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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『ダブル・ジョーカー』柳広司(著)
“D機関シリーズ”第二作目。
一作目をまだ読んでいない方は、こちらからどうぞ↓↓
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本の概要(あらすじ)
「同じカードは二枚も要らない。どちらかがスペアだ」
結城中佐率いるD機関に対抗するべく、新たに設立された<風機関>。
一つの組織にジョーカーは二枚もいらない。
生き残れるのは、先にミッションをクリアした方だけだ。
食うか、食われるか。組織の存続を賭けた戦い。
<躊躇なく殺せ、潔く死ね>という戒律を叩き込まれた風機関が、D機関を潰そうと動き出すがーー。
3つの特徴
5つの物語
前作と同様、こちらも5つの物語からなる連作短編小説です。
<第一話:ダブル・ジョーカー>
D機関に対抗するスパイ組織<風機関>が新たに登場する物語。
D機関と風機関、生き残りをかけたスパイ組織同士の“食うか、食われるか”の戦い。
<第二話:蝿の王>
舞台は戦争真っ只中の野戦病院。
密かに“スパイ狩り”を行うD機関と、逆に罠に掛けようと模索するモスクワのスパイの心理戦。
<第三話:仏印作戦>
仏印ハノイに派遣された通信士が主人公の物語。
詐欺団一味に騙された彼を、影から手助けするD機関のスパイ。
“見えない存在”というスパイの基本を軸にした物語。
<第四話:柩>
ベルリン郊外で起こった、列車事故。
ドイツのヴォルフ大佐は、日本人スパイの遺体から、かつて“魔術師”のコードネームで暗躍していたスパイの匂いを嗅ぎ取り・・・。
結城中佐の過去について明らかになる物語。
<第五話:ブラックバード>
主人公は、アメリカに長期潜入するD機関のスパイ。
<二重経歴(ダブル・カバー)>という新たな手法が用いられる物語。
“とらわれるな”という掟に背いてしまったスパイを待つ、切ない末路とはーー。
新たなスパイ組織
表題作<ダブル・ジョーカー>では、D機関に対抗する新たなスパイ組織が登場します。
それは、風戸陸軍中佐率いる<風機関>。
陸軍内のD機関に対する強い不信感や嫌悪感が追い風となり、新たに出来た諜報機関です。
<死ぬな、殺すな>を行動原理とするD機関とは反対に、
<躊躇なく殺せ、潔く死ね>という精神を徹底している風機関。
同じ組織にスペアは不要。存続できるのはどちらか一方だけ。
生き残りをかけて戦うことになった、風機関とD機関。
“食うか、食われるか”の対決の行方はーー?
結城中佐の過去
今作の一番の見どころは、この作品で唯一の固定キャラクターである、“魔術師”こと結城中佐の過去。
前作では結城中佐について、<かつて優秀なスパイだった?><失くした左手は拷問によるものらしい?>といった憶測でしかなかった部分が、今回明らかになります。
物語は第四話の「柩」。
主人公は結城中佐ではなく、ドイツのヴォルフ大佐。
当時スパイとして暗躍していた結城中佐にまんまと逃げられたことから、いまだに執念を燃やし続けている男です。
とある列車事故をきっかけに、恐るべき嗅覚でかつて自分の右目を奪った男の匂いを嗅ぎとったヴォルフ大佐。
今度こそ結城中佐を捕らえようと巧妙な罠と餌を仕掛けるが・・・?
改めて結城中佐の化け物っぷりに驚かされる物語です。
本の感想
前作同様、バラエティに富んだ内容ですが、今回の方がより推理要素が多かったような気がします。
結城中佐をはじめとする、D機関のスパイたちの淡々とした様子は今作もブレず。
ただ、これまで完璧に任務をこなしてきたスパイたちですが、今作では危うい場面も。
対立機関ができたり、不慮の事故に巻き込まれたり、油断が思わぬミスに繋がったり。
前半は少し単調かな?と感じましたが、四話の「柩」から五話の「ブラックバード」にかけてが特に面白かったです。
この四話から五話にかけてはある重要な繋がりがあるので、どちらも読んでから「そういうことか!」と気づく部分があると思います。
表題作<ダブル・ジョーカー>は、もう少し風機関との駆け引きがあっても良いかなと個人的には思いました。
あんなに息巻いていた風戸中佐が哀れになってしまうくらい、あまりにもあっさりと片付いてしまったので。
今作ではスパイとして暗躍していた結城中佐の過去が明らかになるので、前作を読んだ方はぜひこちらも読んでみてください。
私は続けて三作目の『パラダイス・ロスト』も読んでみようと思います!
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印象に残った言葉(名言)
「生存競争は追う側に有利に働く。それが自然界の法則なのだ。後発の組織が先発のそれを上回るために必要なことは、ただ一つ。“利用できるものは利用し、それ以外は切り捨てる”」
「社会が、このままでいいはずがない。悲惨な現実を、しかしだからこそ俺たちは、自分自身の手で変革しなければいけないんだ」
「誰の手で、いつ、どんな情報が流れたのかさえ把握していれば、情報戦はむしろ有利に進められる」
「生き延びるためにはルールを破れ。頭を使え」
「この世界には狩る者と狩られる者があるだけだ」
「スパイにとっては死がすべての終わりなのだ」
「何物にもとらわれず、自分自身の目で世界を見ること。自分自身の肉体のみを通じて世界を理解すること」
「二重偽装の要点は、暴く側にあくまで自分で見つけたと思わせることだ。人間は自分で組み立てたものを可愛がる」
「結局のところ、二重スパイとは“裏切ること”“出し抜くこと”が自己目的化した連中なのだ」
この本の総評
D機関シリーズ
第一作目『ジョーカー・ゲーム 』⬇︎
【No.125】スパイ養成学校“D機関”の精鋭たちが繰り広げる、命がけの騙し合い!『ジョーカー・ゲーム』柳 広司(著)
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