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【No.149】“介護”をテーマにある家族を描いた、芥川賞受賞作品『スクラップ・アンド・ビルド』 羽田 圭介(著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『スクラップ・アンド・ビルド』羽田 圭介(著)

“介護”をテーマにとある家族を描いた、第153回芥川賞受賞作品。

淡々と小気味良く進んでいくので、重たすぎずにサクサク読めます!

「早く死にたい」とぼやく祖父を前に、孫は何を決意したのか!?

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本の概要(あらすじ)

「究極な自発的尊厳死を追い求める老人の手助けが、素人の自分にできるだろうか」

 

毎日のように「早う死にたか」とぼやく祖父と同居をしている、孫の健斗。

 

そんな祖父の願いを叶えてやろうと、ある計画を思いつく。

 

肉体を鍛え、精神を鍛え、その計画を実行するべく己の生活を再構築していくが・・・?

 

これまでにない家族を描いた、芥川賞受賞作。

3つの特徴

孫の計画

主人公は転職活動中の健斗、28歳。

母と共に88歳の祖父の介護をしながら、実家で生活をしています。

ことあるごとに「じいちゃんなんか、早う死んだらよか」とぼやく祖父。

主人公は祖父のその言葉を<周囲の気を引くため>だと思っていましたが、あることに思い至ります。

それは、<本当に死にたいと思っているのではないか>ということです。

祖父の「死にたい」は言葉どおりの意味で、それを叶えてあげることこそが本当の優しさなのではないか?と。

そして彼は、“苦痛も恐怖心もない穏やかな死”を祖父に与えるために行動を起こします。

極端ではあるけれど、理解できなくはない発想ですよね。

介護のリアル

介護というと重たい内容に感じるかもしれませんが、どんより重たい雰囲気ではありません。

終始殺伐としてはいるのですが、主人公の低俗さや滑稽さがどこか小気味良い雰囲気にしていました。

現実に介護問題に悩んでいる方は、共感できる部分があるのではないかと思います。

考えさせられる部分もたくさんあって、正解がない問題に頭を悶々と悩ませました。

手厚い介護は素晴らしく思えるが、本当に当人のためになっているのか?

手を差し伸べることだけが、本当の優しさなのか?

「甘すぎる子育てはその子のためにならない」というのはよく聞きますが、介護に関しても同じことが言えるのかもしれません。

使わない機能はあっという間に衰える。過剰な足し算の介護は、頭や身体を弱らせていくだけ。

もしかしたら我慢して見守る介護の方が、本人のためになることもあるのかもしれません。

ただ、その方が手を差し伸べるよりも忍耐が伴うというのも事実ですよね。

手をさしのべず根気強く見守る介護は、手をさしのべる介護よりよほど消耗する。

私はそもそも介護は家族がするものという考え方も好きではないので、<親の介護をしない>という選択肢もある世の中になってくれるといいなと思ってしまいました。

若い世代の負担は、この先も増える一方ですね・・・。

唐突なラスト

祖父はこの先どうなるのだろうか?と考えながら読んでいたので、

突然のラストに「えっ、これで終わり?」としばらく唖然としていました。

読んでいる最中は、あくまで「祖父の願いを叶える計画」を実行することがゴールだと思っていたので。

ただ、今振り返ってみると、著者が焦点を当てているのは別の部分(主人公の成長)なのかなという気がしてきました。

だとするとこのラストは理解できますが、正直物足りない感は否めません。

起承転結でいうと、“結”の部分が少し弱いのかなと思いました。

ここは賛否が分かれるところかもしれませんね。

芥川賞受賞作ですが、全体的に短く読みやすい物語です!

本の感想

芥川賞作家・羽田圭介さんの作品ですが、読むのは本書が初めて。

 

ページ数はそう多くはないので、サラッと読めてしまいました。

 

内容云々の前にまず驚いたのが、主人公とその母親の口の悪さ。

 

たまたまそういう設定なのかもしれませんが、あまりに言葉遣いが悪すぎて少し引いてしまいました。

 

ある意味リアルといえばリアルなんですけどね。

 

本作の面白いところは、二通りの見方ができる点かなと思いました。

 

純粋に読めば<孫が祖父の願いを叶えるために己を鍛錬する>という図式ですが、

 

<実は祖父が孫を掌で転がしている>という図式も隠されているようないないような。

 

私にはあのお爺ちゃんがどうしてもただの弱々しい老人とは思えなかったので(笑)

 

そう考えると、タイトルの“スクラップ”の対象は祖父ではなく、(過去の)主人公自身のことを指しているのかもしれませんね。

 

「介護」をテーマにしつつ、実は主人公の成長物語なのではないかと個人的には思いました。

 

考えさせられることの多い作品でしたが、品のない文章があまり好みではなかったというのが正直な感想です。

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印象に残った言葉(名言)

「ただ漠然と時間をやり過ごさなければならないのは、生き地獄そのものだと健斗は思った」

 

「死にたい、というぼやきを、言葉どおりに理解する真摯な態度が欠けていた」

 

「公共交通網が充実し車なしでも生活できる東京で、家電製品も満足に使いこなせない彼ら彼女らは、車体にもみじマークもつけず自らの手でハンドルを操ることに執着するのだ」

 

「プロの過剰な足し算介護を目の当たりにした。健斗は不愉快さを覚える。被介護者への優しさに見えるその介護も、おぼつかない足どりでうろつく年寄りに仕事の邪魔をされないための、転倒されて責任追求されるリスクを減らすための行為であることは明らかだ」

 

「苦しみに耐え抜いた先にも死しか待っていない人たちの切る願いを健康な者たちは理解しようとせず、苦しくてもそれでも生き続けるほうがいいなどと、人生の先輩に対し紋切り型のセリフを言うしか脳がない」

 

「あらゆることが不安だ。しかし少なくとも今の自分には、昼も夜もない白い地獄の中で闘い続ける力が備わっている。先人が、それを教えてくれた。どちらにふりきることもできない辛い状況の中でも、闘い続けるしかないのだ」

この本の総評

読みやすさ
(4.0)
雰囲気
(3.0)
文章
(2.0)
読後感
(3.0)
総合評価
(3.0)

 

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