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【No.123】教師と生徒の関係を、ゾッとするほど鋭く描いた物語『パッとしない子』辻村深月 (著)

こんにちは、ぽっぽです。

今日の一冊はこちら↓

『パッとしない子』辻村深月(著)

Kindle限定版の小説。

教師とはどう在るべきなのか?を読者に問う、短いながらも内容の濃い作品。

生徒の立場、先生の立場。どちらの目線で読むかで、感じ方が変わる内容だと思います。

20分ほどで読めるので、ぜひ読んでみてください。

特に教師の方に読んでほしい内容です

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本の概要(あらすじ)

「金輪際、ぼくをもう、見ないでください」

 

とある小学校の図工教師、松尾美穂は高揚感を抑えきれずにいた。

 

かつての教え子であり、人気アイドルグループの高輪佑(たすく)が、テレビ番組の取材で母校を訪れるのだ。

 

同僚の教師や、佑の大ファンである娘からも羨ましがられる美穂。

 

彼女の記憶にある佑は<地味でパッとしない子>だったが、今では誰もが知る国民的アイドルだ。

 

撮影を終え、爽やかな笑顔で美穂の前に現れた佑は、意外にも彼女に話したいことがあると切り出し・・・

※ここからは本編の内容に触れるので、未読の方はご注意ください。

3つの特徴

生徒と教師

生徒と教師の関係を、スリリングに描いた作品。

10年以上前に、佑の弟・晴也のクラスの担任をしていた松尾先生。

担任ではなかったが、佑にも図工の授業をしていたこともあり、佑ファンの娘からは<ママ、たすくんに絵を教えてたなんて“神だね”>と尊敬されている。

同僚たちからも羨ましがられ、その度に当時の思い出とともに佑の印象を語る松尾先生。

そんな佑が母校に訪れることになり、元教え子との感動の再会・・・

と、思いきや

前半部分の和やかな雰囲気から一転、物語は予想外の方向へ。

「後味が悪い」という感想も多いほど、ゾッとするような展開が待っています。

噛み合わない記憶

佑に声を掛けられ、二人きりで話をすることになった美穂。

お礼を言われるのでは?と期待していた美穂だったが、佑の口から出たのは思いがけない言葉。

「ぼくのことを、当時はパッとしない子だったって、あちこちで言ってるって本当ですか?」

思わず絶句する美穂に吐き出されるのは、予想外の言葉ばかり。

極めつけは、彼女がいろんな人に繰り返し自慢してきた、とある話。

それを佑に勘違いだと否定されたのだ。

物語が進むにつれ、佑の痛烈な言葉に込められた怒りの理由が、明らかになっていきます。

先生と佑、どちらの話が本当なのかが分からないからこそ、いろんな考え方ができるね。

両方の立場

先生と生徒、どちらの側にも立てるような描き方をしているのが、さすが辻村さんだなと思いました。

これがいわゆる<最低な教師VS教え子>という構図だったら、ここまで考えさせられる内容にはなっていなかったと思います。

佑の気持ちに共感できる人もいれば、先生に同情する人もいるでしょう。

どっちの意見があってもおかしくないような、絶妙なバランスを保っている内容です。

どちらの視点に立つかで、こんなにも感じ方が違うものなのだと改めて思いました。

辻村さんの他の作品とはだいぶ雰囲気が異なりますが、まだの方はぜひこの作品も読んでみてくださいね。

読み終えたあとに、いろんな人と感想を語りたくなる作品です!

本の感想

攻める側である佑、攻められる側である先生。

 

どちらに視点を置くかで、痛快な物語にも後味の悪い物語にもなる深い作品でした。

 

いろんな方の感想を見てみましたが、意外にも先生側に肩入れしている人が多いように感じました。

 

大人は先生の大変さや辛さも想像できるので、そちらに気持ちが動いてしまうのかもしれませんね。

 

私は先生と生徒、どちらの立場でも考えてみましたが、正直どちらの気持ちもわかります。

 

その上で、あえてどちらの肩を持つかと訊かれたら、佑です。

 

教育者は常に平等でなければならない、正しくなければならない、と思っているわけではありません。

 

すべての生徒を平等に扱うのは難しいでしょうし、失敗することも間違えることもあるでしょう。

 

無意識に子どもを傷つけてしまうこともあると思います。

 

でもそれを「よくあることだ」「いつまでも根に持つな」というのは、酷だと思います。

 

子どもは大人の何気ない言葉に傷つき、その傷が大人になっても癒えないこともあります。

 

その子がどれだけ傷ついたのかは、その子にしかわかりません。

 

佑が先生に向けた強烈な言葉を言い過ぎだと思う人もいるかもしれませんが、彼が負った傷の深さを物語っていると私は思いました。

 

誰も傷つけない、みんなから好かれるなんてことは、確かに現実的ではありません。

 

でも、それを傷つけた側が言い訳として使うのは、少しずるいと思ってしまいます。

 

無意識だったから、悪意がなかったから、先生だって人間なんだから、仕方ない。

 

それですべてを正当化されてしまったら、傷つけられた子どもの気持ちはどうなるのでしょうか?

 

傷ついた人に対して「受け取る側の問題だ」と言う人もいますが、私はそうは思いません。

 

先生にとってはたくさんの生徒のうちの一人でも、生徒にとって一人の教師の存在はとても大きいです。

 

大人はもっと、自分が子どもに与える影響力の大きさを自覚しなければいけないなと思いました。

 

自分の何気ない言動が他人に深い傷を残すこともあるのだということを、痛烈に教えてくれる作品です。

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印象に残った言葉(名言)

「先生も性格悪いってお墨付きをくれたわけだから、あの子は本当に外されても仕方ないんだって、その子を軽んじる空気がそれで一気に加速した」

 

「教室の狭い世界の中では、担任の先生の言葉がどんな影響力を持つかくらいわかるでしょ?」

 

「世の中には、尊敬しなくてもいい大人もいるんだ、と。佐藤先生は、ぼくにそれを教えてくれた、初めての人です」

 

「正直、ご自分をものすごい正当化されていると感じます」

 

「人の言葉をいちいち覚えていて、勝手に傷つくのはやめてほしい。こっちはそんなに深く考えていないのに、繊細すぎる」

 

「ぼくのことを“パッとしない子”だと言ったなら、それこそがぼくと先生の関係がその程度だったことの証明です」

 

「やった方は覚えてなくても、やられた方は覚えてる。ーー正直、そんな一般論でいじめを語る時みたいな薄っぺらい言葉で片付けないでもらえますか」

この本の総評

読みやすさ
(5.0)
文章
(4.0)
読後感
(3.0)
個性
(3.0)
総合評価
(4.0)

 

 

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