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こんにちは、ぽっぽです。
今日の一冊はこちら↓
『女子大生会計士の事件簿〈DX.1〉ベンチャーの王子様』 山田真哉(著)
女子大生会計士の事件簿シリーズはほとんど読んだ事がありますが、Amazon Kindleで無料だったので、また読んでみました。
やっぱりおもしろい!
経済や会計の本というと小難しくて重たいイメージがありますが、そんなイメージを払拭してくれる小説です。
本の概要(あらすじ)
「えっ、私?私はただのかわいい女子大生よ」
女子大生公認会計士・萌実と、新米会計士補・柿本が、監査先で出くわす様々な謎。
”株と法律と恋愛相談事件” ”かぐや姫を追いかけて事件” ”ベンチャーの王子様事件”・・・
天真爛漫な萌実に振り回されながらも、萌実とともに事件解明に奔走する柿本。
小説として楽しみながら、会計の知識も身につく、会計ミステリー小説!
3つの特徴
”難しい✖︎つまらない” から ”楽しい✖︎おもしろい”へ
最近では、わりと読みやすくておもしろいビジネス書も増えていますが、まだまだ難しくてつまらないという印象がありませんか?
著者は、そんな経済小説界に新しい風を吹かせるために、本書を書いたそうです。
もしかしたら、“明るくて”“さわやかで”“微笑ましい”経済小説があってもいいのではないか。そんな思いもあって書いた小説が、本書『女子大生会計士の事件簿』です。
本書を読むと、著者が伝えたいことがとてもよくわかります。
気軽に読めて、楽しくて、おもしろい。そして、読むと明るい気持ちになる。
”こんな仕事もおもしろそう” ”こんな人たちと働きたい” ”明日からまた頑張ろう”
そんなふうに仕事や社会に対して前向きな気持ちになれるような小説です。
ユニークな設定とバラエティ豊かな謎
藤原萌実:史上最年少で公認会計士二次試験に合格し、女子大生でありながら公認会計士として働く。天真爛漫。趣味は合コン。
柿本一麻:7年目にしてようやく公認会計士二次試験に合格し、会計士補として萌実とともに働く。あだ名は「カッキー」
この二人を中心とした、会計監査を舞台に描かれる物語。
萌実とカッキーが監査先で出くわすあらゆる事件や不正を、会計の知識を使って解決していきます。
”裏金” ”粉飾会計” ”クーポン詐欺” など、バラエティ豊かな謎に富んでいて、様々な視点から会計の世界を見る事ができます。
それぞれの事件につき30ページほどで、知識があってもなくても楽しめる、ほどよいバランスです。
萌実が監査先で、偉いおじさん達にもズバズバと切り込んで事件を解決する姿は、みていてスカッとしました。
専門知識が登場し、読者が「どういうこと?」と首を傾げる絶妙なタイミングで、カッキーが萌実に質問してくれるので、読者と萌実の橋渡し的な役割をしてくれます。
知識ゼロでも楽しく学べる
私がはじめてこのシリーズを読んだのは、大学生の時です。
簿記や会計の知識ゼロの状態で読んだのですが、それでも楽しく読めました。
専門的な知識ももちろん出てくるのですが、ていねいな注釈がついていますし、会計トリックを使った軽いミステリー小説として読んでいた気がします。
簿記の知識と経験がついてからまた読んでみると、前回よりもさらに楽しく読めました。
知識がなくても楽しく読めるように工夫されているのがよくわかります。
簿記3級くらいの知識があればスラスラ読めますし、実務経験があればほぼ内容を把握できると思います。
”フィクション”と”ノンフィクション”の中間らしいですが、「わかるわかる!」と頷いてしまう部分もたくさんありました。
本書をきっかけに、簿記や会計、経済について学びたくなる人もいるのではないでしょうか。
専門書などで勉強をはじめる前に、本書を読むのもおすすめです。
最初に簿記や会計についての明るく楽しい部分を知ることによって、抵抗が軽減されると思います。
本の感想
久しぶりに本書を読みましたが、前回読んだときにさらっと流してしまった部分も、今回はよく理解できました。
会計の全てを網羅しているわけではありませんが、専門書にはない会計の良い部分を切り取ってくれている貴重な作品です。
会計って難しいけどやっぱりおもしろいな、と改めて思わせてくれた一冊。
2002年に単行本が出版され、2003年からは「ビジネスジャンプ(集英社)」でコミック「公認会計士 萌ちゃん」として連載がはじまり、文庫化にまで至ったそうです。
10年以上も前の作品なので、既にたくさんの人に読まれているとは思いますが、もしまだ読んだ事がない人がいたら、ぜひ読んでみてください!
印象に残った言葉(名言)
「私たちは経済の世界に一つしかない鏡なの。企業の良い所も悪い所もそのまま映し出す真実の鏡。」
「警察が悪を見逃せば治安は滅び、政治家が利権と結びつけば政治は滅び、会計士が不正を許せば経済は滅びるのよ」
「見通しを誤るのは仕方のないことだわ。だって未来のことなんて誰にもわからないんだから。でもね、間違っていたと気が付いたときに修正できるかどうかが<運命の分かれ目>なのよ。間違ったまま見過ごしてしまうと、取り返しがつかないことになってしまうんだから」
この本の総評
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