて歪な世界観が結構好きで、読了済みの著者の作品の中では一番インパクトがありました。
といっても著者の作品を読み始めたのは最近なので、まだまだ新参者ですが。
これまでに読んだ作品は少し物足りなさを感じていたので、このくらい賛否分かれそうな独特な作品の方が私は好きです。
かなり人を選ぶ作品だとは思いますが、興味がある方はぜひこの夏読んでみてください。
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印象に残った言葉(名言)
「何かをずっと憶えておくというのは大変なことだ。しかし、何かをわざと忘れることに比べると、大したことはない」
「人間、一度こうだと思い込んでしまったら、なかなかその考えを変えることができないからね。そうなってしまうと、これから目の前に、いまの話と矛盾する何かが現れたとき、それに対応することができなくなる。要するに、物事を正確に見ることができなくなってしまう」
「物事が上手くいかないとき、自分の心を誰もわかってくれないと感じたとき、人は、普段では考えられないくらい恐ろしいことをしてしまう」
「僕だけじゃない。誰だって、自分の物語の中にいるじゃないか。自分だけの物語の中に。その物語はいつだって、何かを隠そうとしてるし、何かを忘れようとしてるじゃないか」
「みんな同じなんだ。僕だけじゃない。自分がやったことを、ぜんぶそのまま受け入れて生きていける人なんていない。どこにもいない」
この本の総評
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