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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『殺戮にいたる病』我孫子武丸(著)
グロテスクという噂を耳にし、読むのを躊躇していた作品。
何度か手に取り、やめるを繰り返し……
やっぱり気になるので勇気を出して読んでみました。
万人受けとは真逆のような作品なのでおすすめはしませんが、私は意外と大丈夫でした!
グロテスク耐性がある人はミステリとして楽しめると思います。
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本の概要(あらすじ)
「愛という名の不確かな獣を、俺はついに手に入れることができないのだろうか?」
蒲生稔が初めて人を殺したのは、十月のこと。
稔はもうずっと前から、自分が他の人間とは違っていることに気付いていた。
具体的にどう違うのかーーそれが何か分かったのは、最初の殺人を犯してからだ。
真実の愛が、二度となくならない永遠の愛が欲しい。
その切実なる欲望を叶えるため、稔は今日も東京の街で女性を惨殺するーー。
身も凍るような猟奇殺人犯の心理と行動をたどった、衝撃のサイコ・ホラー!
3つの特徴
シンプルな叙述トリック
最初に言ってしまうと、蒲生稔は犯人です。
これ、ネタバレではありません。なぜなら蒲生稔が逮捕されるシーンから物語は始まるからです。
「犯人(蒲生稔)」「母親」「元刑事」の3者の視点を通して、猟奇殺人犯の軌跡をたどっていくという構成ですね。
この過程にいくつもミスリードが散りばめられており、読者はまんまと術中にハマってしまうというわけです。
私は途中なんとなく違和感を抱えつつもその正体が掴めず。
終盤のたった一行で、全てを覆されました。
ネタバレになってしまうので内容には触れませんが、まさかの展開に唖然とした方もいるのでは?
真実が明かされても”スッキリ”というより余計に恐ろしさが増しました。
叙述トリックものが好きな方はぜひ。
グロテスクな描写
サイコ・ホラーということで、かなり残虐な場面が多いです。
終始身の毛もよだつようなおそましさが付き纏うので要注意。
淡々としているのに妙に生々しくて、生理的嫌悪感がすごいです。
特に性的な描写がおぞましくてゾッとしました。
ミステリとしては面白いですが、ストーリー自体は気持ちの良いものではないのでかなり読む人を選びます。
叙述トリック好きな人にはおすすめですが、グロテスク耐性が皆無の人にはあまりおすすめできません。
読み返したくなるミステリ
本書は一度読んでスッキリ!というタイプではなく、もう一度最初から読みたくなるタイプのミステリだと思います。
真相を知らずに読む一度目と、全てを知った上で読む二度目はだいぶ印象も変わってきそうです。
もしかしたら二度目の方がおぞましさが増すかもしれませんが。
自分が感じていた違和感は何だったのか、気づけるポイントはどこにあったのか等を探しながら読むと面白そう。
私は真実が明かされても「あれ?じゃああの場面は一体……?」と疑問に思う部分もあったので、もう一度読み返したくなりました。
ただし、読み返す気力があるかどうかは別問題。
本の感想
我孫子武丸さんの作品を読むのはこれが初めて。
普段あまり本を読まない人でも『かまいたちの夜』と聞いたらピンとくる人もいるかもしれませんね。
私はゲームをほとんどしたことがないので、なんとなくミステリ作家さんというイメージしかありませんでしたが。
ちなみに私が今回読んだのは【新装版】です。
読む前に躊躇していたグロテスクという部分に関しては、私は意外と大丈夫でした。
いろんな本を読んできたので耐性が少しばかりあるというのと、私の苦手な拷問系ではなかったからだと思われます。
(生きたまま皮を剥ぐ系は苦手です)
犯人がネクロフィリアだったのが個人的には幸いしました。
もしあの行為を生きたまま行っていたら……と想像すると卒倒してしまいそうなので。
犯人の異常な心理と行動に目が行きがちですが、それ故に緻密に散りばめられたヒントに気づかず。
最後に「騙された!」となった人も多いのではないでしょうか。
私は違和感の正体を色々考えながら読みましたが、いかに「先入観」を捨て切れていなかったかということを痛感しました。
悔しくも、著者の巧妙な罠にハマってしまったわけです。
犯人の視点だけでなく、「母親」と「元刑事」の3者視点になっているのも上手いなと思いました。
犯人目線だけなら気づけた部分もありそうですが、そこで違う人間の視点が入ることによってより複雑化しているというか。
個人的には犯人だけでなく、この母親の行動も狂気じみていて怖かったです。
全体的には読み応えはあるものの、なかなか読むまでのハードルが高いのかなと思う一冊。
今ならKindle Unlimitedで読めるので、覚悟ができた人は読んでみてください。
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印象に残った言葉(名言)
「愛しあうのは、人間だけにーー高度に文明化された人間だけに許された行為だ」
「生きるに値しない世界で、生きるに値しない人間が生き延びている。ジョークだった。この世はすべて、笑えないジョークでできているのだと彼は思った」
「殺しても殺しても死なない女がいればいいのに。そうすれば何度も何度も愛しあうことができるのに」
この本の総評
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