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自分の信じる「現実」が大きく揺さぶられる短編&エッセイ集『信仰』村田沙耶香(著)

こんにちは、ぽっぽです。

231冊目はこちら↓

『信仰』村田沙耶香(著)

海外からのオファーを受けて描かれた作品も含む、短編&エッセイ集。

自分の信じている「現実」が揺るがされる表題作から、うまく現実を生きられない人たちの心に響くエッセイまで。

それぞれのテーマに沿って描かれた作品たちは、どれも不思議な魅力で溢れているので、ぜひ読んでみてください。

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本の概要(あらすじ)

「なあ、永岡、俺と、新しくカルト始めない?」

「原価いくら?」という言葉がなによりも好きな私。

これまでずっと、現実こそが真実だと思って生きてきた。

しかし、久々に再会した石毛という男から、カルト商法を始めないかと誘われてーー。(表題作)

この本を推したい人

本書はこんな人たちに推したい本です↓

  • 強烈なインパクトのある物語を読みたい方
  • 価値観を揺さぶられたい方
  • 生きづらさを抱えている方

本の感想

『コンビニ人間』以来、久しぶりに読んだ村田沙耶香さんの作品。

どれもゾワっとするような危うさが見え隠れし、自分の信じている世界が揺らいでいく感覚を味わえる内容ばかりでした。

信じること、多様性、家族の形など。

私たちが生きているこの世界を、いつもと違う切り口で見てみたい人、必読です。

8つのテーマ

内容はそれぞれ異なりますが、どの物語もある“テーマ”に沿って描かれています。

シャーリー・ジャクスン賞(米国の文学賞)にもノミネートされた、表題作の「信仰」は、タイトル通り“信じること”について。

生存率が数値化された世界を描いた「生存」は、「地球温暖化と社会的な不平等の相互関係」というテーマで書き下ろされたそうです。

非現実的な内容かと思いきや、“不平等な生存率”というのは、現実世界にも通じる話なのかもしれないなと思いました。

そして、著者が子どもの頃に描いた小説を土台にして新たに描かれた「書かなかった小説」

(以下あらすじ)

「だいたいルンバと同じくらいの便利さ」

という友達の強い勧めによって購入した、自分のクローン4体。

自分自身を夏子Aとし、クローンたちは夏子B、C、D、Eと呼ぶことにした。

それぞれに仕事、家事、出産などの役割分担を決め、始まった5人の夏子の共同生活の行方はーー?

自分のクローンとの共同生活(しかも4体も!)という設定が既に興味深いですが、力関係の変化や愛情の芽生えなど、物語は意外な方向へと進みます。

他にも、歳時記をテーマにした「土脉潤起」や、「松方幸次郎とカール・エルンスト・アスとハウスの架空の出会い」をテーマ依頼を受けた「最後の展覧会」など。

バラエティに富んだ8つの短編とエッセイが収録されています。

今回はその中から二作品を取り上げて、感想をまとめました。

「信仰」

あらすじ

「お姉ちゃんの『現実』って、ほとんどカルトだよね」

「現実」を何よりも愛する私は、同級生の石毛から、カルト商法に誘われた。

どうやら彼は、同じく同級生だった斉川さんを教祖に仕立て上げ、悪巧みを考えているようだ。

斉川さんは大学卒業後、マルチにはまって浄水器を知り合いに売っていたらしい。

一方、私の友人たちはそんな彼らを馬鹿にしながらも、最近流行りの何十万もする高級食器に夢中になっていた。

斉川さんの浄水器と、みんながハマっている縄文土器にしか見えない食器は、一体何が違うのだろう。

そして、会う人会う人を「現実」へ「勧誘」してきた私はーー。

信じることの危うさ

私は昔、とある宗教に勧誘されたことがある。

本書を読んで、ふとあの日の彼女の瞳を思い出しました。

興奮で頬を赤らめながら、いかにその宗教が素晴らしいかについて、生き生きと語る彼女。

信仰し始めてから良いことばかり起きるのだと話す彼女の瞳は、とても真っ直ぐで。

私はあの日、生まれて初めて「信仰心」というものを目の当たりにしたのだと思います。

一体なぜ、これほどまでに“何か”を信じることができるのか。

それが全くわからない私は、何か大切なものが欠落しているのではないか。

彼女の信仰心に触れたことで、私は自分の心にぽっかりと空いた穴を、このときはっきりと自覚したような気がしました。

これまで自分には無関係とさえ思っていた、「信仰」という言葉。

それが急に現実味を帯びて心の中に入り込み、不穏な気配を漂わせ始めたのは、表題作を読んでからです。

何も信じることができないと思っていた自分は、どうやら主人公と同じように「現実」を信仰しているようだ。

そしてそれは、宗教を信仰する彼女や、ブランドバックや高級アクセサリーに幻想を抱いている友人たちと、何も変わらないのかもしれない。

そんなことを考えると、なんだかホッとするような、ゾッとするような。複雑な気持ちがしました。

これまで自分を現実主義者だと思っていましたが、もしかしたら私も「現実」に洗脳されているだけなのかも。

だからこそ、「騙されたい」と言った主人公の気持ちが、私にはわかるような気がしました。

「私には石ころはただの石ころにしか見えないし、プラスチックはただのプラスチックにしか感じられない。でも、みんな、原価じゃない、目には見えないものにお金を払ってる。そのことを愛してる。目に見えない幻想を共有してる。わたしもそっちにいきたい」

「彼らの惑星へ帰っていくこと」

あらすじ

私が「イマジナリー宇宙人」と出会ったのは、8歳の頃だった。

その頃の私は、異物になることを恐れ、誰よりも平凡な地球人として振る舞うことで自分を守っていた。

そんな傷だらけの私の心を救ってくれたのが、イマジナリー宇宙人のAさんだった。

そして大人になった私は、思ったよりずっとたくさんの子どもや大人が、目に見えない宇宙人に命を支えられていることを知ったーー。

私にとってのイマジナリー宇宙人

子どもの頃に、見えない友達がいた。

という話は、これまで何度か耳にしたことがあります。

「イマジナリー宇宙人」も、いわばこの見えない友達と同義なのかもしれません。

私はこれまで、見えない友達にもイマジナリー宇宙人にも、一度も出会ったことはない。

そのため、そういう存在がいる人たちのことを、なんだか羨ましく感じてしまうのです。

けれどこの話を読んで、著者にとってのAさんに代わる存在が、私にも確かにあることに気づきました。

私にとってのイマジナリー宇宙人。

それは、「物語」でした。

傷ついた心を癒す場所、辛い現実から逃げ出せる場所。

私にとって、それはまさに“物語の世界”だったのです。

空想上の友達の代わりに、私はいつだって本を抱えて、自由に物語の世界を行き来することができました。

私には見えない友達も、イマジナリー宇宙人もいなかったけれど。

でも、私のそばにはずっと、物語があった。

そして大人になった今でも私が物語と共に生きているように、実はたくさんの人たちが、見えない存在に支えられて生きているのかもしれません。

当時は物語の世界に没入することを、心が弱い自分の現実逃避だと思っていたけれど。

こちらの世界で「現実」に支配されている私は、物語の世界に帰ることで、心を回復させてきたのかもしれません。

著者がイマジナリー宇宙人との時間からたくさんの経験を得たように。

物語の世界で過ごした時間が、私の人生を豊かにしてくれているのだと思いました。

まとめ

様々なテーマで描かれた短編が詰まっていますが、やはり一番強烈でインパクトがあるのは表題作「信仰」だと思います。

私たちはみんな、目に見えない何かにお金を払い、それを糧にして生きている。

そしてそれは、一体カルトと何が違うのだろうか?

そんなことを問いかけられ、自分が信じる「現実」が、とても不安定なものに思えてきました。

今回詳細には触れませんでしたが、不思議な世界観を描いた「最後の展覧会」や、人工授精で友達三人との子どもを産む決断をした女性の物語「土脉潤起」も興味深かったです。

そして、多様性について描かれたエッセイ「気持ちよさという罪」。

これは全人類に読んで欲しい!と思うくらい、誠実な言葉で溢れていました。

著者を見習って、わからないながらも自分なりに「多様性」という言葉と向き合ってみようと思えた作品です。

特にエッセイは「生きづらさ」を抱えている人の心に響くと思うので、ぜひ読んでみてください。

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次に読んで欲しい一冊

『星の子』今村夏子(著)

本書と合わせておすすめしたいのは、今村夏子さんのこちらの一冊。

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(以下あらすじ)

「・・・この場所はね、一時間に二十個の流れ星が肉眼で見えるっていわれてるのよ」

 

生まれたときから病弱だったちひろ。

 

娘を心から愛する両親は、ちひろを救いたい一心で、あやしい宗教にのめり込んでいく。

 

小さい頃はそんな両親を無条件に受け入れていたが、成長するにつれて疑問を感じはじめるちひろ。

 

愛にあふれた幸せな家族のかたちは、少しずつ歪んでいき……。

 

あなたは大切な人が信じるものを、信じることができますか?

二冊のつながり

「信仰」で描かれていた“信じることの切実さや危うさ”というテーマを、家族という視点でさらに踏み込んで描いているのが「星の子」です。

例えば、知り合いが宗教にのめり込んでいるとして。

自分にとって遠い存在であればあるほど、無関心でいることは難しくないと思います。

その人のことを理解できなかったとしても、否定したり干渉したりせずに、ただ距離をおけばいい。

でも、もしそれ自分にとって大切な人だったら?

そうなると、話は変わってきますよね。

大切な人が信じるものを、信じたい。でもそれは容易なことではない。

「星の子」では、子どもの視点でこの信じることの難しさが描かれているのです。

「信仰」を読んで価値観を揺さぶられた“信じること”について、さらに深い視点で考えてみることができるのが「星の子」だと思います。

ぜひ本書を読み終えた後は、こちらの作品も読んでみてください。

こちらもクリック

【No.102】宗教にのめり込む家族の愛と崩壊を描いた物語『星の子』 今村 夏子(著)
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印象に残った言葉

「斉川さんの浄水器と、みんなが何十万もぽんぽん払うロンババロンティックと、一体何が違うんだろう。浄水器は詐欺で、ロンババロンティックは「本物」。私はよくわからなくなっていた」

 

「『現実』って、もっと夢みたいなものを含んでるんじゃないかな。夢とか、幻想とか、そういうものに払うお金がまったくなくなったら、人生の楽しみがまったくなくなっちゃうじゃない?」

 

「ありがとう。私の大切な幻想をまったく尊重せず、片っ端からぶち壊してくれて本当にありがとう。これから私はエステに行っても、ネイルに行っても、ホテルで食事をしていても、いつもあなたの押し付けてきた『現実』が頭にうかぶ人生を送るわ。それが私の本当に幸せな人生だと思ってくれているなら、本当にありがとう」

 

「現実こそ、あなたの洗脳です。それこそがあなたが一生を共にする美しく完全な幻覚なのです。それがあなたの宿命なのです。これが、あなたの心のタトゥーです」

 

「異物になってはいけない。私は周りの子供の真似をし、できるだけ普通の子供であるよう、目立たないように必死に振る舞った。学校は恐ろしい場所だった。異物はすぐに発見され、集団から迫害され、嘲笑の対象になった」

 

「現実逃避だと言われ、笑われ、もしも「治され」てしまい、イマジナリー宇宙人たちを失ってしまったら、私は死ぬのだった。心を回復する唯一の場所を壊されたら、人間は死ぬ。だから誰にも言わなかった。生き延びるために」

 

「当時の私は、「個性」とは、「大人たちにとって気持ちがいい、想像がつく範囲の、ちょうどいい、素敵な特徴を見せてください!」という意味の言葉なのだな、と思った」

 

「「自分にとって気持ちがいい多様性」が怖い。「自分にとって気持ちが悪い多様性」が何なのか、ちゃんと自分の中で克明に言語化されて辿り着くまで、その言葉を使って快楽に浸るのが怖い。そして、自分にとって都合が悪く、絶望的に気持ちが悪い「多様性」のこともきちんと考えられるようになるまで、その言葉を使う権利は自分にはない、とどこかで思っている」

 

「笑われて、キャラクター化されて、ラベリングされること。奇妙な人を奇妙なまま愛し、多様性を認めること。この二つは、ものすごく相反することのはずなのに、馬鹿な私には区別がつかないときがあった」

 

「これは安全な場所から異物をキャラクター化して安心するという形の、受容に見せかけたラベリングであり、排除なのだ、と気がついた。そして、自分がそれを多様性と勘違いをして広めたことにも」

 

「どうか、もっと私がついていけないくらい、私があまりの気持ち悪さに吐き気を催すくらい、世界の多様化が進んでいきますように」

この本の総評

読みやすさ
(5.0)
共感
(4.0)
個性
(5.0)
読後感
(4.0)
総合評価
(4.5)

 

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