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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『レモンタルト』長野まゆみ(著)
初めましての作家さん。
表紙とのギャップに驚きつつも、独特の雰囲気と艶やかな文章に魅了されました。
義兄への恋心と日常で起こる不思議な出来事を描いた、甘酸っぱくてミステリアスな作品です。
本書をきっかけに、他の作品も読んでみたくなりました。
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本の概要(あらすじ)
「もう、ずっと前から義兄のことが好きだった」
若くして姉を亡くした弟の私は、姉の夫だった義兄と二人で遺された一軒家に暮らしている。
会社では雑用係を装いつつ裏では役員たちから依頼される秘密業務にあたり、奇妙な事件に巻き込まれてばかり。
日々募ってゆく義兄への恋心と、姉への思慕。
切ない恋の行方と謎を描いた、ビタースウィートでミステリアスな連作短編集。
3つの特徴
独特な雰囲気
リアルとファンタジーが織り交ぜられたような、どこか幻想的で不思議な世界観の作品。
純文学、SF小説、児童文学など幅広いジャンルを手がけている著者ですが、どの作品でも独特かつ多彩な世界観が特徴的なようです。
独特の雰囲気を醸し出しているので、江國香織さんや小川洋子さんの作品のような「雰囲気がある小説」が好きな方におすすめ。
好みは分かれるかもしれませんが、この世界観が好きな方はグッと引き込まれてしまうと思います。
著者の小説は初めて読みましたが、読んですぐにその独特な気配を感じとれるくらい確固たる世界観が築かれていて。
こういう雰囲気の小説は大好物なので、すっかり魅了されてしまいました。
耽美な文章
直接的な表現は一切ないのに、どこか妖艶で怪しげな雰囲気を漂わせる文章が印象的な作品。
官能的というのともまた違いますが、大人っぽくて艶やかな文章だと思いました。
独特な比喩や言い回しが多く、スッと頭に入ってくるというよりは、頭がふわふわと酔う感じ。
簡潔でわかりやすい文章も好きですが、こういう掴みどころのない文章も好きです。
物語の序盤から脈絡のない展開が多々あって頭が追いつかない部分もありましたが、
この雰囲気と文章のおかげが不思議と読みづらさは感じませんでした。
本書は主人公の恋愛を描いていますが、直接的な心理描写はほぼありません。
義兄への想いを直接的な言葉にしたのは、わずか一行だけ。
にも関わらず、あちらこちらで淡くて確かな恋心が滲み出ているんですよね。
ミステリー要素
本書は日常で起こる不思議な出来事を描いたミステリー小説的側面もあります。
各話で何かしらのミステリー要素が出てきますが、どこか曖昧な感じがするところが逆にしっくりきました。
冷静に考えるとツッコミどころ満載な気もしますが、だいたいのことは不思議とすんなり受け入れてしまいます。
けっこう突拍子もない展開もありますが、それにしても主人公の境遇が理不尽すぎて。
主人公の扱いに関しては目を背けたくなる場面がちらほらありました。(特に最後の方はさすがに引いてしまいました)
それでいてやたらめったらモテているので、同性を惹きつける魔性の魅力でもあるのでしょうか。
毎回何かしらの出来事に巻き込まれて窮地に陥る主人公ですが、いつでも義兄が颯爽と現れて助けてくれるのはお約束。
核心には触れていませんでしたが、義兄は主人公をどう思っているのでしょうか。
主人公の気持ちを知りつつ付かず離れずの距離を保ち、それでいて困っているときにはサラッと助けてくれる。
常に余裕たっぷりで飄々としている義兄ですが、その真意も気になるところです。
本の感想
可愛らしいタイトルと表紙からは想像できない内容で、まずはそのギャップに驚かされました。
読み始めてすぐに感じたのは、独特の不気味さ。
最初はスラスラとはいきませんでしたが、しっとりと暗くてどこか艶かしい雰囲気に一気に引き込まれてしまいました。
直接的な表現よりは抽象的な表現が多く、それがまた独特な雰囲気を醸し出していて。
”雰囲気がある作品”とはまさにこのことかなと思いました。
内容云々というよりはこの独特な雰囲気と文章が魅力的だなと。
本書は「同性愛」を描いた作品ではありますが、だからと言って特別何かが違うかと言われたらそんなこともないのかなと思いました。
個人的には異性だろうが同性だろうが気にしないのですが、もし気になる方でも本書なら読めるのではないでしょうか。
直接的な表現はありませんし、恋愛を全面に押し出しているわけでもないので。
気になった方はぜひ。
終始淡々とした物語ですが、読後の余韻がすごくて。ふとしたときにまた手に取りたくなる気がします。
読むたびに味わい深くなってゆくタイプの作品なのかもしれません。
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この本の総評
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